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イメージをくつがえす話
「1/10 Fukushimaをきいてみる」シリーズ監督の古波津 陽です。
メルマガのご登録&応援ありがとうございます。今号は#22です。
4月22日は東京目黒で2016年版と2021年版の上映会でした。
今まで、上映後の「トーク」というものは会場に行かない限り、内容を知ることはできませんでした。
でも、ゲストさんがトークに参加してくださると、私にとって学びが多い。
特に今回は原発事故からの「避難」のイメージをくつがえす内容でした。
これが門外不出なのはもったいない!
ということで、少しでもシェアできたらと思いました。
許可をいただき一部書きますよ!
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【強く顕在化する】
鹿目久美さんとの対談
原発事故により、福島に残る夫と離れて神奈川に母子避難した鹿目さん。
10年経って離婚することに。そういうケースは少なくなく、「原発離婚」と言われるそうです。
長期にわたる母子避難はもともとあった家庭の歪みを顕在化してしまった、と言います。
一方で逆に絆を強くするケースもあります。鹿目さんと娘さんとの関係もそう。
本来その家庭にあったものが強く出る。
他の避難された家庭でも聞く話だそうです。
2021年版の映画の中では、避難生活であるがゆえに、
娘さんに対してたくさん意思確認してきたと話していました。
娘の美桜さんは独特の感性で鹿目さんの悩みを一刀両断、
バッサリとアドバイスします。
美桜さんは先日、こう話したそうです。
「震災のおかげでダンスと出会えた。ダンスのない人生なんて考えたくもない」
大人の世代は震災によって、「あったものがなくなった」と感じますが、
全くちがった解釈を教えてくれるのが若い世代なのですね。
「震災のあったこの人生以外考えられない」という言葉はある意味救いでもあり、
大いなるヒントでもあると感じました。
鹿目さん、なかなか聞けない貴重なお話と、
率直な思いを聞かせてくださりありがとうございました。
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【こだわらず前を向く】
橋本洋子さんとの対談
福島から神奈川に避難してすぐはダメージも大きく、塞ぎ込んでいました。
でも、同じように塞ぎ込んでいた友人を引っ張り出そうと、出歩く努力をしたそうです。
しかしその友人は引っ越して行き、1人になった橋本さん。
がむしゃらに友達を作ろうとしました。
内向的で鬱々としていた自分を変えたきっかけは、
踏ん切りをつけなければならない状況でした。
大切なピアノも着物も家ごと処分せざるを得なかったエピソードは、
映画の中でも語られています。
墓場まで持って行けないものに早めにお別れした、と思おう。
「人生の大切だったもの」に対して、橋本さんの考え方も変わり、諦めがつきました。
橋本さんのターニングポイントです。
私の感覚だと、「避難」という言葉は、
「短期の」というニュアンスを含んだ言葉に感じます。
この先福島に帰る予定がないと語る橋本さん。
「避難者」と呼ばれることに違和感はないのかお聞きしました。
「私は実際に『避難者』なので特にこだわらない」とのお答え。
個人差があると思われますが、橋本さんの場合は、
人生に対しても「こだわらないこと」で前向きになろうとしているように感じられました。
橋本さん、貴重なヒントをくださり、ありがとうございました。
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それぞれのトークの後には、お客さんからご意見もいただきました。
「それでも前を向けない方や、声を出せない方がたくさんいて、
そういう方達の思いをどう拾ったらいいのでしょう」という言葉も。
私にも分からないですが、前向きな課題と捉えたいです。
自分から発信することに価値を見出せたら、何かが変わるのかもしれません。
それは身近な人や伝えたい人への、小さな雑談から始まるのかもしれません。
そもそも語る必要があるのか、という疑問もありますね。
語らないのも自由ですし、自分を守る上で大事なことかもしれません。
ただ、自分の思いを伝えることではじめて、他者が思いを受け止められるように思えます。
まだまだ語れる状況じゃない方は、もっと時間が経ってから
「語りたい」というスイッチが入るかもしれません。
戦争体験も戦後78年の時間が経ってようやく語れる、
という方がたくさんいらっしゃいますよね。
時間が経ってから語り始める方達の存在は貴重です。
時間が経つほど語られなくなるのは必然だからです。
いつ語り始めても良いんだと思います。
だからいつでもそれを受け止められる社会にしていきたいですね。
はい、まとまらない話をしましたが、
そんな課題に対していい知恵がありましたらぜひ教えてください。
皆さんで考えていきましょう。
ヒントはyo@on-work.jpに下さい。
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「1/10 Fukushimaをきいてみる」を応援したい!と思ってくださったあなたへ。
3種類の方法でプロジェクトへ寄付ができます。
↓
❶「1/10 応援手ぬぐい」¥2,970
https://ec.tsuku2.jp/items/02101321832521-0001
べんがら泥染め「1/10」ロゴ入り手ぬぐい。手染めの優しい風合いが人気です。
一時期は人気で売り切れ。須田まゆ美さんをはじめとする「えまほあも」ワークショップの皆さんが、追加で制作してくれました。素晴らしい色彩で、今回の目黒上映でも大人気でした!
応援者がさらなる応援者を募るというアイデア、とてもありがたいです。
売り上げの80%をプロジェクトに寄付していただいています。
❷「1/10 応援チケット(¥1,000)」特別映像あり ¥1,000
https://ticket.tsuku2.jp/events-detail/20293421020216
本編に登場した平岡雅康さんの未収録インタビュー映像。
ウクライナと福島の関係を時計にしました。
❸「1/10 応援チケット(¥3,000)」特別映像あり ¥3,000
https://ticket.tsuku2.jp/events-detail/22221112290260
佐藤みゆき実家近くの麦畑は放射性廃棄物置き場になりました。
その後の様子を父・進さんと見に行きました。本編未収録映像。
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