寝違えて首が痛い(もみ返し怖い)

3か月ぶりに来院されたH様(60代女性)。首を寝違えて動かすと痛いとのことでした。前日から下向く、左向くのがほとんどできず、上向くのも痛いのでかなりお困りでした。張りが強いため、患部中心に可動域を意識しながら丁寧に施術したところ、おかげ様で施術後は痛みは「0」になり、楽に動かせることにとてもご満足いただけたようでした。とはいえ、ハードな踊りの練習が控えているそうで、まだ痛くなる可能性もあります。




実は3ヶ月前のこと。H様が初めて来院された際も、首と肩のコリがつらく、その時も首の可動域が悪い状態でした。そもそも首は可動域が広い部位ですが、その首があまり動かないほど、首肩の筋肉の張りがカチコチでした。


元々、同じマッサージ店で同じ方を指名していたそうですが、その方が辞めてしまい、代わりの方の施術を受けた後、もみ返しがひどく、通うのを止められたのだそうです。それ以前も整体やマッサージ店に色々行かれましたが、余計痛くなったことも何度かおありで、「とにかくもみ返しが怖い」と、3ヶ月前お話されていました。


1回目の施術後、首コリ肩こりがとても楽になり「ぜんぜん違う」とご満足いただけたようでした。「でも、もみ返しが分からないから、また電話します」とご帰宅。それ以来の来院だったのです。施術の参考にも必要なので、前回後の状態を最初に伺うと「うん、体全体がすごい調子よかったみたい。もみ返しも全然なかった」もみ返しは誰だってイヤですよね。せっかく貴重な時間とお金を使ったのに、損した気になります。


では「もみ返し」ってよく聞きますが、あれは何かご存知でしょうか。


「もみ返し」は「毛細血管が破け内出血している状態」です。過度な強押しを長い時間行うとなりやすいです。また、ご利用者が力が入っているのに、グイグイお構いなしにすると、これももみ返しの原因となります。患者様にたまに「先生の施術はもみ返しがないからいい」「なんで痛くならないのか不思議なんですよね」と言われることがあります。それは、ほぐしの技術的な要素はもちろんですが、「これ以上の施術はダメ」というボーダーラインを心得ているからです。

一方、もみ返しと似ている感覚で全然違うものもあります。


それは「自律神経の好転反応」です。施術により副交感神経が刺激され「眠い・だるい・疲れたような感覚」が起きることがあります。食後、入浴後、寝る前などの感覚に似ています。施術効果的にはこうなった方がGOODなのです。では、鈍っていた副交感神経が活性化するとどんなメリットがあるのでしょう。


「疲労がとれる」「睡眠の質が高まる」「白血球の働きが高まる」「胃腸の機能が活発になる」など良いことづくめです。慢性疲労度の濃い方(筋肉疲労・寝不足)は、自律神経のバランスが乱れがちです。活動する交感神経ばかり強く働き、リラックスや休息する副交感神経が鈍くなっています。施術により副交感神経の働きをしっかり引き出すことで、このような施術効果が感じやすくなります。


H様が「首肩だけではなく体全体調子よかった」のは、ここから来ているのですね。ですので、「もみ返し」と「副交感神経が活性化」は実は似ているどころか、真逆の反応です。もみ返しは痛みやストレスで交感神経が刺激されてしまいますので。


当院では、初めての方で施術後に副交感神経が強く働きそうな場合、しっかりご説明し、施術内容を工夫したり、スムーズにかつ最短で体調が回復するよう、その方にベストな施術方法を提供しております。その後、H様は当院を気に入ってくださり、踊りの練習や楽器演奏などで疲労するお体のメンテナンスでご利用いただいております。


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