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EFFEからの週末便り:静かな冬に寄り添うカトラリーの物語
Buonasera!!
沖縄市山内のイタリアンレストラン、EFFEの山﨑です。
こちら沖縄では、年末からずっとお天気がぐずついていて、元旦も雨模様でした。
北風が吹きつけて、体感温度はおよそひと桁。コンクリート造りのアパートでは室内も底冷えがして、
「沖縄でも冬はちゃんと寒い!」と主張したいお正月でした。
そんな静かな冬の空気の中、
今夜は2026年最初の週末便りをお届けいたします。
さて、新しい年を迎えると、身のまわりの小さなものを新調したくなりますよね。
全国のご家庭でも、この時期にお箸やテーブルウェアを新しくされる方が多いのではないでしょうか。
EFFEで使っている前菜用のカトラリーは、実は少し特別なものです。
新潟県燕市の名工、小林工業株式会社(LUCKYWOOD)の
「ロマンス No.41600 ラッキーシルバー」。
1967年に発売されたロングセラーシリーズで、1968年にはグッドデザイン賞、
その後ロングライフデザイン賞も受賞した、美しいデザインのカトラリーです。
持ち手の縁に施された小さな模様は、控えめなのに上品で、
手に取った瞬間にふわりと気分が整うような優雅さがあります。
そして、このモデルのもうひとつの魅力が「ラッキーシルバー」。
ステンレスの上に銀を7.6ミクロンの厚さで丁寧にまとわせた、小林工業さん独自の技術で、
本物の銀のような柔らかな光沢と重みを持ちながら、扱いやすさも兼ね備えています。
ホテルやレストランでカトラリーを「シルバー」と呼ぶのは、
まさにこの銀仕上げが由来なんですね。
はるか昔、銀の食器は「毒見」の役割を果たしていたとも言われています。
当時よく使われた毒には硫黄が混ざっていることが多く、
銀が硫黄に反応して黒く変色する性質が、
結果的に身を守るサインとして扱われていたのだそうです。
そして、カトラリーの文化はイタリア料理とも深くつながっています。
イタリアでは「食べる」という行為そのものが文化であり、
料理を美しく味わうための道具にも長い歴史があります。
特にフォークは、実はイタリアがヨーロッパに広めたと言われていて、
中世の宮廷で使われ始めた頃は「贅沢すぎる」と批判されたほど。
それでも、料理を丁寧に味わうための道具として受け入れられ、
やがて食卓の必需品になっていきました。
現在のロマンスシリーズはステンレス製(No.11600)が中心で、
この銀仕上げのNo.41600は現行ラインナップには掲載されていません。
今ではデッドストックとして出回ることが多い、少し特別なモデルです。
EFFEでも、この銀仕上げを長く美しく保つために、
食洗機にはかけず、ひとつひとつ手洗いでケアしています。
少し手間はかかりますが、その分だけ銀のやわらかな輝きが長く続き、
お客様の一口をそっと引き立ててくれる存在であり続けてくれます。
お料理を仕上がりのまま眺めると、ついお皿との調和に目がいきますが、
ロマンスのカトラリーには、その一口をそっと引き立てる静かな力があります。
フォークやスプーンは口当たりがとてもやわらかいのが特徴。
ナイフは「最中柄(もなかえ)」と呼ばれる軽やかなつくりで、
手にしたときの重さのバランスがとても心地よいものです。
決して前へ前へと主張しない、ささやかな存在なのに、
その一口をぐっと引き立ててくれる——
そんな静かな力を持ったカトラリーです。
EFFEでは、お料理だけでなく、
手に触れる道具の質感や重みもまた、食事の時間を豊かにすると考えています。
だからこそ、このロマンスの銀仕上げを大切に使い続けています。
ロマンスの静かな輝きとともに、
新しい一年の始まりをEFFEでゆっくりと過ごしてみませんか?
新年会のご予約もお待ちしております。
Ci vediamo presto,
山﨑 裕由
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