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【おせっかいFP通信】#10 介護施設での看取り(みとり)とは?
【介護施設での看取り(みとり)とは?】
セカンドライフを楽しく楽(らく)にする!
おせっかいFPのセカンドライフ楽活指南
FPライフ・4Cの入原です。
いつもメールマガジンをお読みくださり、誠にありがとうございます。
さて、突然ですが皆さんは、どこで自分の最後を迎えたいですか?
看取りを自宅で迎えたいと考える高齢者は多いですが、なかなか自宅では難しいのが現状です。そのため実際には、介護施設での看取りを希望する高齢者がほとんどです。
今回は、介護施設で迎える「看取り(みとり)」についてお伝えしていきます。
【看取り介護はどの施設でも受けられるわけではない!】
介護施設は、日常的なケアを行うことが中心であり、原則医療行為は行いません。しかし、看護師による24時間体制での対応や主治医と施設の連携によって、看取りの体制を整えています。
一般的に、入所から看取りまでは、
適応期、安定期、不安定・低下期、看取り期(終末期)
と変化していきます。
看取りが可能な介護施設は大きく分けて「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」「介護医療院」「介護付きホーム」「グループホーム」の5つです。ただし、看取りケアの具体的な方法は、介護施設によって異なります。
つまり、入所を検討している施設が「看取り」をどのように考えてどのような対応をしているのかを確認することがまずは必要になってきます。
施設によっては、「看取り」を行っていない場合もありますし、「看取り」をしていた場合でも施設それぞれに指針があり、対応できる範囲も変わってきます。
【途中で気持ちが変わったら?看取り契約は解約できるの?】
看取りを行うことができる施設の場合は、看取り対応の説明があり、ご本人が終末期をどこでどう過ごしたいか、ご家族の中で意思の統一はできているか確認されます。
ご家族が施設で看取ってほしいという意向があった上で、書面にて署名を行います。これを「看取り契約」と呼びます。施設での看取りについて、ご本人及びご家族に説明と同意を行いましたとの証明です。
しかし、看取り契約を行ったものの、
「やっぱり家で看取りたい」
「苦しそうなので病院に連れていきたい」
と希望する方もいるでしょう。
そのような場合は、施設への申し出により看取り契約の解約が可能です。
もともと看取り契約は、ご本人及びご家族の意思を確認したうえで、施設にて看取りを行うと証明するものです。契約書や看取り指針にも、ご本人・ご家族の意思を最大限に尊重すると必ず記載されています。気持ちの変化や迷いがある場合は速やかに施設に相談し、今後の方針を見つめ直すことができます。
【皆が納得できる看取りを目指そう!】
「看取り契約を解約したい」と思う場面はこういう時かも知れません。
容態が悪化し施設に家族が駆けつけると、部屋には病院で見かけるベッドサイドモニターや人工呼吸器などはありません。自発的な呼吸を助ける酸素吸入器、点滴が施されています。この様子を見た時にあらためて私たちは「積極的医療」ではなく「看取りケア」を選んだことに気づかされます。
この時に、助けたい一心で病院へ移して欲しいと言ってしまうと、「看取りケア」から「積極的医療」に変わってしまいます。
看取りでは、無理な延命治療は行わず、尊厳死・平穏死を目指します。人生は一度きりしかありません。ご本人及びご家族が納得して最期を迎えることが重要です。事前にご本人・ご家族はどうしていきたいかを確認しておくと、後悔やトラブルを防げます。ご本人に聞きにくい場合は、「もしバナカード」などを活用してみましょう。
また、命がかかっているため判断に迷ったり、なかなか気持ちの整理がつかなかったりする場合も多いでしょう。そんなときは気軽に施設に相談してみましょう。その行動一つ一つが、ご本人の人生をよりよいものにするはずです。ご本人もご家族も、皆が納得して穏やかに最期を迎える。そんな看取りを目指して欲しいです。
【最後にまとめです。】
① 看取り介護はどの施設でも受けられるわけではない!
② 途中で気持ちが変わったら、看取り契約は解約できます!
③ 皆が納得できる看取りを目指そう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。