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【in-transition】整いの弁証法⑦ 胡麻和え的日本文化論
LITRAメールマガジン
【in-transition】読者の皆さま、
いつもお読み頂き、ありがとうございます。
合同会社LITRA代表の加藤亮介です。
今日のテーマは「日本文化と弁証法」。
硬いテーマですが、
日本文化の柔らかさを
お伝えできればと思います。
今日もよろしくお願いします!
まずは、日本語の文字文化。
仏教の伝来とともに、
中国で発明された漢字が
日本にも導入されました。
平安時代には、
大和言葉の音と漢字が融合されて
かな文字が生み出されます。
まさに「ジンテーゼ」。
ひらがな、カタカナ、漢字と
たくさんの文字を覚えなくてはいけない
うちの小学1年生の息子くんは大変ですが、
このハイブリッドな文字文化は、
日本語の豊かな表現を支えています。
テレビ番組の「プレバト」がきっかけで、
俳句がブームになっています。
ぼくの母も句会に参加して
楽しんでいるようです。
俳句は日本語ならではの
文字文化があるからこそ
表現できる形式だと思います。
わずか十七音で情景を描く。
音を表すカナ文字と
意味を表す漢字だからこそ
奥深い表現が可能になっています。
宗教も日本ならではの
弁証法的な発展、
すなわち異質なものとの融合による
独自の展開をしています。
日本列島に住む人々が
古来より培ってきた宗教観が神道です。
自然崇拝を起源とする神道をテーゼに
聖徳太子の時代に伝えられた仏教という
アンチテーゼと融合され、
日本独自の宗教文化を生み出しました。
現代のぼくの年末年始にいたっては、
ハイブリッドな宗教イベントの
オンパレードです。
キリスト教由来のクリスマスを祝い、
元旦には自然崇拝である初日の出を拝み、
その足で仏教的に祀られている
先祖のお墓参りをして、
さらに神社に初詣をする。
特定の宗派に属している
外国人からしてみれば、
かとちゃんは何教なのさ?
と節操のなさを言われるかもですが、
この融通無碍さこそが、
外来の異質なアンチテーゼを
飲み込んで昇華させる
日本人のしなやかさだと
ぼくは思います。
なんてったってピースフルですよね!
思想や宗教性を純化させることは
パッと見てかっこいい感じもしますが、
「融合」ではなく、
「分離」をすると、
必ず対立が起こります。
純化は寛容さを失います。
そして過激化し、攻撃的になる。
ぼくは日本人の優れた精神性は
「わごころ」にあると思っています。
「和を以て貴しとなす」
の「和」の心です。
前回のメルマガで料理の話をしましたが、
日本料理では「和え物」と言いますよね。
決して「混ぜ物」とは言わない。
胡麻和えだって、
日本人の感性が現れた料理だと思います。
素材の持ち味を活かしながらも、
融合させることでさらなる美味しさを引き出す。
和とはまさに「ジンテーゼ」。
日本的な在り方なのだと思うのです。
「大和魂」って言葉がありますが、
戦前戦中で時代の中で、
勇ましさを表現する言葉
になってしまいました。
でも、もともとは字面の通り、
「大いなる和」という意味だと
ぼくは思っています。
つまりは、
「みんなで仲良くやっていこうよ」
ってノリだと思うんです。
ピースフル。
ただ、それは、
「空気を読む」とか、
「自分を押し殺す」とか、
「主張しない」という意味ではない。
そんなのは「和」でも何でもなく、
「不和の黙認」です。
聖徳太子の十七条憲法には
「和を以て貴しとなす」に続いて、
こんなことが書かれています。
「上和らぎ下睦びて、
事を論うに諧うときは、
すなわち事理おのずから通ず。
何事か成らざらん」
(リーダーが穏やかでさ、
みんなが慕い合っててね、
じっくりしゃべれたらさ、
なんもうまくいくべさ。
したら、なんでもできるっしょ!)
【加藤訳 北海道弁風】
話し合いって、
弁証法ですよね。
自分とは異なる意見
「アンチテーゼ」があります。
だからこそみんなで話し合って、
知恵を出し合って、
みんながハッピーになるような
「ジンテーゼ」を生み出していく。
和え物を作るように、
それぞれの素材の良さを活かしながらも
全体としてもっと美味しくなる。
ディベートで相手を論破するのは、
ほうれん草の味しかしない
胡麻和えみたいなもんです。
胡麻の風味、砂糖の甘さ、
ほうれん草の苦み、
それらが引き立てあうから
胡麻和えなんです。
日本人はそんなピースフルで、
ハピネスな感性を伝統的に持っている
人たちなんだとぼくは思います。
今日もここまでお読み頂き、
ありがとうございました!
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