ランスアン オーガニックセレクトショップ

 ■ イーベジ通信 vol.1 ■​ 2023年4月号

◆農家さんインタビュー【静岡県富士宮市「なごみ農園」宮田雅和さん 前編】

毎日美味しいお酒が飲みたくて
僕は有機農業を始めました


僕は元々夜型生活のサラリーマンでした。この生活を続けていたら体を壊すと思い、農業や漁業、林業などの一次産業に転身しようと考えていたときに、タイミングよくある農家さんとご縁があったのです。修行先は普通の慣行栽培農家で、農薬もガンガン使うところ。劇物や毒物登録されているものもあり、土壌を殺菌する強烈なガスを地面に入れる農薬がありました。

当時から僕は晩酌を生き甲斐にしていたのですが、それを使った晩にビールを飲むと、たちまち吐き気と眩暈に襲われました。「何これ?疲れているのかな?」と、不安に思いながら床につき、翌日同僚に話しました。すると「アレを使ったあとは、酒を飲んだらダメだよ!」と言われて。注意事項を見たら当日のアルコールは控えるよう記載されていたのです。

アレを使ったら酒が飲めないなら、僕は無農薬をやるしかない!そう決意しました。あとはもう単純に、人体に影響がある毒物を食べ物に使って良い訳がないと思ったのです。

消費者にとって農薬の大きな問題は残留農薬。農産物の乳熟期に農薬を与えると、作物に農薬が残留しやすいと言われています。残留農薬のある農産物を食べると、食物アレルギーにつながったり、ガンの原因になったり、農薬の使用量と障害者の数が比例しているという説もあるほど。毒物登録されている農薬を扱った農家が死亡するという悲劇も起きています。

現代人のマインドは足し算
だけど有機農業は『引き算』

有機栽培は『引き算』。慣行栽培は足し算です。
街のスーパーで並んでいる野菜のほとんどが慣行栽培。それらは足し算農法が主流です。農薬、肥料、光、水、殺虫剤をどんどん足して野菜を育てます。余計なものを与えすぎると、枯れたり、実がつかなかったり、虫が過剰について野菜が育たないこともしばしば。足し算は、実際は失敗が多いのです。

一方、自然栽培は、農薬や肥料を与えないのはもちろん、ムダなことは何もしない。自然に任せる方が野菜は育つのです。自然に生えてきたものに、余計な手を加えるから不自然になる。よくよく考えてみれば、自然界がそういう摂理ですよね。
有機肥料もたくさんありますが、僕は無肥料栽培をしています。


現代人も足し算のマインドですよね。病気になると病院に行ってすぐに薬を飲んだり、サプリメントやビタミン剤で栄養素を補ったり、TVで体にいいと言っていたからと過剰に何かを食べたり。それってムダなことではありませんか。ムダなことをするからかえって病気になるのかもしれませんよ。
​(後編に続く)

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◆今月の旬の野菜

  「紅菜苔(こうさいたい)」

今の時期おすすめの野菜は、紅菜苔(こうさいたい)

紫色の茎と黄色い花が特徴の菜花の一種です。紫色の茎にアントシアニンが豊富で、抗酸化作用が非常に強い野菜。アンチエイジングにはもちろん、季節の変わり目で、不調になりやすいこの時期にピッタリです。

抗酸化作用は免疫力UPにつながることから、実は花粉症にも効果的。また、花粉を体内に取り込むことで症状を和らげる治療もあることから、花を生で食べるのがオススメです。

宮田さんからのアドバイス
花粉症には紅菜苔(こうさいたい)や菜花、ブロッコリーやカリフラワーなどの花芽野菜が効果的です。しかし足し算だけでは、残念ながら効果は出にくいもの。今体の中にある余分なものを引いてから、花芽野菜を足してください。添加物や、小麦のグルテン、乳製品。それらをやめると同時に、花芽野菜足すと効果を発揮してくれます。

◆イーベジおすすめ調味料!

   「天日海塩」

「天日海塩」は、お塩の研究をされている笹谷達郎さんが作った天然塩です。

笹谷さんが研究を重ねて出した理想の塩は、非加熱製造されたもの。そして、塩化ナトリウムとにがりのバランスも大事ということ。塩の主成分は「塩化ナトリウム」という人間にとって最も大切なミネラルです。塩が体内に入ると溶けて、塩素イオンとナトリウムイオンに分かれてそれぞれが活躍します。

窯炊きして加熱処理すると、塩素イオンとナトリウムイオンが固く結びつき、体内に入っても自由に動けません。そのため体の中で自由に動ける状態になるように、非加熱で製造されたお塩がベスト。海水を天日で干して手作業で細かいパウダー状にした「天日海塩」は、体にミネラルが吸収されやすいお塩なのです。

冬から春にかけての季節の変わり目は、体内の塩分と水分が多く失われます。毎朝天日海塩を白湯に入れて飲むと、午前中の仕事が捗るようになりました。お湯にシュッと溶けるので使いやすく、何より美味しいのが最大のポイントです!

最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。
​イーベジ通信は、食を大切にしている皆さんに月に一度お送りするウェブマガジンです。
​次回は「なごみ農園 宮田雅和さん 後編」をお届けします。お楽しみに♪

​(ライター まゆこ)