書道家 関吉久美

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【連載】vol.20 「すごいね」の違和感

こんにちは。
新たな門出の季節、新入学や進級に伴い、新たな出会いもある季節ですね。
北海道では桜の開花が待ち遠しいですが、みなさまの地域では桜を楽しめたでしょうか?
このメルマガでは毎月1回、
私、ストレングスジャーナリストのこぼねあみが、
書道家関吉久美さんにインタビューを実施し、
その内容を記事として配信しています。

これまで語られなかった、関吉久美さんの内側を
お伝えしていく場です。

メルマガ記事第三弾。
テーマは
「すごいね」の違和感
        
では早速始めていきましょう。

[はじめに]

久美さんの娘さんが高校生の頃から、髪を染めたりピアスをしたり、
マツエクをしていたというお話から、今回のテーマは生まれました。

自分のお小遣いの範囲でやっている、かつ学校のルール上もOK。
そのため、久美さんに特に止める理由はなかったものの、
「若くて髪もツヤツヤだし、痛まないから黒髪がいいよ〜」と言うと、
当時は娘さんも聞く耳を持たなかったとのこと。

それが最近になって、娘さんが「やっぱり黒髪だよね〜」と言ったり、
ピアスの数も減ってきたそうです。

やりたいと思ったこと、興味を持ったことについて、
自分が納得いくまでやりきったからこそ、
この結論に至っているよね、ということを
久美さんもおっしゃっていました。

そこで、久美さんに以下のような問いかけをしたことから
今回の『すごい』のお話に入っていきます。

価値の置き場所
Q:久美さんも、「やったからこそわかった」ということはありますか?
A:あるよ、もう、全部じゃない?
いろんなことやってきた。思いつくことは早い段階で。
仕事でも、それ以外のことでも。
海外に住むってことも、そう。
歳を取ったら船で世界旅行したいとかも、よく聞くやつだけど、それももうやった。
グアムに片道4日かけて船でいったりしたから、
何も景色の変わらない船旅は4日間だけでも、
ノイローゼになるってわかった。
いろんな観光地に行って見たから、何なの?
写真を撮ったからなんだ?って思う。

「行きました」って事になんの意味があるの?と
思ってしまう。
だけど、SNSとか見てる人にとっては、
「どこどこ行きました〜」って写真を撮るのが目立つし、
価値があると思われてるのはわかるから、
それは利用するけどね。

Q:では具体的にはどのようなことに価値を感じますか?
A:私は「ヒト」だと思ってるんだよね。
現地のヒトに会うとかだったらいい。
その現地の人に話を聞いて、
その地ならではのビジネスの仕方だったり、
生活に根ざした話とか、生き方を聞けることに、
私は価値を感じる。
だから去年もオーストラリアに行った時、
オペラハウスにも行ったし写真も撮ったけど
それ自体は何もすごくない。

だけど、そういうのをSNSで発信すれば
「すごい〜」って言われるからあげる。笑
オペラハウスに行くことや、
JAPAN EXPOに出展すること自体は
何もすごくないの。

お金を出せばいけるから。

全国に書道の教室があって、
「毎月飛行機に乗っててすごいですね〜」もよく言われるけど
それも別にすごくない。

「すごい」っていう人に罪はないし、
“「すごい」って言われている人から習っている”
ということが生徒さんにとってもプラスなことならば利用する。
多くの人は表面的なわかりやすいところに価値を置いて
「すごーい」って言ってくれるから、
ありがたいから利用させてもらう。

本当にすごいのはそこじゃないけどね。

それは伝わらないけど。

[作品もすごくはない]

Q:本当のすごさは、誰かに伝わってないですか?生徒さん?
A:生徒さんには伝わってる人もいる。
この教室の講師としてのすごいはまた別の視点があるんだけど、
それはそれとして、
私は今、自分の生み出した作品についてすごいって思ってないの。
私の生み出した作品自体は、
すごくないのにすごいと言われることは違和感なのよ。

この前息子と話してて、すごくアグリーしたことがあったんだけどね。
息子は毎日絵を描いてるんだけど、
その息子の言葉でとても共感したことが、
「もう過去の作品は嫌いなんだ」って言葉だった。
その言葉が出るまでは、母として、いちファンとして話してたけど、
その言葉を聞いた瞬間に一気に作家に戻ったわけさ。作家同士。
わかる〜〜〜〜って。もう同意。わかる。めっちゃわかる。
常に自分の生み出した過去の作品は好きじゃないの。
だから、すごいねって言われても、
すごくないから、すごく引っかかって違和感なの。
いやいや何が?どこが?って。
だからその「すごい」って言葉になんか不貞腐れちゃう。
だけど、言ってもらえるのはありがたいから
乗っかりますけどね。そこに罪はないから。

[オリジナルの源泉]

Q:息子さんとそのようなお話ができるのは面白いですね。
A:面白いというか、びっくりして。
なんかもう考えてることが一緒すぎて、びっくりした。
息子は毎日絵を描いていて、
もうアウトプットしないと気持ち悪いっていうタイプで、
とにかく描いてるの。溢れ出ちゃう、みないな。
それは過去から現在までインプットしたものがたくさんあって、
自分の好きなタイプの絵とかが、浮かんでくるんだよ。
毎日膨大にインプットして(漫画やネットを見て)。
頭の中に膨大なインプットのデータベースがあって、
それが自分の頭の中の加工場でバーっと生産されるから、
それをアウトプットしたくてたまらなくなるの。詰まってきちゃうんだって。

これは本当にそうで、私も同じだなって。
だからさ、インプットしないと、オリジナルは生まれないんだよ。
膨大なインプットがあって、
それらが頭の中で融合したり、
インプットとアウトプットを繰り返すことで、
自分のオリジナルとして生み出されるんだよね。
そしてそのインプットを今も止めていないから、
どんどん新しいアウトプットも出てくる。
100枚書いたら1枚いいのができるっていう、
そのくらいの気持ちでないと、その1枚はできないんだよね。
10枚書いて、8枚、9枚いいのできるようになろうと思ってたら、
効率を求めちゃう。たいしたものはできなくなる。

[おわりに]

多くの人が言う「すごい」は、
久美さんにとっての「すごい」とはイコールではないということが
お話をしていて伝わってきました。
私も単純に「すごい」と言ってしまう場面が多々ありますので、
久美さんの視点に触れられたことで、私の価値観も広がりました。
あなたにとっての「本当のすごさ」は、
どこにありますか?
「本当にすごいのはそこじゃない。」と話していた久美さんの考える、
「本当のすごさ」はどこにあるのか。
書道教室の講師としてのすごさについて、
次回の記事でお伝えしていきます。
どうぞお楽しみに!

[関吉久美のアンサー]
私は各地のたくさんの門下生の皆さんに、大いに助けていただいています。
私のすごいところは、「素晴らしい門下生がたくさんいてくれること」です。
外国に行ったり飛行機に乗ったりすることはすごいのではなく、
テレビに出たり新聞に載ったりすることがすごいのではなく、
「ヒト」がいてくれることが、ものすごい有難いし財産です。
決してお金では買えません。
税金のかからない財産持ちなんです、私。

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