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衝撃の感想文、いただきました
「1/10 Fukushimaをきいてみる」シリーズ監督の古波津 陽です。
メルマガのご登録&応援ありがとうございます。今号は#19です。
今日は、私が衝撃を受けた、あるメッセージをご紹介させてください。
先日の3月8日、福島県相馬総合高校の追悼行事で「1/10 Fukushimaをきいてみる 2022」を上映していただきました。
全校生徒450人。神戸の灘高校・池田先生からご紹介いただき実現した上映会です。
この映画を、被災地の高校生たちはどう見るのだろう?と気になっていました。
上映から数日後、高校生たちが書いてくれた渾身の感想文が150通。
その中に、一際光を放つメッセージがありました。
これから紹介するのは菅野芽生さんという高校2年生が書いてくれた文章です。
↓
当時5歳になったばかりで震災についての記憶は何もなく、物心ついた時から「復興」や「がんばろう」などの文字に囲まれた生活でした。
そんな私からすると震災に対する深い思いや考えなどはなく、ただ起こった出来事に過ぎなかったので今回の映画はとても考えさせられるものでした。
被災当時の記憶が鮮明であるということは辛いと同時に大切な記録であり、その方々の思いや生き様を生の声で聴けるのは記憶の浅い私にとってありがたかったです。まだまだ被災による問題は解決していないこと、一生続くかもしれないと考えさせてもらいました。
そして何より当事者ではない地方の同世代の学生の関心が高いことも驚きました。当事者じゃないからこそ別の角度から物事を見ることができますし、とても素晴らしいことだと思いました。なんだかありがたいです。
今回の映画で考えたことは、もしかしたら我々のような「被災はしたけれど記憶はない、物心ついた時から被災者として扱われてきた人」が一番地域のことに関心が薄いのではないかということです。
少なくとも私は被災する前の普通の生活というものをほとんど覚えていないですし、ずっと被災者として生活してきたのでそれを当たり前として過ごしてきました。
今になって復興について考えても何も思い浮かびません。このような世代が地域の復興について考えなくてはならない時代がやってきたのだと少し不安を感じました。
しかしわずかな記憶の中に、真っ暗な津波が瓦礫を引き連れ建物を飲み込む様子や、それを見て呆然とする大人、もはや笑ってしまう大人を覚えています。そしてそれでも諦めなかった大人を覚えています。
後世に伝えるほどの記憶も地域への思いもあまりないですが、被災してしまったなら、この経験、この復興が、後の災害にどれだけ活かせるか考えられます。素晴らしいチャンスだと思いました。
素晴らしい映画でした。ありがとうございました。
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私がこれを読んだのが3月11日。
震災があった日というだけでなく私の誕生日でもありました。
何と嬉しいプレゼントだろうと、感動で震えましたよ。
まず衝撃だったのは、私の中に菅野さんの視点というものが欠落していたことです。
そうか、震災の記憶が薄いから地元への関心も薄いのか。
「福島からもっと発信して」と言われても「何を?」となって当然です。
語れるものが少ない世代。
それは関東大震災100年後の私もそう。
「あの震災を語って」と言われたら、地元だけど語れない。
時間とともに色褪せていくんですね。
ところが。
そんな高校生が映画を見て、現状を「チャンスだ」と解釈してくれた。
この意識の転換、柔軟性、すごいと思いませんか?
私はあっ!と声を上げましたよ。
この世代の子たちが「チャンス」と捉えたら、世界は好転するに決まってます。
私も彼女らと一緒に「チャンス」を掴みたいと思いました。それが何かはまだ分かりませんが。
色褪せていく震災の記憶から、新しい何かが立ち上がる予感がします。
そんなわけで、まずは菅野さんに取材を申し込みました。
つづきは「1/10 Fukushimaをきいてみる 2023」をお楽しみに。
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さて、今週末は京都で上映です!私・古波津も現地で参上します。
・3月25日 京都府与謝野町(2019年版)13:30〜旧川嶋酒造にて
・3月26日 京都府京丹後(2022年版)13:30〜京丹後市峰山総合福祉センター「コミュニティホール」にて
詳しくはこちらをご覧ください。
↓
https://home.tsuku2.jp/f/1_10ask/Fukushima
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ここから下はご寄付のお知らせです。
「1/10 Fukushimaをきいてみる」を応援したい!と思ってくださったあなたへ。
3種類の方法でプロジェクトへ寄付ができます。
↓
❶「1/10 応援手ぬぐい」¥2,970
https://ec.tsuku2.jp/items/02101321832521-0001
べんがら泥染め「1/10」ロゴ入り手ぬぐい。手染めの優しい風合いが人気です。
一時期は人気で売り切れ。須田まゆ美さんをはじめとする「えまほあも」ワークショップの皆さんが、追加で100枚も制作してくれました。素晴らしい色彩です!
応援者がさらなる応援者を募るというアイデア、とてもありがたいです。
売り上げの80%をプロジェクトに寄付していただいています。
❷「1/10 応援チケット(¥1,000)」特別映像あり ¥1,000
https://ticket.tsuku2.jp/events-detail/20293421020216
本編に登場した平岡雅康さんの未収録インタビュー映像。
ウクライナと福島の関係を時計にしました。
❸「1/10 応援チケット(¥3,000)」特別映像あり ¥3,000
https://ticket.tsuku2.jp/events-detail/22221112290260
佐藤みゆき実家近くの麦畑は放射性廃棄物置き場になりました。
その後の様子を父・進さんと見に行きました。本編未収録映像。
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