里の寺子屋 智行塾

菌ちゃん農法とは?

​ 広い意味では、菌ちゃんいっぱいの土で元気な菌ちゃん野菜を育てるための方法という意味です。
 その意味では多くの有機農法と菌ちゃん農法は同じと言えるでしょう。

 ただ、農業は工業と違って自然を相手にするため、
 地域、土壌、その年の天候等によってやり方が変わるため、
 どの有機農法もあまり具体的に表現できず、
 そのため農業未経験の人には実践しにくかったのです。

 そこで、菌ちゃん農法では、
 やり方を、できるだけ数字等で具体的に表現することで、
 まったくの初心者でも実行できるように工夫しました。
 そのため、1年目はいい加減に応用せずに、決まった通りにやって、
 2年目からは自然相手に応用を楽しんでみてください。

 菌ちゃん農法は大きく2つのやり方に分かれます。
 どちらも土を有用菌ちゃんいっぱいにする方法ですが、
 そのために入れる有機物も、そこではたらく微生物の組成もまったく異なります。
 これをごっちゃに理解している人が多いです。
 生ごみや柔らかい草等を使って菌ちゃんいっぱいの土にするのか、
 木や竹や硬い草など窒素分のとても少ないものを使ってするのか、
 (最近はこの後者の方法が菌ちゃん農法として認識されています)

 初心者は初年目はどちらか1つだけを選んで、その方法の部分だけ読んで実践されて
​ みてください。

 後者の、窒素分の少ないものを使った農法では、畝を高くします。
 糸状菌(主にキノコ)は土が水浸しになると育たなくなるからです。
 畝の高さは、菌ちゃんのエサを乗せる前の段階で、45cm以上と書いています。
 そうすると、エサを乗せて土をかけてマルチを張った時の畝の高さは、55cmくらいになります。
 曖昧にしては初心者は迷うので、このように断定した数字を書いています。
 これだけ高くすると、排水の良い土の場合は乾きすぎるのではと心配する人もいます。
 その通りです。
 そこで、かなり重い重しを乗せることで、重しの下の土は毛細管現象で乾かないようにします。
 逆に、粘土質の土の場合でも、これだけの高さを確保すれば、
 土が畝の上まで濡れていても、少しは土中に空気があるので、糸状菌が生育できるのです。

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菌ちゃん野菜とは?
 土壌中の大量の有用微生物に囲まれて育った野菜のことです。
 人にとってはとても美味しいのですが、抗酸化力が高いため虫にとっては食べにくい野菜です。
 有機野菜とは、化学合成農薬や化学肥料を使わずに育てた野菜のことで、
 多くの有機野菜は、菌ちゃん野菜なのですが、
 一部は、有機肥料の入れ方等によって土が腐敗していて、
 本来なら抗酸化力の少ない、病害虫が発生しやすい野菜になっているのに、
 太陽熱による土壌消毒や防虫ネット、微生物農薬等、
​ 安全な方法で病害虫から守っている有機野菜もあります。
 この違いがあるため、あえて「菌ちゃん野菜」と呼んでいるわけです。