銀行の代理人制度は万能じゃない【前編】〜登録すれば安心という誤解

FPライフ・4C通信 No.13】


銀行の代理人制度は万能じゃない【前編】

~ 「登録すれば安心」という誤解~

■はじめに

最近、相談の場でこんな声をよく聞きます。

「親が認知症になっても、銀行の代理人登録をしておけば大丈夫なんですよね?」

きっと、同じ話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

 

でも、私はこの言葉を聞くたびに、少し心配になります。

 

なぜなら――

それは 半分だけ本当で、半分は大きな誤解 だからです。

 

もし誤解したまま安心してしまうと、

「え?下ろせないの?」

「施設費が払えない…」

そんな現実に直面することもあります。

今日はまず、銀行の代理人制度が「何ができて、何ができないのか」を整理してみたいと思います。

 

■なぜ誤解が広がるのか

最近、親の認知症対策を調べると「銀行の代理人制度」という言葉をよく目にします。

 

名前だけ聞くと、

家族が代わりに動ける

認知症でも安心

手続きも簡単

無料でできる

そんな印象を持ちやすい制度です。

 

でも実は、この制度は全国共通ルールではありません。

銀行の高齢者対応は、全国銀行協会の指針を参考にしていますが、あくまで「参考」。義務ではありません。

 

つまり、

・認知症の判断基準

・代理人に認める範囲

・出金への対応

は銀行ごとに異なります。

ここがまず、見落とされやすいポイントです。

 

 

■ 認知症と判断されたらどうなる?

銀行は「本人の財産を守る立場」です。

もし本人の判断能力に疑いがあると判断された場合、

ATM利用

・通帳手続き

・キャッシュカード利用

が制限されることがあります。

 

一定レベルの認知症と判断されると、代理人登録があっても自由に扱えなくなるケースがあります。

 

これは銀行が厳しいのではなく、

本人の財産を守るため

横領や詐欺を防ぐため

の対応です。

 

■ さらに重要なポイント

代理人制度は

「本人が生きている間だけ」有効です。

 

本人が亡くなると、

・代理人の権限は消滅

・口座は凍結

・財産は相続人全員の共有財産へ

となります。

代理人に預金を動かす権利や、相続を決める権限はありません。

 

■ ここまで読んで、どう感じましたか?

「思っていたより制限が多い」

そう感じた方もいるかもしれません。

 

でも、代理人制度が悪いわけではありません。

あくまでこれは、

日常のお金の管理をサポートする制度なのです。

 

問題は、

「これだけで全部安心」と思ってしまうこと です。

 

では、もし代理人制度が使えなくなったら――

生活費や施設費はどうなるのでしょうか?

その「先」を考えた備えも必要になります。

 

次回は、その選択肢についてお話しします。

あなたは、どこまで備えていますか?


■相続やお金のことについて気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

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