白血病について
私は2013年10月19日、年男36歳の誕生日に、白血病が発覚しました。
しかしながら特効薬が開発されていたので、18日間の入院と1ヶ月程度のリハビリ療養で、すぐに現役の能楽師として舞台に復帰することが出来ました。
しかしながら特効薬が開発されていたので、18日間の入院と1ヶ月程度のリハビリ療養で、すぐに現役の能楽師として舞台に復帰することが出来ました。
以来、10年が経過しようとしている現在に至る迄、この病気によって体調を崩すことは一度もなく、第一線で活躍する能楽師として、通常以上の活動を続ける事が出来ています。
これは決して自身の力で成しえた事ではなく、医学の進歩、そして多くの犠牲の上に自分が生かして頂いていると感じざるを得ません。

入院当時、家内に対し「もし余命があったら、絶対に隠さずに教えてくれ」と頼みました。
それは、残された時間が分かっているならば、その時間を使って何をするかを考えようと思ったからです。
或いは命は助かっても、舞は舞えないならば、謡のみにするか?舞台には立てないならば、お師匠さん業だけにするか?全てダメならプロデューサーや研究者になるか?思いつくのは能楽に携わる事ばかりでした。
それ以来、「今生(世)は、能楽に捧げている人生です」とお話ししております。
結果として、本当にお蔭様で最良の形となり、今では「病気をして元気になった人」とも言われております。
日刊ゲンダイで取材されました

2020年12月14日公開
白血病と闘う能楽師の武田文志さん「医学の進歩を知った」
今から7年前の10月、36歳の誕生日に緊急入院をしました。病名は「慢性骨髄性白血病」…
続きはこちら
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今から7年前の10月、36歳の誕生日に緊急入院をしました。病名は「慢性骨髄性白血病」…
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文志村塾「白血病発覚‼」本邦初公開、発覚から40日後、人生最大の大役を迎える迄のマインド。
白血病発覚から8年半が経過。当時、発覚から40日後に、それまでの人生で最大の大役を勤めた。
奇跡的とも云われたこの復活劇、そこに到るまでの思考の変遷を、初めて詳細に語りました。
奇跡的とも云われたこの復活劇、そこに到るまでの思考の変遷を、初めて詳細に語りました。
何事も柔軟にポジティブに、でも芯をもって考える、武田文志を象徴するエピソードです。
私の心の軸〈座右の銘〉

白血病発覚当時の事は、今でも鮮明に覚えています。
自分でも驚く程に、慌てず騒がず冷静でした。
それは、36歳とはいえ、それまでの人生も充分に楽しく充実したものであったし、当時の医療での白血病の位置づけも知らないし、「努力で改善出来る事ならば、いくらでも努力はする。
でも、そうでない事は、なるようにしかならない」と思ったからです。
実は私は、心に大きな芯というか軸を1本持っており、それこそが私の〈座右の銘〉でもあります。
それは能「西行桜」という演目の一節、「浮世と見るも、山と見るも。ただその人の、心にあり」という詞です。
私なりの解釈では「幸・不幸、嬉しい・悲しい、楽しい・つまらない等、全ての気持ちは、自分自身の心が決めることである」という、格言の様な詞と考えております。
例えば何歳まで生きたら長生きで、何歳で亡くなると早逝なのか?いくら持っていればお金持ちで、いくら持っていなければ貧乏なのか?そんな事も、自身の心が決める事ではないでしょうか?その心で、常に物事をポジティブに捉える様に努めている結果、今もこうして生かして頂いているのかなとも感じております。
起こった事はどうにもならなくても、二次災害を防ぐことは出来る。
そういう思いで日々を過ごしています。
この様な考え方になるのも、能楽を学んいる事と無関係ではない様に思っております。