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一生モノの体づくり vol.75 年末年始のお知らせ
先日、お休みをいただき、都内で解剖実習に参加してきました。
解剖といっても人ではなく、鹿の検体を用いた実習です🦌
鹿は人と筋膜の構造がとてもよく似ているため、医療・徒手療法の分野で学習に使われています。
貴重な検体を前に、
「学ばせていただく」という気持ちを大切にしながら、
一つひとつ丁寧に観察させていただきました。
今回学んだのは「脚」の深部構造
今回の実習では、
脚の部位を中心に、
・股関節
・膝関節
・骨・筋肉・筋膜
を、メスを用いて深部まで確認していきました。
筋膜はよく
鶏肉の表面にある薄い膜をイメージしていただくと分かりやすいです。
この膜が一枚ではなく、
何層にも重なり合いながら存在し、
・関節の滑らかな動き
・組織同士の区分け
・離れた場所との連動
に深く関わっていることを、改めて実感しました。
私たちの手は、どこまで届いているのか
臨床では、皮膚の深部を直接目で見ることはできません。
しかし徒手療法では、
・どこを
・どの方向に
・どのくらいの圧で
触れるかによって、
内側の組織の反応を引き出すことが可能です。
そのためには、
正確な解剖学的知識と、積み重ねた経験が欠かせません。
特に印象的だった「膝」の学び
今回特に興味深かったのが、
膝関節の半月板へのアプローチです。
構造を正確に理解したうえで調整を行うことで、
膝の動きや安定性に大きな可能性を感じました。
この学びは、
今後の治療の幅を確実に広げてくれる内容でした。
学びを、日々の施術へ
こうした研修で得た知識や感覚は、
特別な技術としてではなく、
日々の施術の質を高めるために還元していきます。
「なぜその場所に触れるのか」
「なぜその圧なのか」
その一つひとつに理由のある施術を、
これからも大切にしていきます。
③ 呼吸の科学
痛みがあると、どうしても
「どこが悪いのか」
「早く治したい」
と、痛みに意識が向きがちです。
ですが実は、
痛みが長引くときほど、体は“緊張モード”に入り続けています。
痛みがあると、体はどうなっている？
痛みや不安を感じると、体は無意識に
・呼吸が浅くなる
・肩や首に力が入る
・眠りが浅くなる
これは
自律神経のうち「交感神経（緊張・防御）」が優位になっている状態です。
この状態が続くと、
本来、体を回復させる
**副交感神経（休息・修復）**が働きにくくなります。
つまり、
👉 治ろうとする力が出にくい状態になってしまいます。
自律神経に直接働きかけられる、たった一つの方法
自律神経は、基本的に自分の意思ではコントロールできません。
ですが、例外が一つあります。
それが 「呼吸」 です。
呼吸は
・浅く速いと → 体は緊張
・ゆっくり吐くと → 体は安心
特に
**「息をゆっくり吐く」**ことで、
体に「もう大丈夫だよ」という信号が伝わります。
これは気分の問題ではなく、
神経の働きとして証明されている反応です。
呼吸が変わると、痛みの感じ方も変わる
呼吸が深くなると
・筋肉の緊張がゆるむ
・血流が良くなる
・神経の過敏さが落ち着く
その結果、
同じ体の状態でも、痛みが強く感じにくくなる
ということが起こります。
「痛みを我慢する」のではなく、
痛みに過剰反応しない体に戻していく
これが回復への近道です。
当院が大切にしている考え方
当院では、
「無理に治す」のではなく
**「体が治ろうとする力を引き出す」**ことを大切にしています。
呼吸が整い、
神経の緊張がほどけると、
体は本来のリズムを思い出します。
この考え方は
Somatic Energetics（ソマティック・エナジェティクス）
という身体アプローチにもつながっています。
今日からできる簡単な呼吸
① 鼻から軽く息を吸う
② 口から「ふーっ」と長めに吐く
③ 吐く時間を、吸う時間より少し長く
これを 3回だけ。
それだけでも、体は少し安心します。
痛みは「敵」ではありません。
体からのサインです。
呼吸を整えることは、
そのサインを正しく受け取る第一歩。
気になる方は、
施術の中でもお伝えしていますので
お気軽にご相談ください。
みやざきだい壽整骨院
院長 西村