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第39話 抗菌剤に頼らず細菌性皮膚炎をコントロールする方法
第39話 抗菌剤に頼らず細菌性皮膚炎をコントロールする方法
1.膿皮症って何?
犬の膿皮症(ブドウ球菌という細菌が増えた状態)はめちゃめちゃよくある細菌感染症です。いつも診察の時に話していますが、特にアトピー性皮膚炎や食物アレルギーで治療中のワンちゃんは数カ月ごとにこの膿皮症を繰り返します。この膿皮症の主犯格であるブドウ球菌(Staphylococcus pseudintermedius)は犬の皮膚や粘膜に常在する細菌(住民票が皮膚ってこと)だけど、アレルギー性皮膚疾患などが原因で皮膚表面の細菌のバランスが変化することにより、「いつもより増えちゃった状態(ディスバイオーシス)」になり赤くなったり、ブツブツになったり、カイカイになったりします。さらに厄介なのがこの主犯格であるブドウ球菌(Staphylococcus pseudintermedius)はバイオフォルムを形成(Ameet Singh et al 2013)することが知られています。つまり、スーパーマリオで例えると、マリオがスターを取って無敵になった状態で、クリボー(抗生物質)だってハンマーブロス(免疫細胞)だってはねのけてしまうパワーがあるんです。
2.グリム童話 白雪姫作戦とは?
細菌が生体に感染した際にはいろんな糖を食べて元気モリモリ(ATPというエネルギーをつくる)になります。だけど“見た目は糖によく似た形をしているけど食べたらお腹がいたくなる糖(糖アルコール)”をスプレーの中に入れて皮膚に吹きかけると、ブドウ球菌が間違えて食べちゃいお腹が痛くなりその糖を吐き出します。ブドウ球菌は吐き出した糖をまた間違えて食べちゃってまたお腹が痛くなってまた吐き出すということを繰り返して行くうちにお腹が空いて元気がなくなってしまう原理です。まるで白雪姫が毒リンゴを間違って食べちゃったように。
ちなみにこの白雪姫作成は、ヒトの某社歯磨きにも応用されています。食べたらお腹がいたくなる
糖は、虫歯菌であるミュータンス連鎖球菌にも効果があり虫歯予防の効果が有ります。さらヒトの口腔内において歯周病菌であるジンジバリス菌(P. gingivalis)のバイオフィルムをぶっ壊すので歯磨剤も配合されています。
3.抗菌薬が効かない怖い現実
ペットにおいても抗微生物薬は感染症の治療において重要な役割を果たしていますが、その一方で抗微生物薬の使用量が増大していくにつれて、その薬剤の効かなくなる微生物が発生する薬剤耐性(AMR)の問題に悩まされるようになってきています。そこでできるだけ抗微生物薬ではなく感染症をコントロールすることは未来のペットのためにかかせない課題の1つです。そこで細菌がエネルギーを作り出す際に必要な糖と似た構造で細菌が代謝することができない糖アルコールを使い、細菌のATP産生を抑え、さらにバイオフォルムを形成を抑制することにより常在菌のバランスを整えるという新しい概念を提案(スプレー)します。
これまでの犬の膿皮症の治療戦略としては
1)薬用シャンプーで洗う
2)抗菌薬を塗る
3)抗菌薬を飲む
がありますが、
1)抗菌薬に頼りたくない場合
2)バイオフィルムがバリバリできている場合
このようなケースではこの糖アルコールをトライしてみる価値はあります。
4.何が配合されたスプレーがスカッと知りたい
人医療でエビデンスのある成分を配合したペット用のスキンケアスプレーです。皮膚への浸透力が高い還元水にバイオフィルムを破壊する作用の期待できる糖アルコールが配合されています。さらにターンオーバーの正常化を期待したビタミンB群、より吸収性の高い2種類の水溶性ビタミンC誘導体や医薬部外品の抗炎症有効成分、さらにエモリエント成分を配合しています。
つまり、期待できる作用は、
1)抗酸化作用
2)抗炎症作用
3)ターンオーバーの正常化
4)エモリエント成分
5)静菌作用(ブドウ球菌や歯周病菌)
6)糖アルコールによるバイオフィルム破壊作用
5.今日のザックリしたまとめ
・ブドウ球菌が食べるとお腹が痛くなる糖があるよ。
・細菌同士が寄り集まってへばりついたバイオフィルムをぶっ壊さないと細菌たちはかくれんぼしてるよ。
・皮膚で悪玉菌が増えすぎたディスバイオーシスを何とかせなあかんよ。
・虫歯と歯周病の予防の効果も期待できそうだね。
・言い訳じゃないけど、このスプレーは薬じゃないからね(笑)
あとがき
このメルマガは、「診察室では話しきれない情報を伝える」で、「ヒトとペットの健康に関わるイケてる研究論文を独断と偏見でピックアップしておじいちゃんでも理解できる言葉で噛み砕いてわかりやすく表現すること」にコミットします。
特に腸内細菌にググッとフォーカスし、鋭くザクッとメスを入れます。動物病院でアレルギーのペットを毎日診断・治療して、ペット合ったオーダーメイドの乳酸菌を飲むとによって腸内の細菌のバランスを元に戻してあげることによって痒いという症状が改善していくの目の前でみて、やはりカギとなるのは菌だと感じています。そんな想いを高速道路サービスエリアに設置されて、「コーヒールンバ」の曲にのせてプチ贅沢なコーヒーが出来上がるまでの時間でも読めるくらいにギュッとコンパクトにまとめて発信します。この記事が誰かの目に留まり、アレルギーで痒がる世界中のワンちゃんと猫ちゃんへの恩送りとなりますように…
文責
東京動物アレルギーセンター
九州動物アレルギーセンター
福岡動物アレルギーセンター
名古屋動物アレルギーセンター
川野 浩志(獣医師 獣医学博士)
日本獣医皮膚科学会 認定医
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