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メールマガジン バックナンバー
【連載】vol.25 「私はもう書けない」
こんにちは。
すっかり朝晩はひんやりとした風を感じる札幌です。
もう夏が終わったんだなと思わざるを得ない気候ですが、
皆様のお住まいの地域はいかがでしょうか?
夏の疲れが出やすい時期です、どうぞご自愛くださいませ。
このメルマガでは毎月1回、
私、ストレングスジャーナリストのこぼねあみが、
書道家関吉久美さんにインタビューを実施し、
その内容を記事として配信しています。
これまで語られなかった、関吉久美さんの内側をお伝えしていく場です。
メルマガ記事第十弾。
テーマは
「私はもう書けない」
では早速始めていきましょう。
【はじめに】
前回のメルマガの最後、今後の久美さんの活動について
お伝えしていきますと締めくくりました。
そのため、現時点で見えている今後の展望についてお伝えします。
みなさまが想像するものと、重なる部分はあるでしょうか。
どうぞここから、それをお確かめください!
【ワクワクしない】
Q:以前、大きな紙に大きな筆で作品を書いてみるというお話をしたことがありましたが、その後いかがですか?
A:それね、言ってたよね。それね、全然ワクワクしないのなんか。
大きな紙もあるし、筆もある。
自宅で広げればすぐできるんだけど、
ちょっとやってみようと思えないんだよね。
どうせわかるもん。
結果、書いたからなんだっていうのさ、って思っちゃう。
あるときね、私もう「書かない人」に
なろうと決めた瞬間があったの。
でもね、そう決めたときに限って「書いてください」って案件が、
2件来てさ。
えーーー書けってことーー?となって
もちろん書いたんだけど、
やっぱり、やっぱり書くのはもう違うなって思った。
書けるけどね、その依頼も書けちゃったけどね。
でもなんかつまんないなってなって。
ある友達が、好きで始めた仕事があって、
今自分で事業をしているのね。
かれこれ10年くらい経ってて、こう、
好きだからこそ理想があるわけよ。
「こうしたい」とか、「こうあるべきだ」とかね。
そしてそのタスクをこなすために、
寝る間もなく働くみたいな、とにかく忙しいんだよね。
でも自分で好きで始めたことだし、
仕事自体は好きだと。嫌いじゃない。
嫌いじゃないんだけど、忙しいみたいな、
変なループに入ってしまうのはあるあるなんだよね。
でも私、最近その友達にLINEしたの。
私は、その「好きで始めた呪縛」を、もう解き放ったよって。
書道は好きだよ。
もちろん、好きで始めた仕事だったけど、もういいの。
なんかさ、あるじゃん、
好きで始めたから辞めちゃいけないみたいな。
Q:あーありますね、好きで始めたから辞めちゃいけないし、
好きで始めたから頑張れるみたいな、頑張らなきゃみたいな。
A:そうそう、好きで始めたから、続けなきゃみたいな。
でもね、その呪縛を解き放って、もう書かないよって言った。
そしたらさ、他になんか見つけたの?って聞かれて。
Q:はい、なんて答えたんですか?
A:私ね、つんく♂になるわって言ったの。
つんく♂知ってる?
Q:つんく♂ですか!?もちろん知ってますよ!
シャ乱Qのボーカルで、今はプロデューサーされてますよね。
A:そう、そのつんく♂。
彼はさ、今は歌わないでしょ?
正確には歌えない、のかもしれないけど、
それでも彼は仕事になってるじゃん。
そういう働き方がいいなと思って。
書道はもちろん好きで始めたけど、
好きで始めた呪縛はもう解いたから、もう書かない。
つまんないなって思っちゃって。残念だけど。
ワクワクしないわ。
だけど、私もつんく♂みたいになって、書くのをやめればいいんだよって
思ったらすごい楽なんだよ。
だから、セレクトショップのためにせっせと写真を撮ったり、
梱包して送ったりする方が、全然いいと思った。
Q:なるほど。そういうことなんですね。
ここまで、それで仕事が回るように仕組みを作ってきた
ということですもんね。
A:まあそうね。
【知識と経験と技術】
前にも話したかもしれないけど、私最近教室にも、
書道の道具を持っていかないの。
それでもね、喋ることで成り立つってわかったからさ。
これまでの、知識と経験と技術で。
在庫も抱えずにね、成り立つんだから。
こんなにいいことないのよ。
Q:ほんとですね。
体一つでいけばいいんですもんね?
A:そう、自分の脳みそさえあれば仕事できるの。
こういうのは売れる、こういうのは売れない。
こういう場所は売れる、こういうところでは売れないとかさ。
言えるから。
もうプロデューサーですよ。
個展プロデューサーとかね。
Q:もはや人生のプロデューサーですよね?
A:人生はちょっと大きくておこがましいけどね笑
なんかでも、プロデューサーって言葉がイマイチなんだよ。
なんか他にないかい?
Q:確かにプロデューサーって、カーディガンを肩にかけてそうですね笑
日本語がいいですかね。
マーケターとかはちょっと違いますよね?
参謀ってどうですか?
A:参謀って何?どういう意味!?待ってね、調べるわ。
(スマホで意味を調べる)
指揮官ね。頭脳と戦略で補佐する。なるほどね。
戦略っていいね。
Q:戦略的相談者、戦略的パートナーとか?
A:いいね。
戦略的ナビゲーターとか、アドバイザーとか。
あ!戦略的アドバイザーいいね!これだ!
Q:決まりましたね。
じゃあ、もう書かない方向で行くんですね。
A:そう、というか、「書けない」だね。
【私はもう書けない】
Q:そうですよね、実質的に忙しくて、書けない。
書く以外のお仕事が忙しいですもんね。
ちなみに、どのような依頼があると嬉しいですか?
A:喋る。喋るというか、私の経験を話せる場かな。
前回の記事でも書いてもらったけど、
作品展に出展するときの、細かいアドバイスとかできるのさ。
作品の展示の仕方とか、展示する順番とかも動線を考えるし、
その作品展のコンセプトによって、どんな大きさで、どんな文字で、
どう魅せたらいいかっていうところも伝えられる。
あとそもそも、個展を開催するにはどうしたらいいですか?とかね。
そういうのも、相談したいですって依頼があるから、
何時間いくらでって、お金をいただいてお伝えしてる。
他にも、教室の運営の仕方とか、そこからの売上の増やし方とか、
集客の仕方、売れる作品の条件とかね。
あとは単純に、作品の添削もね。
ゼロから教えるというよりは、書いてきてもらったものを
添削するとかもいいよね。
Q:実際今、そういったお仕事が増えていると思いますが、
そういったお仕事は、やっていて心地がいいですか?
A:そう、心地がいい。心地がいいというのと、
「なんだ、私できるじゃん」と思った。
これまで経験してきたことから、答えられるんだなって、
気づいたみたいなところもある。
細かいことを言うとさ、個展のときの展示の仕方とか、
額の選び方とかね。
Q:そうですよね、個展一つとっても、見えている部分って
本当に一部ですけど、その裏の見えない作業や考えることって、
山ほどありますもんね。
A:そうだよ。そういうことひとつひとつとっても、
さまざまなことに気づくためには、
色々やらないとダメなんだなって思う。
そしてそれをやってきたなって。
だからね、今はもう書けない。
戦略的アドバイザーとして、
書道に特化した、書道でビジネスをしたい人に向けて
忙しくなるから、もうその準備期間です。
【おわりに】
久美さんの「書けない」という発言に、正直私は驚きました。
「え!?もう書かないの?書道をやめてしまうの?」と、
一瞬思ってしまったからです。
ですが、お話を聞き進めていくと、
どうやらそうではないようです。
書道をやめてしまうのではなく、
書道との関わり方が変わるのですね。
長年、書道家として活動してきた中で
培ってきた知識や経験、技術を、
今後は同じ書道家を生業としている方たちに伝えていく。
久美さんが実践して体得してきた、この生きた情報は
久美さんだからこそ伝えられるものです。
これまでの「書いてきた歴史」の土台に、
今後は「伝える歴史」という新たなレールが
広がっていく感覚。
今後、久美さんの経験に後押しされ、
さらに魅力を増した素敵な書道家さんに
たくさん出会えると思うととても楽しみです!
皆様はどのように感じられたでしょうか?
書けないと宣言した久美さんの今後の活躍からも
ますます目が離せません!!
本日も読んでくださり、ありがとうございました。
【関吉久美のアンサー】
とは言え、各地の教室では実は積極的に書いてます。
記事にもあったように自分の道具は持っていきません。
門下生たちが講座中に書いたものを随時見ます。
アドバイスを求められるので、脳みそフル回転して
アドバイスの「言葉」を探して文章にします。しようと試みます。
でも、言葉では難しい。伝えられない。
だったら、私がこの場で書いて見せた方が早い。伝わる。
だから、最近は門下生の筆を奪って
「ちょっと私に書かせてください~」と言って積極的に書きます。
それを見たら伝わるんです。見たら伝わる。
これは、門下生たちのレベルが高い証拠です。
初心者は、私が書いたものを見ても「へ~」で終わりです。
でも彼らは、見たら書き方がわかるから、そのまま真似して
書けます。「あー!なるほど~」と。
私は「こうしたらどーおー?」はすぐ書けます。
でも、自分の気持ちのいい、満足のいくものは、もう書けない。
今は。また書けるかもしれないけど。今は、書かないです。
つんく♂になって、じゃんじゃんデビューさせます、門下生たちを。
デビューさせて、ヒットさせて、紅白に出ます!