哲学堂鍼灸院

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うま味調味料が身体に悪い理由とは?

こんにちは。
東京都中野区にある哲学堂鍼灸院 院長の井上です。

前回は、
自然塩に比べて食塩や食卓塩などは、Nacl の純度が高すぎるために、大量のNacl が一気に体内に入ってしまい、急激に上がった塩分濃度を薄めようとして、大量の水分が血液中に流れ込むために血圧が急激に上昇し、脳卒中や心筋梗塞のリスクを高め、腎臓にも大きな負担をかけてしまうというお話しをしました。

今回は、自然塩と食塩との関係に似ている、昆布やトマトなどに含まれているグルタミン酸と『味の素』などのうまみ調味料との関係についてお話しします。

味の素などのうま味調味料に関して、身体に悪いという人と、身体に悪い影響はないという人がいますが、どちらの意見が正しいのでしょうか?

そもそも、
旨みを感じさせる成分であるグルタミン酸やイノシン酸は、昆布や鰹節などに含まれていますが、これらの旨み成分は水に溶けにくい性質を持っている為に、旨みを抽出するのに時間がかかるし、一度に抽出できる量も多くありません。

それに対して、
うま味調味料は、
サトウキビの糖蜜にグルタミン酸生産菌を加え1~2日発酵させてグルタミン酸を作り出します。

その後、
料理などに使いやすいように水に溶けやすくする為に、水酸化ナトリウムとグルタミン酸を結合させて、グルタミン酸ナトリウムに変化させて結晶化させたものが、うま味調味料と呼ばれるものです。

ちなみに、
食品の原料表示では、うま味調味料は『調味料(アミノ酸等)』と書かれています。

「うま味調味料は身体に悪くない!」と行っている人達は、サトウキビの糖蜜という天然由来の原料から出来ているし、そもそもグルタミン酸自体も身体に必要なアミノ酸なので身体に悪い訳がないと主張しています。

しかし、
天然由来の原料で身体に必要な物質なら安全だという考え方は正しいのでしょうか?

ポイントは、
うま味調味料はグルタミン酸そのものではなく、水酸化ナトリウムと反応させて生成した『グルタミン酸ナトリウム』だということです!

グルタミン酸が水に溶けにくいから、水に溶けやすくする為にグルタミン酸ナトリウムに変化させたのですが、その結果、うま味調味料を水に溶かすと、ナトリウムが即座に分離することで、大量のグルタミン酸が体内に入り『強い旨み』を感じて、「美味し〜い!」となる訳です。

美味しく感じるんだから、良いことなのでは?

と思う人もいるかもしれませんね。

しかし、
決して良いことばかりではないんです。

実は、
グルタミン酸は、神経細胞が過度に刺激される興奮毒性を持っているので、大量に摂取すると、脳虚血やてんかん、アルツハイマーや筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経変性疾患を引き起こす原因となってしまうんです。

この様な性質を利用して、
東南アジアでは、大量のうま味調味料を混ぜた餌を、野犬が出没する所に置くことで、無味無臭のグルタミン酸ナトリウムを食べた野犬が、てんかん発作を起こして昏倒した所を捕まえるそうです。

先日お話しした、
自然塩と食塩の違いと同じように、グルタミン酸とグルタミン酸ナトリウムの違いも、ナトリウムが分離して純度が高くなったグルタミン酸が大量に体内に入ることで、神経を過度に興奮させてしまうという毒性を発揮してしまう訳です。

身体に必要なものかどうか?ということだけでは、身体に良いか悪いかを判断できないということですね。

身体に必要なものでも、純度が高すぎたり、量が多過ぎると、身体にとっては悪いものに変化してしまうので注意が必要です。

このうま味調味料のグルタミン酸ナトリウムと食べ物に含まれているグルタミン酸との関係に似たものが、神経伝達物質と覚醒剤との関係です。

うま味調味料と覚醒剤にどんな類似性があるのでしょうか?


次回に続きます・・・

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