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第57話 腎臓の機能を悪化させる尿毒素の蓄積には実は腸内細菌が関わってるぞ!

第57話 腎臓の機能を悪化させる尿毒素の蓄積には実は腸内細菌が関わってるぞ!

<1番伝えたいことをざっくり解説>
2016年にThe American Journal of Kidney Diseases (AJKD)という雑誌に掲載された「Role of the Gut Microbiome in Uremia」という論文によると、腎臓を攻撃する毒素は100%腸内細菌によって作られ、腎臓にダメージを与え、さらには心臓や血管にも悪影響を及ぼすよ


<補足説明>
・ヒトの慢性腎臓病(CKD)患者では、腸内細菌が変化してバランスが乱れていることが報告(Ramezani A et al.,2014)されてるよ。
・さらに慢性腎腎臓病(CKD)の病態が進行する原因としても腸内細菌叢が関与していることが明らかになってきたよ 。
・実際に、末期の腎不全患者では,尿毒症物質を作り出す悪い腸内細菌がガンガン増えていて、腸内細菌叢の変化が尿毒症の原因になってんじゃね〜の?って推測(Wong J et al.2014)されているよ。
・腎臓をアタックする尿毒素毒素にはインドキシル硫酸(IS)、P-クレシル硫酸(PCS)、トリメチルアミンN-オキシド(TMAO)があるよ(名前は難しいから覚えなくてもいいです)
・これらの尿毒症物質は、100%腸内細菌によって作られるし、さらにコイツらが慢性腎臓病(CKD)の進行や心血管疾患の併発にめちゃくちゃ影響を与えとるってことがわかった。
・慢性腎臓病( CKD)患者でなぜ腸内細菌叢の変化(dysbiosis)が起きるのか?というと、「食物繊維をあまり撮らない」、「タンパク質取りすぎ」、「抗菌薬を使いすぎで腸内細菌が死んでる」、「 便秘」などがあるよ


<腸内細菌が乱れるとなんで腎臓が悪くなるのか?>
「悪い腸内細菌がガンガン増える」→「腸管バリア機能が低下する」→「腸内細菌が作り出す腎臓をアタックする物質が腸管から吸収されて体内に流入する」→「腎臓を攻撃する」→「おしっこに悪い物を出せなくなる」→「尿毒症になる」

・つまり尿毒症の発症には腸内細菌叢がめちゃくちゃ大切ってこと(Ali Ramezani et al. 2016)。
・腸管内で悪玉菌(インドール産生菌)の割合が増えると腎臓を攻撃する物質(インドールなど)も増える。
・腎臓が悪い人の腸内細菌は、乳酸菌(Lactobacillus)、プレボテラ(Prevotella)、ビフィズス菌(Bifidobacteria) などいわゆる”善玉菌”と呼ばれる菌種の割合が減少している一方、Brachybacterium, Catenibacterium,Enterobacteriaceae,Halomonadaceae,Moraxellaceae, Nesterenkonia,Polyangiaceae, Pseudomonadaceae,Thiothrix families など尿毒素をガンガン作り出す悪玉菌がめっちゃ増えとるやないか!ってことが分かっている(Baziri ND et al. 2013)。
・実際に、腎不全の時に問題となる尿毒素がどれくらい腸内細菌の影響に依存しているかを調べるために,腸内細菌が全くいない無菌の腎不全マウスで実験したら、
インドキシル硫酸や p-クレシル硫酸は無菌マウスでは全く体内に存在しないことから 100% 腸内細菌代謝に由来していることがわかった(Mishima E et al.2017)。
・さらに興味深いことに,大腸を摘出した透析患者では,インドキシル硫酸(IS) やP-クレシル硫酸(PCS)などの血中濃度が低下していることが報告(Aronov PA et al.2011)されいて、つまり尿毒症には腸内細菌叢による毒素の産生と腸管からの吸収が深く関わってるってことね

<今回のコラムのまとめ(Take home message)>
・腎臓にダメージを与える尿毒素は100%が腸内細菌によって産生されるぜ!
・腸内細菌叢の変化で尿毒素産生菌がガンガン増えて、インドキシル硫酸(IS)、P-クレシル硫酸(PCS)、 トリメチルアミン-N-オキシド(TMAO)など腎障をアタックする尿毒素が増えちゃうぜ!
・尿毒素は腎臓病の進行とともに体内にどんどん溜まっていき、動脈硬化になったり危険だぜ!
・血中インドキシル硫酸濃度が高いほど生存率が低下するっていうぜ!
・腸内細菌叢を標的とする尿毒症毒性をガクンと下げる慢性腎臓病( CKD)への治療介入が必要だぞ!
・ビフィズス菌などの非インドール産生細菌の増加を期待したオリゴ糖(ケストースなど)の投与が有効かも知れないぜ!
・尿毒症毒素の前駆物質であるインドールを吸着して糞便中に排泄させることによって、インドキシル硫酸(IS)の産生を抑えて腎機能の悪化を防ぐような吸着剤は有効だよね!


あとがき
このメルマガは、「診察室では話しきれない情報を伝える」で、「ヒトとペットの健康に関わるイケてる研究論文を独断と偏見でピックアップしておじいちゃんでも理解できる言葉で噛み砕いてわかりやすく表現すること」にコミットします。情報量がかなり多くて1度読んだだけでは100%の理解は難しいと思います。仮に10%しか理解できなくても次に読んだり聞いたりした時に点と点が繋がって線になる時がいつか来るので心配しないで下さい。
特に腸内細菌や口腔内細菌や皮膚細菌にググッとフォーカスし、鋭くザクッとメスを入れます。動物病院でアレルギーのペットを毎日診断・治療して、ペット合ったオーダーメイドの乳酸菌を飲むとによって腸内の細菌のバランスを元に戻してあげることによって痒いという症状が改善していくの目の前でみて、やはりカギとなるのは菌だと感じています。そんな想いを高速道路サービスエリアに設置されて、「コーヒールンバ」の曲にのせてプチ贅沢なコーヒーが出来上がるまでの時間でも読めるくらいにギュッとコンパクトにまとめて発信します。この記事が誰かの目に留まり、アレルギーで痒がる世界中のワンちゃんと猫ちゃんへの恩送りとなりますように…

文責
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川野浩志(獣医学博士)
日本獣医皮膚科学会 認定医
藤田医科大学医学部 消化器内科学講座Ⅱ 客員講師
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