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メールマガジン バックナンバー
【連載】vol.23「言ってください」
こんにちは。
北海道でも日差しが強くなってきました。
台風がきている地域もありますが、
みなさまいかがお過ごしでしょうか?
どうぞ、ご安全にお過ごしください。
このメルマガでは毎月1回、
私、ストレングスジャーナリストのこぼねあみが、
書道家関吉久美さんにインタビューを実施し、
その内容を記事として配信しています。
これまで語られなかった、関吉久美さんの内側を
お伝えしていく場です。
メルマガ記事第八弾。
テーマは
「言ってください」
では早速始めていきましょう。
[はじめに]
前回、他人に求めることはないとキッパリと言い切った久美さん。
その後お話を進めていく上で、一つだけ、
教室の生徒さんに求めていることがあると判明しました。
それは一体なんなのか。
どうぞお確かめください。
[失敗しないとダメ]
Q:最近何かトピックありますか?
A:もう何度も言ってるけど、「失敗しないとダメ」だね。
教室でいつも言ってるのは、
書道の作品を作り上げるのに近道したくなるのはわかるけど、
ひたすらたくさんの選択肢を試して、
潰していくしかないよねって。
これを何度も伝えているんだけど、
昨日、私と同じことを言ってる人をSNSで見かけたんだよね。
でもなんでこの人はこんなに言葉に重みがあるというか、
こんなに響くのだろうと思ったの。
年齢なのか、キャリアなのか?
誰の投稿だったんだか忘れたんだけど笑
何を言っていたかというと、
新しい環境や、新しいことにチャレンジする時って、
良くなることを想定してやるよね。上手くいく!って。
でもさ、ほぼ失敗するんだよ。
それを分かっててやらなきゃなんないの。
すべてとは言わないけど、
7〜8割は失敗だよね。
でもその失敗がないと、
進まないんだよ。
もうそれが当たり前なの。
でも、多くの人はその失敗が怖くて、第一歩をやらない。
これね、いつも私も同じこと言ってるんだけどね、
なぜか私の言葉は響いてないな〜と。
なんでこの人の言葉は
響くんだろうな〜って思ったんだよね。
Q:今お話を聞いていて、
久美さんの言葉がもしも響いてないとしたら、
久美さんが失敗していないように見えるのかもしれないと
思いました。
A:えーーー!まーーじかよ。
あーでもそういう意味だと、違う視点が見えてきた。
そうそう、思い出した!!そのSNSで話していたのは野球の落合だ!!
私、落合がすごく好きなの。
哲学者だから。
選手としても、監督としても素晴らしい人なんだよね。
その落合が、過去を振り返って言ってたこと。
中日の荒木って選手が、1軍で守備も状況判断も上手くて、
武士のように淡々と仕事をこなしてた。
野球を良く分かっている人は、
その選手が大事なポジションにいることも分かってたんだよね。
その選手がWBCに出た時、スポーツ記者やファンの一部が、
ホームランも打たないし、ヒットも2割ちょっとなのに
なんでレギュラーなんだって批判してたんだよ。
それに対して、
「毎日出続けてる人を批判するべきではない。
それより、2軍で遊んでるような人を批判すべきだ。
露出してるからこそ、批判も浴びるんです。」と言ってたの。
全く同感。母数ですよ。
チャレンジの回数が少ないと、
そりゃ批判されないし、失敗もしない。
露出もしない。
荒木は、毎日出てました。
Q:出続けてると言うことは、
結果を積み重ねているということですもんね。
A:そう。大丈夫、失敗はするから。
何度も言ってるけど、
私は全部やったから、やって分かった。
どういうことが起きるのかがわかったの。
全部ね、いいこともあるし、悪いこともあるし、
半々でもないんだよ。
いいことがあれば、
悪いこともある。
Q:その悪いところが、“失敗”となるんですかね??
A:言葉として、わかりやすいからそう言ってはいるけど、
どう言えばいいかな。
最近、教室に初めてくる人が増えてるんだよね。
5人くらいの教室に、1人か2人来てくれるの。
他の方とは進捗も違うし、やることも違うから、
前から通ってくださってる方に、
先にその日やることを説明するのね。
同じ教室にいるから、初めての方もその説明を聞いているよね。
ただ、初めての方には難しいから、
もっと手前の、簡単なことをやりますねと伝えて、
「縦と横の線を書いてみてください」
ということから始めるの。
そしたら、みんな手が止まるんだよ。
「え?」となって止まってる。
書けないの。
その方達の言い分は、
『How to を聞きに来てるのに、なぜ先生は教えてくれないの?』
ということだろうと察している。
先に教えて欲しいという雰囲気を感じるのね。
「できないから習いに来てるのに…」というね。
だから、
「できないのは知ってますよ」って言うの。
あえて「できない」っていう
ちょっとセンセーショナルな言葉を使って。
「できないから、いらしてるんですよね、知ってますよー。
できないことはわかってますからねー」って。
みんなそこでくすくすって笑ってくれるんだけど。
そこで伝えるのは、
「できないのは知ってます。
それを見せてほしいんです。
どこができないのかがわかれば、教えられるので。
だから、今のできなさを教えてね。」
ということ。
ここまで言うと、ちょっと緊張がほぐれて
やっと動けるんだよね。
ほんとうはね、先に言っちゃう方が超楽なんだよ。
先にやり方を見せることも、もちろんできる。
だけど、それじゃみんな同じになっちゃうんだよ。
それに、「できない自分」を知らないと、上手にならない。
だから、「できません」を私に見せてくださいって、
最初の人に言うの。
ちょっと意地悪だけどね。
だってー、できないことを認めないとさー。
上手にならないんだよー。
だから、私自身は、
できないことも、うまくいかないことも
失敗とは思ってないけど、
他者に伝えるために、
「できない=失敗」という言葉を使っているね。
[進化と成長]
Q:失敗するからこそ、進化・成長していきますよね。
A:んーまぁ。
Q:あれ、進化や成長という言葉は好きではないですか?笑
A:うん、私自身は褒め言葉と受け取ってない。
いやでもないけど、求めてもない。
そんなに進化や成長が必要かな?と思う。
もう今の時点で、100点満点なのに。
例えばさ、Aさんは私の作品と全く同じ世界を
書くことはできないよね。
だけど、Aさんは違うものを書くことができる。
他の作品を作ることができるし、
ピアノができるかもしれないし、
マラソンができるかもしれない。
私は、それでいいじゃんと思っているの。
でも、Aさんは、私と同じ世界を書けないことを
“欠陥”としてみてるんだよね。
私は、欠陥としては見てないよ。
生徒さんたちは、書けるようになるために来てくれているだろうし、
それができるように、こちらも伝える。
だから、「できるようになりましたね」とか、
「上手になりましたね」って、
進化・成長した部分も伝えてるけどね。
Q:久美さんが今も絶え間なく続けられている
学んだり、知識を深めたり、根拠を広げたりっていうことも
成長や進化なのかなとわたしは捉えていたのですが、
久美さんの捉え方は違いますか?
A:うん、違う。
それは道具を調達しているだけって感じ。商売道具。
[言ってほしい]
Q:なるほどー!そういう感覚なんですね!!
今生徒さんに、何か伝えたいことはありますか?
A:最近、教室では前衛書をやっているんだけど、
この前ある教室で、
「途中経過だけど、先生どうですか?」って
聞いてくれた人がいたの。
その書いたものを確認してたら、
前衛書の定義にも沿っているし、書き方もいいから
本心で「いいですね」と伝えた。
それで、
「不満とか、足りないと感じる部分はありますか?」と聞いたら
「特に感じてないです」って返事だったの。
そうするとさ、本人にとって欠けている部分が無いから、
これ以上私から伝えることはないのよ。
だから「いいですね!この調子で書いてくださいね」
と伝えた。
これで本人が100%満足だったら、いいよねって。
Q:そうですよね、その方が満足しているなら。
もし欠けている部分がないのであれば、その丸を大きくするための
アドバイスなどはされないですか?
A:だってその方は望んでないんだもん、今満足してるから。
Q:なるほど、確かに望んでなければそうですね。
だけど、本当に望んで無いんですかね?
A:わかんないのさ。
だから、言ってほしいの!!
最初にも繋がるけど、
「できない」を見せてほしいの。
自分が「欠けてる」と思うところを教えてほしい。
初めて来る人とか、3回目や4回目ぐらいの人は
何ができるようになりたいのかが超わかりやすいじゃん。
まだ、できないことは明確だから、
言葉にもしやすいし。
だけど長く来てくれてる人って、キャッチしにくいの。
何を求めてるのか。
だから、「言ってほしい」です。
何ができなくて、何を知りたいかを、
言葉にしていただきたい。
そしたら、そのために必要なことをお伝えすることが、
私にはできる。
あの、むしろお伝えしたい。
[おわりに]
久美さんがあえて、先に自分のやり方、方法を伝えないのは
もちろん意地悪でも、手を抜いているわけでもなく、
「その人らしさ」を大切にしたいからなのだということを
改めて感じました。
その人が感じたこと、表現したい世界、
その人が満足しているのであれば、それが良いんです。
オールオッケーなんです。
ただ、もし今以上に、「もっとこうしたい」、
「もっとこんな変化をうみたい」、
「こんなことができるようになりたい!!」
その気持ちがあれば、ぜひ久美さんにリクエストを
してほしいと思いました。
だって、久美さんは実践の数が違う。
自分で「全部やった」と言い切れるほど、
やりきってきています。
ぜひ、生徒の皆様、久美さんに要望や教えてほしいこと、
無理難題と思えるようなことをリクエストしてみてください!!
私は、久美さんがタジタジしている姿を見てみたいとすら
思ってしまいました!
読んでくださっている皆様は、どのようなことを
感じられたでしょうか?
今後もこのようなインタビューを通して、
久美さんの真実に迫っていきます!
どうぞお楽しみに!
本日も読んでくださり、ありがとうございました。
【関吉久美のアンサー】
私の作品を見て、真似してくださっている方がたくさんいます。
最近はそれをよく目にしてとても嬉しいです!
「それ、いい!」と思ったから真似してんですもんね。
見て真似る。いいじゃない~!
で、どうでしたか??やってみてどうでしたか??
やってみた人だから、わかることありますよね。
確か、数か月前にあみちゃんから取材を受けてるとき
「久美さん、銀座に出展する作品はもうできたんですか?」
「私の好きなやつができた!でもそれは書道ではないかもしれない。
でも私が好きだから。しかもやり方としてはすごく簡単なの。
多分、誰でも見て真似ることができると思う。やり方なんか教えなくても。」
って話してたと思います。
実際、そうなってます。ふふふ。やってるべさ?
やり方は簡単。だけど、それが作品として美しものになってるのか、はまた別。
私は、「人の手に渡った時」を常にイメージするので、
美しさと“耐えうるか”を考えて制作します。
やってみて、どうでしたか?
(そんな簡単に上手くいくはずがない、と思ってます。)
(私、どれだけ失敗してきたと思ってんのさ~笑)
(私、意地悪なので…笑)