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メールマガジン バックナンバー
【in-transition】じいちゃんからのハガキ
ぼくが小学５年生のときに亡くなった
じいちゃんから葉書が届きました。
ぼくを応援してくれる内容で、
ぼくの目標としている数字も
書かれていました。
じいちゃんの字って
こんなだったんだなぁと
思ったところで目が覚めました。
じいちゃん、
そっちの世界から葉書をありがとう！
ちゃんと受け取ったよ！
ぼくはじいちゃんの初孫でした。
じいちゃんが60歳の時に、
ぼくが生まれたので、
干支は同じ戌年同士。
子犬だって、
かわいがってもらいました。
じいちゃんは
トヨタのカムリという車に乗っていて、
車でたった５分の職場から帰ってきては、
毎日ピカピカに車を手入れしていました。
ばあちゃんの作るご飯が好きで、
外食や旅行はめったに行かない人でした。
でも故郷の増毛にあるお墓には、
何度か家族でお参りにいきました。
昔の車はスピードが120キロを超えると、
カーン、カーンと音が鳴ったのですが、
増毛に向かうじいちゃんのカムリで、
カーン、カーンを聞いて、
みんなで笑っていたのを覚えています。
じいちゃんは72歳の戌年の
自分の誕生日に亡くなりました。
もしかしたら、生まれた時間も
一緒だったかもしれません。
とっても几帳面な人でした。
増毛の浜育ちのじいちゃんは
しょっぱいものが好きでした。
一口でご飯三口はいける
ぬか鰊に醤油をかけて
食べていました。
胃がんでした。
でも我慢強いじいちゃんは、
病院に行かず、
気づいたときには末期でした。
なんか家族の様子がおかしいと
気づいたぼくは、
こっそりばあちゃんの日記を見て、
じいちゃんがもう長くないことを
知りました。
その年の大晦日は、
家族で過ごしました。
年が明ければ、
じいちゃんは入院です。
お酒の弱かったじいちゃん、
ほろ酔いになって、
紅白歌合戦を見ながら
ごろんと横になっていました。
ぼくはふと思い立って、
じいちゃんの隣で横になりました。
そしたらじいちゃんが、
そっと抱きしめてくれました。
じいちゃんが亡くなって、
もう30年以上になります。
ぼくはふと、
じいちゃんが抱きしめてくれた
大晦日の夜を思い出して、
ぼくはじいちゃんに
愛されていたのだと気づきました。
愛されていると分かってはいたけど、
なんというか、
じいちゃんの愛が、
30年経って、
ぼくの心にズドンと
届いた感じがしました。
太陽の光が、
地球に届くまで
8分かかるように、
愛は時空を超える。
あなたの愛は必ず相手に届く。
同時ではないけど、
時空を超えて必ず届く。
ピカピカのカムリは
もうないけれど、
じいちゃんの愛は
ぼくの心にちゃんとある。
太陽の光は、
太陽の表面から
地球に届くまでは
8分かかるけど、
太陽の中心での核融合反応で
光が生まれてから
太陽の表面に届くまでは、
なんと❗
17万年かかるのだとか。
愛も思うだけでは届かない。
愛する気持ちを表現して、
あなたの外に出さなければ。
けれど見方を変えると、
ぼくに届いたじいちゃんの愛は、
じいちゃんの中で
たくさんの時間をかけて
育まれてきたのだと。
その尊さに胸が熱くなる。
じいちゃん、ありがとう❗❗
今日もここまでお読み頂き、
ありがとうございました！
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