2024.10.22
いざ能登へ 活動記録②
お邪魔したのは、80代と70代のご夫婦と黒猫ちゃんが暮らすお宅でした。
地震での建物被害はなかったとのことでしたが、今回の豪雨で裏山が崩れ、床下浸水したとのことでした。
我々の任務は、床下にある泥のかき出しと、家の周りに堆積する泥の撤去でした。
水害で建物が流されたり、破損することはありますが、一見大丈夫そうなお家でも、厄介なのが水害です。
湿気を含んだ泥を放置しておくと、家中カビて来ますし、下水を含んだ泥は臭いや衛生面等で問題が生じてきます。
そして床下浸水であっても、浸水の高さによって対応は異なります。古い家屋なら床を剥がし、新しい作りの家。
このお宅は、破損がなかったので、台所の床下収納の場所から潜り、床下の様子を見ることにしました。
床下にはやはり、びっちりと泥が入り込んでいますが、幸い水は溜まってはいません。しかも、床まで泥が到達した形跡はありませんでした。
床まで浸水した場合は、床と断熱材の間に泥が入り込んで、カビる恐れがあります。その場合は、床を剥ぐ必要もあり、私たちでは手に負えません。
今回は床の手前で止まってくれたので、一択。
「建物を壊さずに泥を掻き出す」なのです。
とはいえ、想像してみてください。
・床下に入る入り口は、台所のみ。
・床下の全ての泥をすくい、運び出す。
・当然、真っ暗な中、泥だらけ。
・空気も悪く、息苦しい。
・高さは50センチ程度、ほふく前進で移動。
そんな作業を四人(50代2人、70代2人)で行うのです。
通常なら泥を袋に入れ、いちいち持ち出すので、途方もない労力と時間がかかるはずです。
しかし、A松さんは、違います。
そこは過去の災害ボランティアで経験したノウハウを元に、道具を用意しています。
・LEDの蛍光灯で明るくし
・かき出し道具にちりとりやスコップ
・泥はトロ箱に入れ
・レールで送り出し
・移動距離を極力軽減
明らかに効率的で、作業負担も軽減されます。
こうしたノウハウは、過去の震災や水害などの活動で培われたものです。
この30年間、全国各地の被災地に行き、その都度対応されて、その都度、報告書やYouTubeなどで公開されています。
しかしながら、実際のボランティアの現場でこの方法は使われることはないそうです。
道具やノウハウによる作業の効率化が進めば、もっと早く復旧が進むはずですが、現状はそうではありません。
以上のことを、まとめた6分ほどの動画があります。
その中で、A松さんは、
「あの震災から何も学んでいない復興作業
何もできなかった自分を悔やむばかりです」
と記しています。
息づかいから、過酷な作業状況が伝われば幸いです。
YouTube
https://youtu.be/rwUMnkZG8So?si=uZw_cJ40Yz1myu84
https://www.instagram.com/reel/DBT3LpRyHJQ/?igsh=MTZvbmtjamZsMHE0cg==
(つづく)