H10 PEAT とは — 太古の植物が育む、唯一無二の自然素材
ピート、と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。日本ではまだ馴染みの薄い言葉ですが、ヨーロッパでは200年以上前から美容や医療の現場で大切に使われてきた、静かなパワーを持つ天然素材です。 水辸の植物が、数千年から数万年という悠久の時間をかけて発酵・熟成した、自然からの贈り物。そのなかでも、最高グレードにあたるのが「H10」です。
ピートは「泥」でも「炭」でもありません
ピートは日本語で「泥炭」と訳されます。見た目の印象から「泥」と混同されがちですが、両者の出自は全く異なります。
泥は鉱物(石)が風化して生まれるもの。一方、ピートは湿地に生い茂るアシやミズゴケなどの植物が、特定の環境下で数千年〜一万年かけてゆっくり分解・堆積して生まれた、植物由来の結晶です。今もなお発酵を続ける、生きた有機物——それがピートです。
その内側には、植物が長い年月をかけて蓄えた フミン酸・フルボ酸(生命の循環を支える有機酸)、ミネラル、ペクチン・セルロース(植物の骨格を成す多糖類)が複雑に絡み合っています。化学合成では決して再現できない、絶妙なバランスの天然の栄養素。それゆえピートは「黒い黄金」と呼ばれてきました。
10段階の熟成等級と、最高グレード H10
ピートには、植物の熟成度(分解度)に応じて H1 から H10 まで10段階のグレードがあります。熟成が浅いものは土壌改良や園芸用に、中程度のものはウイスキーの香りづけなどに、そしてなめらかなペースト状にまで熟成した最上級が、美容・医療用に使われます。
H1〜H6|土壌改良・園芸用
植物の姿がはっきり残るグレード。大地を耕す力を、そのまま自然に還す用途で使われます。
H7〜H8|香料・美容用(一般)
繊維の跡が残りながら熟成が進んだグレード。ウイスキーの個性づけや、多くの美容ブランドで使われる主流帯。
H9〜H10|最高グレード(希少)
繊維の跡形もなく、なめらかなペースト状へ深化を遂げた最高峰。美容・医療の領域で最上級の素材として扱われます。日本初上陸。
その先にある H9・H10 の姿を見たい。その一心で、ヨーロッパ各地を探しまわり、ついに最高グレード H10 との出会いを果たしました。たなこころ がお届けするピート製品は、すべてこの H10 グレードのみを使用しています。
ヨーロッパのメディカルスパで200年
ヨーロッパでは200年以上前から、皮膚トラブル・関節症・婦人科系の不調など、さまざまな領域でピートが用いられてきました。ドイツを中心に60以上のピート保養地(モール保養地)があり、ピート浴・ボディラップ・イオン導入など、多彩なプログラムが提供されています。
日本でも「美肌の湯」として知られる モール温泉は、実はピートの成分が溶け込んだ温泉です(モールはドイツ語でピートを意味します)。ピート浴と似た効果が期待されることから、この名前がついたと言われています。
「奪う採掘」ではなく、「育む再生」へ
ピートの採掘は、一般的には環境負荷が懸念される行為です。ですが、H10ピートが採取されている現場では、湿地の水を排出しない「水中発掘」という特別な手法が採用されています。
かつて豊かな湖でありながら、長い年月の中で植物が堆積して陸地化してしまった場所。そこから丁寧にピートを掘り出すことで、水域や生態系を蘇らせ、湿地そのものを再生していきます。さらに、すべてを掘り尽くすことはせず、野鳥が巣作りや休息をするための「島」を意図的に掘り残し、自然公園の管理計画に沿って、生態系をデザインしています。
資源を分かち合うことで、かえって生態系が豊かになる。逆転の発想が、H10ピートには宿っています。