2026.06.19
僕がアトピーの勉強会を続ける理由
僕は6人の子どもの父親です。
幸いなことに、子どもたちはアトピーや重いアレルギーに悩まされることなく育ってくれました。
だから正直に言うと、昔の僕はアトピーについてほとんど知りませんでした。
アトピーで苦しんでいる人がこんなにも多いことも知りませんでした。
そんな僕がアトピーの勉強会を開くようになったきっかけは、2014年にあるオーガニック洗剤と、その開発者である師匠との出会いでした。
最初に開催した勉強会のテーマは「洗剤とアトピー」。
ところが当時の僕は、なぜ洗剤とアトピーが関係するのかさえ分かっていませんでした。
そもそもアトピーとは何なのかもよく知らなかったのです。
勉強会を続けて数ヶ月が経った頃から、参加者の方々からさまざまな声が届くようになりました。
「実は私がアトピーなんです」
「娘が苦しんでいます」
「息子がなかなか良くならなくて」
「孫がアトピーなんです」
それまで僕の周りには見えていなかっただけで、多くの人が悩みを抱えていることを知りました。
さらに学ぶ中で、アトピーという言葉には「奇妙な」「原因が分からない」という意味があることも知りました。
つまり医療の世界でも原因が特定できていない症状として扱われているということです。
師匠は長年アトピーについて学び続けてきた人でした。
塾経営時代、生徒がアトピーで苦しんでいたことをきっかけに研究を始め、その後も30年以上にわたって情報を集め続けていました。
僕はその話を聞きながら、レイチェル・カーソンの『沈黙の春』をはじめとする様々な本も読むようになりました。
便利さや効率を生み出してくれる科学や化学の力が、同時に僕たちの健康にも影響を与えているかもしれない。
そんな視点を知るようになったのです。
もちろん、それが正しい答えだと断言するつもりはありません。
ただ、知らなかった見方を知ることには大きな価値があると感じています。
そのことを強く実感した出来事があります。
幼稚園が一緒だったママ友のお子さんがアトピーで悩んでいました。
食事にも気を付け、洗剤も見直し、できることは色々とやってきたそうです。
それでも改善しきれない状態が続いていました。
ところが勉強会で聞いた「お風呂の塩素」という視点を試してみたところ、娘さんの肌が良くなっていったそうです。
後日いただいたレポートには、
「半袖が着られるようになった」
と書かれていました。
僕はその言葉に衝撃を受けました。
肌が良くなるというのは、単なる皮膚の問題ではない。
夏でも長袖を着続けなければならなかった女の子が、自分らしく過ごせるようになることなのだと。
人生そのものに関わることなのだと。
また別の方は、勉強会の話を聞いて「ポテトチップスを食べると湿疹が出る理由が分かった」と話してくれました。
師匠に答えを教えてもらったのではありません。
話を聞く中で、自分自身で気づいたのです。
さらに別の方は、2年間原因不明の皮膚病に苦しんでいました。
病院に通い続けても原因が分からなかったそうです。
ところが勉強会をきっかけに、自分が日常的に使っていた除菌・消臭剤との関係に気づき、使用をやめたところ改善したという報告をいただきました。
僕が心を動かされたのは、「治った」という結果だけではありません。
本人が自分で考え、自分で原因の可能性に気づいたことです。
実は、これが師匠から僕が受け取った一番大切な教えでもあります。
それは、「自分で考えること」。
誰かの言葉を鵜呑みにするのではなく、自分で考え、自分で選ぶ。
師匠はそういう姿勢を大切にしていました。
だから僕は今でも様々な人の話を聞きます。
師匠の話も聞きます。
医師の話も聞きます。
他の専門家の話も聞きます。
立場によって見えている景色は違います。
だからこそ、一つの考え方だけに縛られず、学び続けることが大切だと思っています。
僕は医者ではありません。
研究者でもありません。
治療をすることもできません。
でも、知るきっかけを作ることはできます。
人と情報をつなぐことはできます。
難しい話を分かりやすく翻訳することはできます。
振り返れば、師匠とオーガニック洗剤との出会いは僕の人生を大きく変えました。
発信する情報が変わり、出会う人が変わり、自分の立ち位置も変わりました。
たくさんの恩をいただいたと思っています。
だから今度は、その恩を次の誰かへ渡していきたい。
教えることはできなくても、考えるきっかけを届けることはできる。
それが、僕がアトピーの勉強会を続けている理由です。