2025.10.04
整体院で学んだビジネスの本質:お客さんは本音を言わない

先日、整体院で体験したことから、 ビジネスにおける重要な気づきを得ました。
これは自分自身への反省も込めての話です。
坐骨神経痛との戦い
私は現在、坐骨神経痛に悩まされています。
座っていると左足が痺れる状態が ずっと続いており、 改善を求めて複数の整体院や整骨院を 回っている状況です。
ある日、いつも通っている整体院が 急に休診となってしまいました。
時間を無駄にしたくなかったので、 急遽別の整骨院に電話をして予約を取り、 初めて訪れることにしました。
1回目:期待以上の体験
初回の施術は、期待以上のものでした。
残念ながら坐骨神経痛の痺れそのものは 改善しませんでしたが、 全身の状態が驚くほど楽になり、 「これまでにないくらい良い」と感じました。
その夜はぐっすり眠ることができたのです。
2回目:正直なフィードバックを伝えた結果
2回目の訪問時、 私は正直に感想を伝えることにしました。
「すごく体が楽になって、 本当によく眠れました」と、 まず良かった点を事実として伝えました。
その上で、 「ただ、坐骨神経痛の痺れについては、 残念ながら効果が見られませんでした」 という点も率直に伝えたのです。
私がいつも通っている奈良の整体院であれば、 先生は「そうですか。 では施術方法を変えてみましょう」と 柔軟に対応してくださいます。
私は批判をしているわけではありません。
もし本当に不満があれば、 黙って二度と行かないという選択をします。
わざわざ改善点を伝えるということは、 効果を期待していて 「このようにしてほしい」という 要望があるからこそです。
ところが、今回の先生の反応は予想外でした。
明らかに怒った口調で 「どういう風になっているんですか? それをちゃんと把握しているんですか?」 と詰問するように言うのです。
「いや、ちゃんと状態を伝えてください」 と怒りながら言われたので、 私は「ああ、この先生には 何を言っても無駄だな」と判断し、 「わかりました」と短く答えるしかありませんでした。
3回目:本音を隠すことに
3回目の訪問時、 施術後に「どうですか?」と聞かれたので、 「良くなりました」と答えました。
実際には全く改善していないにもかかわらず、です。
そして4回目の予約は、もう入れませんでした。
お客さんは本音を言わない
この経験は、ビジネスにおける 重要な真実を浮き彫りにします。
それは、お客さんは表面的には 問題ないふりをして、本音を言わない ということです。
塾での実例:恐怖が生む沈黙
以前、私が関わっていた教育現場でも 同様のケースがありました。
ある数学の先生は、生徒に対して 「分かったか?これはどうだ?」と 威圧的に返事を求める指導スタイルでした。
これは「返事の恫喝」とも呼ばれる手法です。
生徒たちは恐怖から 「はい、分かりました」と答えます。
先生も「そうか」と満足そうに頷きます。
しかし結果はどうだったか。
最初は満席だった教室から、 徐々に生徒が姿を消し、 最終的には誰もいなくなってしまったのです。
これは塾ではなく予備校での実話です。
本人は最後まで 何が問題だったのか理解していませんでした。
生徒たちは怒られるのが怖くて 本音を言えず、 結果として「やめる」という選択肢しか 残されていなかったのです。
ビジネスで最も重要なこと:ズレに気づく
この話には、マーケティングにおける 最も本質的な教訓が詰まっています。
ビジネスがうまくいかない時、 それは必ず何かがズレている ということです。
自分が提供していることと、 お客さんが求めていることの間に ギャップがあるから、成果が出ないのです。
では、どうすればうまくいくのか?
答えは明確です。 ズレを修正することです。
そして、そのズレに気づくことができるのは、 お客様の声を聞くこと以外にありません。
素晴らしかった講師の姿勢
私が以前通っていたビジネススクールの講師は、 この点で非常に優れていました。
その方は常に「なぜ入会したのですか?」 「今の状況はどうですか?」 「どこに不満を感じていますか?」と、 率直に問いかけてくださいました。
私も遠慮なく意見を述べましたが、 結果として5年ほど在籍することになりました。
なぜか。
その講師は単に要望を聞くだけでなく、 実際に改善に取り組み、 期待に応えてくださったからです。
そうした姿勢が信頼と 期待値の向上につながり、 「ここで学び続けたい」という 気持ちを生み出したのです。
オンデーズの実践例
ビジネスの成功は、 実は難しいことではありません。
当たり前のことを 確実に実行すればよいのです。
メガネチェーンのオンデーズ社長が 語っていた話が印象的でした。
赤字から黒字への転換を どう実現したのかという質問に対し、 こう答えていたそうです。
「店頭に立って、 お客さんが購入したら 『なぜ買ってくださったのか』を聞く。
買わずに帰られたら 『なぜ買わなかったのか』を聞いて 改善していく。
それをやっただけです」
基本はこれなのだと思います。
意見を言ってもらえることの価値
お客さんから意見を言ってもらえることは、 決して悪いことではありません。
むしろ、ビジネス改善の貴重な機会です。
自分自身も完璧ではないと自覚しています。
特にクレームを受けると、 誰でも気持ちの良いものではありません。
だからこそ私は、 フィードバックの伝え方に気をつけています。
クレームではなく、 事実ベースで伝えることを心がけています。
具体的には、 良かった点を先に認め、 その上で改善してほしい点を伝える という順序です。
両方をセットで伝えることで、 建設的なコミュニケーションになると 考えています。
しかし今回のように、 それでも聞く耳を持ってもらえないのであれば、 もうそこには行かないという判断になります。
これは、あらゆるビジネスに通じる 教訓だと感じています。
オンラインビジネスこそ傾聴が必要
特にオンラインビジネスを始める際、 多くの人が陥る罠があります。
それは、お客さんや見込み客の話を 聞いていないということです。
自分の思い込みや理想だけで進めてしまい、 「お客さんが本当に何を望んでいるのか」 という最も重要な問いを 見失ってしまうのです。
もっと積極的にお客さんの声に 耳を傾けること。
そこから、ビジネスの打開策が 見えてくるはずです。
今回の学び
お客さんは本音を言いません。
だからこそ、安心して本音を言える 環境を作り、 真摯に耳を傾けることが、 ビジネス成功の鍵となります。
批判を恐れず、 フィードバックを歓迎する姿勢こそが、 継続的な改善と成長への道なのです。