2022.10.13
江戸時代にヒットした「素肌をきれいに見せた化粧水」とは?
(一社)日本アロマ蒸留協会 代表 河内です。

日本では、まだよく知られていない香りのお水「芳香蒸留水」に関する役立つ情報を
こちらのブログでは紹介しています。
芳香蒸留水は、安全に誰でも、手軽に取り入れることができる「アロマセラピー」です。
先日のブログでは、江戸時代に自宅で一般庶民が
つみとった野ばらを蒸留していたことを紹介しました。
その自家蒸留した「芳香蒸留水」を、
万能化粧水として
愛用していたのですね。

(画像はお借りしています)
この万能化粧水
もちろん手作りのみならず
販売もされていました。
江戸時代も
この野ばらの芳香蒸留水は販売もされています。
江戸時代は行商が普通でした。
下の画像は、ネットで公開されているものよりお借りしましたが、
こんな感じに、
化粧品,櫛(くし),簪(かんざし),楊枝,
歯みがき,紙入,タバコ入等も売り歩くのが通常でした。

しかし、
この芳香蒸留は、行商ではなく、小間物店で売られていました。
おしろいや口紅と一緒に 販売されていたわけですが
たとえばへちまの美人水など沢山の化粧水が販売される中で
一番大ヒットしたのが、
【江戸の水】と呼ばれる化粧水です。
当時 売れっ子作家であった式亭三馬が、自身の著書でヒットした作品の中で
「さりげなく」この江戸の水を宣伝したことから、自ら経営した 小間物店で
大ヒットしたそうです。
当時から うまく宣伝すると売れていたのですね笑
興味がある方は、「都風俗化粧伝」を読んでみてくださいね。
【江戸の水】というネーミングを
つけて販売した化粧水が
江戸後期には大ヒットしたといわれています。
当時 前回のブログでもお伝えしたように
女性は手作りで 化粧水をつくって愛用していた
女性たちを虜にしたといわれています。
より美肌効果の期待できるものへ!!と
女性のニーズは高まり そこに戦略的プロモーションを
仕掛けたのが、この江戸の水だったというわけですね!
いまも TVやCMの効果は絶大ですが
(効果云々関係なく)
江戸時代も同じだったのですね~。
大ヒットした要因のひとつに
そのネーミングがあったといわれています。
さて ここで質問です。
花の露(はなのつゆ)
菊の露(きくのつゆ)
江戸の水(えどのみず)
どのネーミングがお好みですか?
いずれも 江戸時代に 売られていた化粧水の名前。
花や 菊・・というのが主流だった中で
江戸・・という 当時の都会的イメージを彷彿させる
ネーミングは、新しく魅力的だったのかもしれませんね。
江戸の水は、
おしろいをキレイにぬれる(化粧ノリがよくなるということ)
素肌もきれいになる化粧水として
もっともっとキレイになりたいという
女性心をつかんだようです。
明治時代には、キレー水というへちまから
つくられた化粧水が流行り、この後も 「女性のきれいになりたい心」を
くすぐるお化粧品が どんどん開発されていくようになったのですね〜・
芳香蒸留水が
化粧水としてその効果を発揮し女性を虜にしていたのはとても興味深いですし、
良いものは、昔から今も続いているのですね。
いまも
ローズウォーターを筆頭に
沢山のスキンケアに有効な
使い方が紹介されていますが
江戸時代の女性のように!
自ら育てたハーブや選んだ野菜や果物で
日々の化粧水をもつくってしまおうというのが
キッチン蒸留®。

手軽にお肌を整えるだけでなく香りで心にも働き
内側から外側からとダブル効果でスキンケアに働く
芳香蒸留水。
江戸時代も行っていたように
私たちのキッチンで 簡単に 作ってしまうことが出来るのです。
もちろん
芳香蒸留水は、販売もされていますので
購入されたものを使うのもいいでしょう。
芳香蒸留水は、
その成分のほとんどが水ゆえ
防腐剤やアルコールなどが
添加されているものが多いので
注意をして選んでくださいね。
なかなか納得のできる芳香蒸留水を見つけるのは
大変です。
江戸時代に大ヒットした芳香蒸留水の化粧水も
20世紀に入ると石油から様々なものが作られるようになり
自然界にはない合成のものが増えていき、スキンケア用品も
薬品も・・
植物から抽出される自然なものより
合成の有効成分が配合されたものの方が安定していて
利益率も高い為もてはやされるようになっていきます。
日本のみならず
世界においても同じことが起こっていきます。
18世紀に
200種も愛用されていた芳香蒸留水もですが
実は
20世紀には 一部の国でしか
使われなくなってきます。
次回のブログでは
そのあたりをご紹介いたします。