「それでも、私は支えたい」 第4回 バラバラだった気持ちが・・

FPライフ・4C通信 No.7】


「それでも、私は支えたい」 第4回~バラバラだった気持ちが、一つになるまで~

前回のブログでは、「私が後見人を務めるべきかどうか」の葛藤や、第三者に託す決断をした背景をお話ししました。

👉 前回のブログはこちら: https://home.tsuku2.jp/storeBlog.php?scd=0000246017&category=5974

今回は、その続きとして「親族間の合意形成」について綴ります。

最初はすれ違っていた家族の気持ちが、LINEを通じて少しずつ重なり合い、やがて一つにまとまっていくまでの出来事をお伝えします。

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連絡が届いたのは、ゴールデンウィーク中だった

叔母が脳腫瘍で倒れたという知らせが届いたのは、ゴールデンウィークの最中のことでした。

実際に倒れたのは421日だったにもかかわらず、遠方にいる私たちへの連絡は後回しにされていたようです。

知らせを受けたいとこたちは、それぞれの都合でお見舞いに向かいましたが、私は宿泊先の確保が難しく、5月末に青森(平川市)を訪れることにしました。

現地で世話をしていた甥のS君と話し合い、帰京後に叔母の様子や今後のことを相談するメールをいとこたちに送りました。
しかし、返信がなかったり、「これ以上関われない」と言われたり……

いとこたち皆、どうしていいか分からず、不安と戸惑いが広がっていました。

 

いとこたちとの連携が取れなかった

一番困ったのは、それぞれがバラバラにお見舞いに行ったことによって、“誰が何を頼まれているのか”が整理されておらず、混乱が生じてしまったことです。

私が報告のメールを送った際、あるいとこからは「私が頼まれていたのに、必要ないならそっちでどうぞ」と、協力を拒否するような返信が来てしまいました。

この時、「私が支えなければ」と改めて覚悟を決めたのです。

 

相続コンサルタントの一言にハッと気づかされた

その後、相続診断士協会の協力で青森(八戸市)の司法書士さんとつながり、S君ともやりとりを重ねて準備を進めていました。

 

そんな中、相続コンサルタントの川口さんに今の状況を話すと、「今はそこにフォーカスしているけれど、もう少し引いて見てみて。

他にも関わっている人たちがいますよね? 皆さんと合意形成、取れていますか?」

という言葉をもらい、私はハッとしました。

“協力してくれない”と思い込み、私はS君とだけ連携を取っていたのです。

これではいけないと反省し、S君に「他のいとこたちにも意思確認をしたい」と話しました。



LINEで合意形成を進める

S 君も「みんながどう思っているのか知りたい」と言ってくれたので、私はグループLINEに「私が進めていく方向でいいですか?」と確認のメッセージを送りました。

すぐに一人からは「よろしくお願いします」という返信がありましたが、残る二人はいったん様子をうかがっているようで反応がありませんでした。

そこで、S君に「お願いしたいです」という気持ちをLINEに投稿してもらいました。すると、それを見た二人からも「皆がいいなら私はOKです」と返信が届き、無事に全員の承認を得ることができました。

 

後から考えると、最初に関係者全員の合意をしっかり取っておくことは、物事をスムーズに進めるだけでなく、自分自身を守ることにもなるのだと痛感しました。

なぜなら、たとえ善意で動いていても、後になって「そんなつもりじゃなかった」「何も聞かされていなかった」と言われてしまえば、一方的に進めたように見えてしまう可能性があるからです。

「私でいいですか?」「この進め方で大丈夫ですか?」と、一つひとつ確認しながら進めることは、誰かを蚊帳の外にしないという配慮であると同時に、私自身の立場を守るためにも大切なプロセスなのだと改めて感じました。

 

報告を続ける中で、関係が少しずつ変わっていった

それ以降、私はLINEでこまめに報告を重ねていきました。

・病院から介護施設への移動

・ケア体制や急変時の対応

・叔母の様子(施設長さんからの情報)

・書類手続きの進捗

報告するたび、いとこたちから返信があり、少しずつ安心してもらえているのが伝わってきました。

 

危篤の知らせ、そして“奇跡”の再会

717日、夕方。

S君から「叔母さんが危篤です」と連絡が入りました。

私はすぐに帰省の準備を始めましたが、宿泊先が見つからず困っていたところ、S君が「叔母さんの家に泊まれますよ」と教えてくれました。

家の鍵や電気・ガスの状況も整っていたため、急ぎ葬儀屋さんの手配を進め、翌朝一番の新幹線で青森へ向かいました。

S君は、「もし亡くなったら、自分がどう動けばいいのか不安です」と心細い様子でした。

その一方で、グループLINEでいとこたちに危篤の知らせを送ると、「ひとまず、フミちゃんが行ってくれて安心した」との反応がありました。

 

そして数日以内に、いとこたち全員が青森に集まることができたのです。

今までになかった、まさに奇跡のような再会でした。

 

 

葬儀の準備と「一人でできる形」を整える

病院に着いた私たちは、緊張しながら叔母の病室に向かいました。

「危篤」という知らせに不安を抱えていましたが、叔母は痰が詰まって呼吸困難になっていたものの、処置によって一時的に落ち着き、意識もしっかりしていて、私たちの顔を見て反応してくれました。

 話すことはできませんでしたが、帰り際にはそっと手を振ってくれる姿に、私たちは胸をなでおろしました。

ただ、医師からは「予断を許さない状態」と伝えられており、いつ何が起きてもおかしくない状況であることに変わりはありません。

 

そこで私たちは、すぐにでも対応できるよう、葬儀屋さんに向かい、S君が一人でも葬儀を進められる体制を整えることにしました。

 ここで私が一番大事にしたのは、

**S君が一人で行える体制を整えること」**です。

次は全員が来られるとは限らない。

だからこそ、手順や対応の流れをS君にしっかり理解してもらうことを重視しました。

地方と関東では風習の違いもあり、話し合いには苦労しましたが、

最終的に「直葬プラン(病院→自宅→火葬→遺骨の安置)」にまとまりました。

 

合意が信頼を生む

後日、集まったいとこたちやその家族にもこのプランを説明。

皆「それでいいと思う」「一人で大変だろうけど、よろしくね」と承諾してくれました。

さらに私から「納骨式は、みんなが集まれる日に行いましょう」と提案すると、これにも快く同意してくれました。

「片付けも一緒にやるよ」という言葉までいただき、

不安を抱えていた私にとっては、心から嬉しい一言でした。

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感動のサプライズ

そんな中、もう一つのサプライズがありました。

青森へ向かう途中、妹からスマホに送られてきた映像。

それは、昨年母の葬儀で流したメモリーDVDYouTubeに編集したものでした。

懐かしいモノクロの写真、弘前城の桜まつり、家族旅行……

叔母や祖父母との思い出が詰まった映像を、いとこ全員で鑑賞しました。

スマホ越しにそれを見つめる叔母。

画面を撫でるように手を伸ばす姿に、私は胸がいっぱいになりました。

みんなでこの映像を見られたこと。

叔母に届けられたこと。

本当に、かけがえのない時間でした。



おわりに

叔母は一時的に持ち直しましたが、今もいつ急変してもおかしくない状況が続いています。

後見人の申請手続きも進行中です。

この先どんな出来事があるのか、まだ分かりません。

ただ一つ、今言えることは──

「合意形成」を意識しながら、

皆で気持ちを共有し、同じ方向を向けるよう努力してきたことは、間違っていなかったということです。

不安や焦りの中でも、誰か一人ではなく“みんなで支える”という体制を作っておくことが、

今後どんな場面でも、私たちの支えになってくれると信じています。


次回の更新は、また状況が動き次第お知らせしたいと思います。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


 


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