2025.06.05
北海道室蘭市 トタン屋根をスーパーシャネツサーモSi で塗装。
北海道室蘭市でひどく傷んだトタン屋根の塗装をさせていただきました!
日頃は大阪をメインに塗装工事をさせていただいておりますが、北海道の鉄部の傷み方は本当に冬の過酷な状況を実際に感じれる、貴重な経験となりスキルアップになります。
近年では北海道でも真夏は気温が37℃と聞いても当たり前のようになってきましたので、エアコンを取り付けるお家も増えているというお話を地元の方からお聞きしました。
そういう意味で、今回の屋根の塗装はせっかく足場も組んで行う訳ですから、遮熱シリコンを塗布させていただく事にしました。
施工前の状態
北海道は雪が積もっているというのは当然の事だと思っていましたが、それは氷が屋根の上に乗っていてその氷が屋根から摩り落ちているという事がよくわかりました。
どの部分が摩って塗膜が剥がれて錆びているのか? これは良い経験をさせていただきました。
これは数年に一度は塗り替えをして、長期間維持をする方が良いと思います。
現状をよく観察して、今回は下地に拘った塗装をさせていただきました。
現在はラジカル制御シリコン、フッ素なども比較的安く入手出来るようになりましたので、高耐候の塗料を選択して塗り替えの周期を延ばす事も出来ます。
先ずは錆びている部分を念入りにケレンします。
塗膜が剥がれているという事ではなかったですので、前回の塗装屋さんはしっかりと塗っていましたのでとても助かりました。
ケレンが完了しましたのでさび止めを塗る訳ですが、先ずはよく摩るであろう部分に耐久性のある強溶剤2液エポキシ樹脂プライマーを塗布していきました。
エポキシ樹脂の下塗り材は密着性、摩耗性に優れていますので万能ですが種類は豊富ですので、これも人によって使うものは異なると思いますが、私はエスコ(関西ペイント)を35年使用して絶大な信頼をしていますので、ここはエスコに託しました!
先端の部分は雪が落ちる時にかなり荷重が掛かるのでしょうね?
なかなか酷い状態でしたので、悔いの残らないように全体に塗布しました。
水切りになる部分も勿論ですが全体に錆びていましたので、この部分は全体にエスコを塗布しました。
サーモテックメタルプライマー(アステックペイント)
エポキシ樹脂の遮熱専用のプライマーになりますが、やはり密着性と摩耗性はエスコより劣ると思いましたので先行でエスコを塗布しましたが、通常はこのサーモテックメタルプライマーを塗布すれば大丈夫です。
決してこの下塗り材が弱いと言っている訳ではなく、長期缶維持させたいという点で敢えてエスコを摩る部分に塗布したというだけです。
サーモテックメタルプライマーを全体に塗布します。
下塗りが完了しました。
このサーモテックメタルプライマーはスーパーシャネツサーモ系の遮熱上塗りを塗布する際の専用下塗り材になりますが、屋根のみならず外壁の金属サイディングや庇などにも使用しています。
今回は鉄板ですのでこのサーモテックメタルプライマーですが、スレート屋根や窯業サイディングなどのセメント系には専用のサーモテックシーラーという下塗り材があります。
この下塗り材に拘りを持っているアステックペイントさんは信用して使える塗料だと思い、最近はアステックペイントさんの塗料を使っています。
今回は屋根のすぐ下の3階のお部屋に温度計を設置させていただいて、下塗り、中塗り、上塗りと塗り重ねていく段階で室内の温度がどのように変化していくのか? 観察させていただきました。
北海道室蘭市は6月半ばで日中の気温が23℃でしたが、3階の室内の温度は31℃ ~ 33℃で、窓を開けていても扇風機は必要かという暑さでした。
下塗のサーモテックメタルプライマーを塗布した段階で室内の温度は2℃ほど下がりました。
日頃は屋根に塗装する時にサーモグラフィーカメラで観察していますが、屋根の表面は遮熱効果で7℃ ~ 9℃は温度は下がりますが、それに対して室内の温度は2℃前後下がるという事が確認出来ました。
たかが2℃程とは言えども、塗る前よりも明らかに室内で過ごす体感温度は違いました。
下塗完了後に腐食で穴の開いた部分をSPBー腐食補強システムで補強しました。
先端の部分は雪の落ちる時の重みでかなり負担が掛かっている感じでしたので、アルミ補強テープを貼り、その上からソンソラテープを被せるように貼り付けました。
ソンソラテープの上をポリパテで均して成形しました。
全部で軽く30箇所以上は補修をしましたが、雪が摩っても大丈夫という程に表面は勿論、鉄板が動く事も想定してソンソラテープを貼っていますので、これで修復は完璧です!
スーパーシャネツサーモSi - JYで 中塗りを塗布します。
スーパーシャネツサーモSi- JY
この塗料で中塗り、上塗りと2回塗りします。
今回は施工主様のご要望でグリーンを塗りました。
元々が茶系でしたので、イメージがかなり変わると思います。
中塗りが完了しました!
この時期は大阪や名古屋では気温は軽く30℃を超えていますが、室蘭市では24℃と過ごしやすい気温で塗装もはかどります。
しかし室蘭市の地元の人に言わせると、今年は特別に暑いということでした。。。
上塗りを塗布。
スーパーシャネツサーモSi- JYを2回目。
仕上げ塗りですので遮熱効果と耐候性を増す為にも、希釈はほとんどしないでたっぷりと塗り重ねるという感じで塗ります。
完成しました。
今回は瓦棒のトタン屋根を塗装させていただきましたが、もう年々暑さが増している状況ですので同じ塗るなら遮熱塗装がコスパも良くてお勧めです!
完成時の温度計は気温が26℃に対して室内の気温は29℃でした。
北海道でも真夏は30℃を超える日は当たり前にありますので、気温が35℃になると室内は40℃近くになるのでは?と思いますが、因みにこの日の1階の部屋の室内の温度は22℃でした。
同じ建物でも屋根裏の3階と1階では6℃も温度が違うという事も観察させていただきました。
今回は室内の温度を観察して学ばせていただいた事は、遮熱塗装したら室内の温度は3℃は下がるという確信を得ました。
断熱と遮熱は違いますが、塗装する事で遮熱効果があるのはとても良いと思いました。
北海道の屋根の塗装は一度してみたかったのですが、施工主様のおかげで夢は叶いました。
心より感謝いたします。