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【in-transition】整いの熱力学⑥ 日本刀づくりで学ぶ「環境と魂」
LITRAメールマガジン
【in-transition】読者の皆さま、
いつもお読み頂き、ありがとうございます。
合同会社LITRA代表の加藤亮介です。
前回のメルマガで、
「整いとは、
環境と魂の相互作用による
動的な平衡状態である」
と「整い」を定義して、
「動的な平衡状態」のことを
お話させて頂きました。
今日のテーマは
「環境と魂」について。
皆さんは、
刀鍛冶が日本刀を作る様子を
ご覧になったことはありますか?
熱くなって真っ赤になった鋼を
水に入れて「じゅわっ」
となるシーンがありますが、
これを「焼き入れ」といいます。
温められて安定していた鋼を
急激に冷やすとどうなるか。
実は、とてももろくなります。
強い衝撃を加えると
割れるくらいもろくなります。
急激な温度変化によって、
鋼はひずんでしまって、
そのひずみがもろさの
原因になるんです。
でも、刀づくりは
この後の工程があるんです。
「焼き戻し」といいいます。
冷やした鋼を、
真っ赤なときよりも低い温度で
温めなおすんです。
そして、その時に
「カンカン」と
鋼を叩いて鍛えます。
そうすると、
強靭な鋼になるんです。
焼き戻しで温めなおされているとき、
鋼の中ではなにが起こっているかというと、
その「ひずみ」から新しい核ができるんです。
叩いて鍛えることで、
更に新しい核をたくさん作ります。
たくさんの核が集まって、
とても強靭な鋼になります。
一度もろくなる過程を踏むことで、
前よりも強靭になる。
「ひずみ」を入れることで、
そこから新しい核が生まれる。
ただし、
焼き入れをして、
脆くなったときに割れてしまうと、
また最初から作り直しです。
鋼はこんなふうに、
「相」とよばれるものを
変化させることで
強靭さを得ていきます。
安定的な相から、
焼き入れでもろい相にし、
そして温め直して
強靭な相にする。
これを
「相転移(Phase Transition)」
と呼びます。
刀鍛冶は、
鋼の「環境」を変えることで、
鋼の本質を引き出していきます。
鋼自体が「本質=魂」を持っているから、
それを引き出せる環境を作って、
鋼を整えることが、刀鍛冶の仕事です。
「環境」と「魂」、
それらが互いに作用しあって、
魂の宿っているそのものが「整う」。
「整い」のイメージが
できてきたでしょうか?
日本刀は一度完成してしまうと、
環境との間で物質やエネルギーの
やりとりをしないので、
「静的な平衡状態です。」
それに対して、
人は常に環境との間で、
物質やエネルギーはもちろん、
情報や感情のやりとりを行っています。
つまり「動的」な状態にあります。
ぼくはコンサル時代に
強烈な「焼き入れ」を経験しました。
温かな安定した環境の会社から、
「UP or OUT」と呼ばれる
生き残って高給を稼ぐか、
落ちこぼれるかの
シビアな環境に転職し、
上司の強烈な
ダメ出しという衝撃で
ぼくは心が折れました。
2019年の秋に折れて、
去年までの3年間は、
鋼としての鍛えなおしの
期間でした。
そして、今年2023年、
まちがいなく、
ぼくは前よりも強くなれました。
いま、辛い環境でがんばっているあなた、
おめでとうございます!
「焼き入れ」されてます。
前よりも強くなる準備ができました!
でもね、
その環境では強くなれません。
温め直さないと強くなれません。
冷えたその環境に居続けると、
衝撃で割れてしまうことになります。
辛さという「ひずみ」を感じたら、
あなたにとって、
その環境の意味はもうありません。
なぜならその環境は、
「焼き入れ」をすることが
あなたにとっての唯一の意味だからです。
そこで得た「ひずみ」から
新しい核を生み出す環境に
移るときが来たんです。
今日もここまでお読み頂き、
ありがとうございました!
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