「それでも、私は支えたい」第6回 〜「誰も調べてくれない財産」 

FPライフ・4C通信 No.10


「それでも、私は支えたい」第6

~「誰も調べてくれない財産」 相続は“家族が見つけたものだけ”で進んでいく~

前回は、叔母の最期の選択を前に、いとこ同士で気持ちを出し合い、“延命治療をどうするか”という重い決断を一つひとつ乗り越えていった出来事をお伝えしました。

 

そして叔母が亡くなったあと――。

私たちの前には、また別の“現実的な問題”が立ちはだかることになります。

それは、

「叔母の財産を誰も調べてくれない」という事実。

相続も死後事務も、思っていたよりずっと厳しい現場でした。

今日はそのことを記録として残したいと思います。

👉 前回のブログはこちら:

https://home.tsuku2.jp/storeBlogDetail.php?scd=0000246017&no=22080

 

叔母が421日に倒れてから、827日に亡くなるまでの4ヶ月。

東京と青森の遠距離を行き来しながら、いとこ同士で手続きを進める日々でした。

叔母は膠芽腫(こうがしゅ)という進行の早い脳腫瘍で、意思表示ができない状態。

お金のこと、保険のこと、家の鍵、スマホのパスワード、緊急連絡先……

本当に何も聞けないまま、生前のことも死後のことも私たちが判断するしかありませんでした。

 

叔母の資産状況が分からないため、

「今後どこまで費用を立て替えるのか」「どこまで面倒がみられるのか」

その見通しさえ立ちませんでした。

 

そこで私たちは、

「後見人を立てれば叔母の財産状況を調べてくれる」

と信じ、八戸市の司法書士事務所を通じて後見人申請をすることにしました。

 

しかし結果的に、後見人申請は間に合わず、費用だけが10万円以上かかりました。

そして、さらに衝撃の事実が分かりました。

それは、

「後見人・士業が財産を“すべて”調べてくれるわけではない」ということです。

 

後見人・士業が財産をすべて調べてくれるわけではない



私たちが誤解していたのはここです。

後見人はすべての財産を調べてくれるわけではない。

弁護士・司法書士も同じ。

結局、「家族が見つけたものだけ」で手続きが進む。

最初に作成する財産目録も、

“家族が探して見つけた情報”のみで作成されます。

探し出せなかった資産があれば、

そのまま迷宮入りです。

誰も教えてくれません。銀行も保険会社も絶対に知らせてはくれません。

 

【叔母の財産として見つかったもの】

・年金が振り込まれる銀行口座1件

・医療保険1件

・通帳記帳で分かった地震保険(継続中)

・積立金はすでに解約済み(エアコン購入費に充当)

叔母の年金は少なく、近くに住む姉と助け合いながら暮らしていたようでした。

後見人申請は無駄に終わりましたが、申請中は支払いを保留してもらえるというメリットもありました。

 

【今回わかった相続の残酷な現実

**士業は全部の口座を探してくれない。

** “家族が見つけたものだけ”で相続が進む。**

 

・通帳や保険証券の場所が分からないと、相続手続きは止まる

・士業が総当たりで財産を探すわけではない

・後見人も、家族以上に調査するとは限らない

・家族が把握している財産だけで目録が作られる

・もし1,000万円の口座があっても、銀行は絶対に知らせてくれない

・気づかない口座の引き落としは止まらず、トラブルに発展する恐れもある

 

【結論:知らせておくことが“最大の備え”】



誰かが調べてくれる――

その考えは、残念ながら通用しません。

 

知らせなければ伝わらない。

伝えなければ探しようがない。

 

家族を困らせないために

「自分の財産の情報を知らせておくこと」

が一番の愛情であり、最大の備えです。

 


🌼次回予告

叔母が亡くなり、後見人申請が取り下げられた途端、

保留されていた支払いの請求が一斉に相続人へと向かってきます。

・叔母のマイナス財産は誰が引き継ぐのか?

・土地家屋はいつ売れるのか?そもそも売れるのか?

・売却まで待ってもらうことはできない現実

・相続人は誰になるのか?

 

次回は「マイナス財産と相続責任」、そして青森の不動産がどうなったのかをお届けします。

 

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