筑波大学で開発・SAT療法 心理カウンセラー 西川範彦

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統合失調症 6回(2ヶ月)の心理カウンセリングで薬が不要に(主治医に了承の元)

統合失調症の方が、私のSAT療法(心理療法)により短期間(6回、2ヶ月)で元気になられましたので、ご報告します。

※クライアントより快諾をいただきました。
※全ての人が同じような結果が出ることを保証をするわけではありません。効果には個人差があります。


【症例の概要】
女性 20歳代前半
疾患:統合失調症
通院歴:3年ほど前から精神科通院
セラピー回数:6回(約2ヶ月間)


① [初回]
主訴:病院に行っているが、不安定さがひどくて・・・。薬を続けたくない、太るという副作用がストレスです。当初カウンセリングも受けていたが合わなくて。食べちゃう、(病気に)なりたての頃は拒食、薬を飲んでいくと過食になりました。太るというのがめっちゃイヤで何とかしたいです。
 症状がひどいと、いらない声(人の声)が聞こえる。人混みに行きたくなくなります。


身体サイン:肩こり
行動サイン:お金を使ってしまう衝動がある。お金を使うことで安心もある。食べてしまう。
睡眠:5~8時間寝ている。


服薬状況:
・アリピプラゾール 12mg 1日1回夕食後 
(1年半ほど服用中)


⇒対応:現状を把握してもらうためのコーチング、潜在意識のイメージ変換入口部分の体験




② [2回目⇒初回から約10日後]
主訴:結構気分がいいです。落ち込むことがほぼないです。ただ、買い物ぐせが…インターネットで。直したいです。自分が本当に欲しいと思ったものだけを買うようにしたい。ストレスがたまると、そこまで欲しくないのを買ってしまいます。(ストレスについて聞くと)何のストレスかわからないけど、疲れたときです。


⇒対応:情緒安定のための潜在意識イメージ変換を本格的に開始。最後に、ストレスを自分で軽減させて、短時間で「感じ方」を変えるセルフワークの練習をした(以下、「セルフワーク」と記す)。


【セラピー後の感想】衝動買いがなくなりそうです。こんな短期間で変わるのがすごいと思った。




③ ④[3+4回目(同日中に午前・午後と2回)⇒2回目から4日後]
主訴:ここ最近、気分の沈むことがほとんどないです。結構元気です。気になることがない。電車で人が多いと気になっていたが、今はないです。


身体サイン:肩こり⇒軽いです。
行動サイン:買い物と、食べ過ぎること⇒なくなりました。


SAT療法で使用するチェックシートの点数の余地から:(点数は既に全体的にかなりよくなっているが、一部余地があるところから、ご自身の課題をひらめきで答えてもらうと)全体的に(気持ちを)抑制しているかな。もうちょっと自分の気持ちをハッキリさせたい。自分で行動できるようにしたいです。


⇒対応(午前):情緒安定のための潜在意識イメージ変換


【セラピー後の感想(午前)】考えず言いたいことを言えて、本当に自分のしたいようにできそうです。(改めて)短時間で感じ方が変わってビックリです。


⇒対応(午後):『生き方』の脚本に気づくための潜在意識イメージ変換
テーマ:金銭面、親に借りていたのを返済する。誰にも負荷、迷惑をかけない自立した生き方をしたい。
自分の本当の問題(セラピー終盤の気づき):自分のことを置いておいて、周りにしてあげたいのでお金を借りることになる。その結果、迷惑をかけてしまう。


具体的な行動目標:
1.自分を否定しすぎず、「まあいいか」とどうにかしていく。
2.周りの人に感謝し気持ちを伝える。相手のよいところを探す。
3.本当に好きなこと、楽しいことをみつけて、愉しむ。
最後に、「セルフワーク」の練習をした。


【セラピー後の思い】薬は太るのでイヤだから、やめたい。(主治医に)言えるので言います。相談してみます。




⑤[5回目⇒4回目から約10日後]
主訴:特に悪いこともなく、楽しく過ごせています。買い物、食べるも大丈夫です。強いて言えば瘦せないこと。 薬を飲んでから15㎏増えて、ある程度元通りになりたい。今の薬になって5㎏減ったが、前の薬で体重がとても増えた。ラクに考えられる、楽しそうな自分になりたい。


⇒対応:
A.問題となっている行動に気づくための潜在意識イメージ変換
B.情緒安定のための潜在意識イメージ変換
最後に、「セルフワーク」の練習をした。


【セラピー後の感想】
対応A.の後⇒子どものとき、いい記憶がなかったな、明るい気持ちがなかったなと思った。「自分なんか」が多くなっていた。これからは自分を下げる発言をしなくなりそうです。痩せないことに対して、目標に向かって行動します。運動します。
対応B.の後⇒細かいことでクヨクヨしない、悩まなくなりそうです。またさらに大分ラクになりました。




⑥[6回目⇒5回目から1か月少し後] ※この回でセラピーを卒業されました。
主訴:周りに明るくなったね、元気になったねと言われます。SAT療法のカウンセリングを受ける前、浪費癖があり、今になって請求が来ているストレスが。今は、クレジットを使わないのと後払いもしないので、いくら使ったかわからないのは減った。でもまだ不安。貯金できない。計画してるけど、勢いとかで買ってしまう。お金を一旦考えて使えるようになりたいです。


身体サイン:鼻炎 ⇒(色+形で喩えると)緑(ちょっと濃い黄緑)+トゲトゲ⇒(色+形に感じる感情は)悲しい⇒(日常生活で悲しさを感じることというと?)仕事、もうちょっとちゃんとしたい。今は夜に仕事をしているが、普通のお昼の仕事をして安定した給料をもらいたい。元々アパレルの仕事がとても楽しかったので、もう一回やりたい。


●服薬状況:前は2~3日薬を飲まないと調子悪くなったが、ここ1か月飲んでいないです。初めのうち忘れていて、そのままいらなかった。10日後に精神科に行くので、(主治医に)相談します。


⇒対応:問題となっている行動に気づくための潜在意識イメージ変換。
最後に、「セルフワーク」の練習をした。


【セラピー後の感想】お金の管理はどうせ無理だろうなと思っていたけど、できる気がしてきました。




※セラピー卒業後、精神科に行かれた後、連絡をいただきました。
 主治医は、薬を飲まないことを賛成してくれたとのこと。「飲まないでずっといけるならそれが一番いいけど、とりあえず1か月ごとに診察させてください」ということになったようです。




【西川の補足】
クライアントの方に「今後人生の局面が変わったとき(正社員への就職、結婚、出産など)にもしかしたらまたしんどくなるかもしれない、そのときご自分の力で乗り越えるのが難しく、私の力が必要だと思ったら言ってくださいね」とお伝えしています。





統合失調症のカウンセリングの場合、ご家族の支援も重要になってきます。
今回の事例の場合、お母様ご自身からカウンセリングをご希望され、6回のセラピーを受けて卒業されました。最後に「自分に自信のある自分となり、娘のことも信じて、娘のそのままを受け入れられるようになる」という見通しが立ち、終了となりました。
統合失調症のクライアントの情緒安定のためには、親御さんの安定、親御さんとの良好な関係性もとても大事な要素です。
その意味でも今回の事例は、私自身もとても安心して対応させていただきました。


クライアントご自身もお母様からも
「他にも同じようなお悩みの方の参考になりお役に立てれば嬉しいです!」と快諾いただきましたよ(^_^)





SAT療法が必要な方々に届きますように!!!

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