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【in-transition】整いの弁証法③ トトロも弁証法
LITRAメールマガジン
【in-transition】読者の皆さま、
いつもお読み頂き、ありがとうございます。
合同会社LITRA代表の加藤亮介です。
前回は「男はつらいよ」を題材に、
「テーゼ」であるマドンナが
異質な存在である寅さんという
「アンチテーゼ」と反応することで、
悩みが解決した状態である
「ジンテーゼ」を得て、
今までとはひとつ上の次元に進む
弁証法のプロセスを見ていきました。
今回はぼくの大好きな
ジブリ映画のストーリー展開も
弁証法の目線で読み解きながら、
弁証法的な捉え方に
慣れて頂こうと思います。
まずは「となりのトトロ」から。
サツキとメイという二人の姉妹が
主人公のこの映画。
では、皆さんに問題です。
この二人にとっての
アンチテーゼはなんでしょう？？
そして、
アンチテーゼと出会うことで
二人が得たジンテーゼとは？
ちょっと考えてみてください。
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この映画の大きな展開としては、
こんなふうになると思います。
トトロという
明らかに異質な
「アンチテーゼ」に出会い、
２人は大きなコマに乗った
トトロの胸につかまって
空を飛んだり、
猫バスに乗ったりと
冒険というジンテーゼを
経験します。
さらにトトロのストーリーを
細かく見ていくと、
いくつもの弁証法的なプロセスで
この映画が組み立てられているのが
分かります。
トトロとの出会いというジンテーゼは、
七ツ森という田舎への引っ越しという
アンチテーゼが引き金です。
お母さんの急変を知らせる電話は、
メイの失踪というジンテーゼを起こす
アンチテーゼです。
サツキと同じクラスで
隣に住むカンタ少年も
サツキというアンチテーゼで、
男気というジンテーゼが現れます。
サツキに傘を渡して、
ずぶ濡れになって家に帰った後に
お母さんに小言を言われながらも、
晴れ晴れとした気持ちで
飛行機模型で遊ぶシーンや、
大人用の自転車を片漕ぎして、
メイを探すシーンは、
「こいつ将来いい男になるぞ」感
満載です。
これもサツキという
それまでのカンタの生活には異質な
少女の出現がきっかけです。
トトロと弁証法だけで、
ご飯3杯いけそうな勢いですね。
「もののけ姫」も、
「魔女の宅急便」も、
「風の谷のナウシカ」も、
「天空の城ラピュタ」も、
「紅の豚」も、
「千と千尋の神隠し」も、
全て弁証法的な
ストーリ展開になっています。
すべてに共通する要素はなにか？
それは、
「異質なもの（アンチテーゼ）との出会い」
です。
アシタカにとってのタタリ神、
キキにとっての魔法の力の喪失、
ナウシカにとっての飛行船の墜落事故、
パズーにとってのシータ、
ポルコにとってのティオ、
千尋にとっての油屋。
弁証法的なものの捉え方から、
わたしたちが生きるうえでの
ひとつのヒントが導き出されます。
「異質なものとの出会いは
人生に変革をもたらす」
ということ。
そのひとつの出会いで、
すぐにあなたに幸福が訪れるとは
限りません。
けれど、人生は、
たくさんの弁証法的な出来事の
積み重ねでできています。
目の前のアンチテーゼが
すぐに幸福を生まなくても、
それが次の出会いを生み、
幸福へ導かれるかもしれない。
弁証法は、
いま目の前で起きている出来事に
自分が縛られない思考法とも言えます。
そして同時に、
いま目の前で起きている出来事が
次の出来事に繋がる可能性なので、
いま目の前の出来事を
とても大切にできる思考法でもあります。
次回はぼくの人生を題材に
人生の弁証法的な展開を
お伝えしたいと思います。
今日もここまでお読み頂き、
ありがとうございました！
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