2025.12.15
「それでも、私は支えたい」第7回 〜「誰が払うのか」 相続は・・
「それでも、私は支えたい」第7回
~「誰が払うのか」 相続は“気持ち”ではなく“お金”で決まっていく~
前回の第6回では、
「相続は、家族が見つけた財産だけで進んでいく」
という現実をお伝えしました。
誰かが調べてくれるわけではなく、
知らせていなければ、なかったことにされてしまう財産がある。
それが相続の現場だと、私たちは身をもって知りました。
そして今回は、その続き――。
“見つかった財産”を前に、
では誰が支払い、誰が背負うのか
という、さらに厳しい現実に直面することになります。
👉 前回のブログはこちら:
https://home.tsuku2.jp/storeBlogDetail.php?scd=0000246017&no=22675
叔母が亡くなって、最初に行ったのは、
実子である娘・Mさんへ死亡の連絡を入れることでした。
Mさんとのやり取りは妹が引き受けてくれていました。
妹とMさんは同年代で、幼い頃に一緒に写っている写真も残っています。
妹は覚えていないそうですが、私はその光景をよく覚えています。
Mさんは当初から相続放棄の意思を示しており、
連絡するとすぐに手続きを進めてくれました。
叔母が亡くなったのは8月27日。
Mさんによる家庭裁判所への申立てが行われ、
相続放棄が受理されたのは9月10日でした。
しかし、その通知書の原本が妹のもとに届いたのは9月20日。
原本が届かなければ、次の手続きには進めません。
そこから司法書士事務所へ提出することになり、
一連の流れで見ると、約1か月の時間がかかっています。
「相続放棄をすればすぐ終わる」と思われがちですが、
実際には“待つ時間”も含めて手続きなのだと知りました。
【支払いの請求は、待ってはくれない】
叔母が亡くなり、後見人申請が取り下げられた途端、
それまで保留されていた支払いの請求が、一斉に動き出しました。
・病院の入院費
・介護施設の利用料
・葬儀費用
さらに驚いたのは、
どこから情報を得たのか分かりませんが、
Mさんの元へ直接、支払いに関する問い合わせが入ったことです。
私は先方へ、
「Mさんは相続放棄申請中で、相続人はまだ確定していません。
遺産分割協議が終わるまで待ってください」
と説明しました。
最初に連絡してきたのは、市役所の固定資産税課でした。
次に、介護施設利用中に利用していた調剤薬局から、
未払いの薬代570円についての連絡が入りました。
失礼な言い方かもしれませんが、
支払いを求める側は、実に抜け目なく、容赦なく、
「払う義務がありそうな人」を見つけ出してくるのだ
と、驚きと同時に妙な感心すら覚えました。
【思い出の家を引き継ぎたい人がいた】
叔母の財産は、ほぼ土地と家だけでした。
その家は、祖父と長男の叔父が力を合わせて建てた家です。
叔母の姉は、以前から
「この家を相続して、大切に使いたい」
と言っていました。
私も4月に叔母が倒れて入院した際、姉にその意思を確認し、
「ぜひ住んでほしい」と思っていました。
しかし現実は厳しく、
土地家屋を相続するには、
売却できるまでの間、立て替えた費用を先に支払う必要があります。
姉には、その資金的余裕がありませんでした。
【明らかになった「相続にかかるお金」】

・病院入院費 120,000円
(後日、入院給付金で支払予定)
・介護施設利用料 235,000円
・終末期医療施設 73,000円
・葬儀費用 210,000円
・司法書士費用(概算) 200,000円
・土地家屋測量費(概算) 200,000円
合計:1,038,000円
測量が終わって、ようやく不動産売却に進めますが、
売れるかどうかは分かりません。
解体費や動産処分費を差し引けば、手取りはさらに減ります。
これらの事情を姉の息子たちにも伝え、家族で相談してもらいました。
数日後、
「母は相続しないことになりました」
と連絡が入りました。
【誰が相続するのか、誰が払うのか】
では、誰が相続人になるのか。
誰が、この支払いを引き受けるのか。
私は夫に相談しました。
これだけの金額を、私一人の判断では決められなかったからです。
夫は即答でした。
「俺は反対。係るな。
誰も声を上げてこないじゃないか。
放っておけば行政が何とかする。」
でも最後に、
「俺は反対って意見は言ったからな」
と言ってくれました。
これは、
“賛成はしない。でも最終判断はお前が決めろ”
という意味だと、私は受け取りました。
【合意形成と、静かな覚悟】

私はグループLINEに、
「相続人になって負債を引き受けるが、
全部は厳しいので、手伝える人がいたら手を挙げてほしい」
と送りました。
しかし、誰からも返事はありませんでした。
見かねた妹が個別にLINEをくれました。
「みんな、出したくないのよ。
私も自由に使えるお金は20万円くらいだけど、
それでよければ借用書を作って貸すよ。」
その後、相続資金ローンの情報なども送ってくれましたが、
私たちのケースには合いませんでした。
結局、
かき集めるようにして支払いを続けるしかありませんでした。
相続用に準備していた資金も、
少しずつ底をついていきます。
相続は、本当にお金がかかります。
そして、
ちゃんと残しておいてくれなければ、
家族が苦しむことになる
という現実を痛感しました。
【合意形成のその先へ】
最終的に、
「私が相続する方向でよいか」
をグループLINEで確認し、合意を得ました。
そして司法書士事務所に、
遺産分割協議書作成を正式に依頼しました。
「戸籍の確定に時間がかかります」
と言われ、ここからは待つしかありません。
🌼次回予告
依頼してから2か月。
司法書士事務所からは、何の連絡もありませんでした。
知り合いの相続コンサルに話すと、
「忘れられているかもしれない。
一度連絡した方がいいよ」
と言われ、問い合わせることに。
そこから、また話が動き出します。
相続の現場は、黙って待っているだけでは進まないことを知ることになります。
■相続やお金のことについて気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■□■ おせっかいFPからのお知らせ ■□■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】現在募集中のセミナー
「わかりやすくてためになる、初めての相続セミナー」~シニアのための“資産を家族につなぐ”安心ロードマップ~

【開催日時】
2026年1月25日(日)13時30分〜14時30分
【会場】
アキシマエンシス
昭島市 教育福祉総合センター
東京都昭島市つつじが丘3-3-15
303会議室
【交通アクセス】
・JR昭島駅北口 徒歩10分
・JR中神駅北口 徒歩10分
・立川バス「昭島市民会館」バス停 徒歩5分
・駐車場(有料)60台
・駐輪場 自転車 100台 / バイク 8台
【お支払方法】
・クレジット
・銀行振込
・会場での現金払い(但し、申し込みはウェブチケットから申込登録して頂きます。)
●ご連絡・問い合わせについて
HPの<お問い合わせ>から、または、メールにてお問い合わせをお願いいたします。
メールアドレス fumiko.7655@gmail.com
https://ticket.tsuku2.jp/events-detail/08003369202521

⇒ ホームページURL

