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Fukushimaの映画を、福島で上映
おはようございます!
「1/10 Fukushimaをきいてみる」シリーズ監督の古波津陽です。
今号は#48、先日の福島へ行った旅のご報告。
と言うか、楽しかった上映のご報告です。
3月15日は南相馬市原町の「農家民宿いちばん星」さんで「1/10 Fukushimaをきいてみる2023」の上映でした。
民宿の母屋の広間に、お客さんがたが集まり満席に。ご覧くださりありがとうございました。
もともと福島で何が起きているのかを各地に伝えるつもりで作ってきた映画でしたが、10年の間に「さて、みんなはどうします?」と一緒に考える材料を提供する映画に変わってきました。
タイトルにわざわざアルファベットの「Fukushima」を使っているのも、外から見た福島を意識していたからなんです。
そんな映画が、題材となった舞台・福島でどう見られるか。今回はその点が他の上映会と大きく違うところ。
上映後、お客様からは、「いつも福島で私たちが話している内容がそっくりそのまま映し出されていた」「記録を残してくれてありがとう」と声をかけていただきました。
こちらこそ、勇気をいただきました。
10本の映画のエンディングで毎年しみじみと締めてくださったのが、門馬よし彦さんの歌「NEGAI」。
今回初めて上映後に弾き語りのライブも。門馬さんの語りと歌が素晴らしく良かった。津波に飲まれる覚悟をした婆ちゃんの話。
そして震災から1ヶ月、避難所での生活から生まれた歌詞とメロディ。
そのストレートで飾らない歌が、やはり映画で語ってくれた語り手さんたちのストレートな言葉と素晴らしくマッチする。
なんと恵まれたシリーズなのでしょう。
10年の間に作られた10枚のポスターも空間を演出。岡野由裕さんのデザインには、間があり、妙にハマった。
福島から外に向けて作ったつもりの映画が、「郷帰り」したような感慨になりました。
ところで私のもう一つの「郷帰り」ミッション。
私の祖母が5歳までこの上映会場のある原町で過ごしたらしいということが分かりました。
家系図からその住所を訪ねたら、なんと祖母の旧姓と同じ表札のお宅が健在。
思わずピンポン。かくかくしかじかで私は親戚かもしれないと伝えたら、ご主人が「まあ上がって」となって家系図を突き合わせ、たしかに縁戚だと分かりました。
お茶とお菓子までいただいて、本当に郷帰り気分。
以前の映画で上野敬幸さんの取材など何回も足を運んだ地が、また違った景色に見えました。
そんなこともあり、特別な上映会の旅となりました。
今回の上映会を主催してくれたのは平岡雅康さん。2023年版の映画のロケを現地クルーとして支えて下さりました。
共催の星巖さん。仙台上映まで観に来て下さりありがとうございました。お食事も美味しくてめちゃくちゃ素敵な民宿でした。アルパカも可愛い。
協力の小南理華さん。東京の大手町上映までいらして下さり、短期間でのご準備ありがとうございました!
翌日3月16日は2022年版の映画にも登場した井上美和子さんの朗読「ほんじもよぉ語り」が、小高「俺たちの伝承館」で。これも素晴らしかった!
心を掴まれる語り。
青春時代のアハハな笑いとシビアな現在のコントラストが強烈で、1話の中だけでも大きく感情が振れる。話数を重ねるうちにクセになる。
これほどクリアに他人の「感情の記録」をなぞるというのは得難い体験です。
しかも震災前の福島の空気感など、なかなか聞く機会がない、学べる要素も多い。どなたさまも一度聴いてみてほしい。「朗読」という概念を壊されるかもしれません。
蟻塚さんのご講演も素晴らしく、考えるタネをいただきました。
その間に相馬焼きで有名な大堀にも取材に行ってきました。
短い時間で濃い福島旅でした。
さて、次の上映はまた福島県内で。
以前からお騒がせしてますJTBのツアー内で上映されます。たくさんのご応募をいただき、「増員!」となったそうです。
このメルマガを読んで応募くださった方もいらしたようで、メルマガ続けててよかったと思いましたよ。
応募はすでに締め切られました。
ご参加の皆様、ありがとうございます!
ご興味を持ってくれたあなたもありがとうございます!
これからますます映像で人をつなぐ活動にしていきたいと思います。
ご一緒に、リアルにつながっていきましょう。
あなたの力をお貸しください。