”アオイトリ ” ショップ 開店に寄せて 2022年 10月吉日
三十数年前のある日、私はガンという病を得て、失意の底に沈んでいました。
上顎という顔面にメスが入り、転移の恐れとともに、人と顔を向き合うことに、
ためらいの日々を過ごしていました。
治療後、養生に取り組んでいた私は、娘がバレエを習っていたお陰で、母の会の役を引き受けることになりました。舞台を自分たちも一緒に作り上げるという百数十人の親子の思いを込めて、裁断から縫製まで、皆一丸となって、始めてチュチュを作り、舞台に上げたのが昨日の事のようです。
元気を取り戻した私は、今度は何か作ってみたいと思い、粘土工芸の教室に通い始めました。
そんな私は、友人とある展覧会で見た” 野の花 ”を見て、一瞬にして感動の境地に落ち入りました。
風でゆらゆら動いているのです。
その薄ーい花弁一枚一枚に、今まで習った粘土の花とは違う世界が広がっていました。
それが福富由美子先生との出会いでした。
それから二十数年・・・。
片道車で一時間はかかる福富先生のところに、ほぼ毎週、よく通いました。
福富先生は、半立体粘土画を創始され、フランスでも個展を開き好評を得て、場所を変え他都市でも再度展覧会を開くほどでした。
粘土であれも作れるこれも作れるとトライされ、福岡市美術館では、一週間に渡り、粘土画、花、人形などを展示しました。今も国内の美術展覧会に毎年出展されています。
魅力に溢れた先生であり、仲間たちです。
バレエの仲間、粘土の仲間たちと、事(コト)を成して行きながら、私は、病から心身ともに立ち直れました。
三十数年前、出始めたばかりの大きな携帯電話を使って、病院から我が家の様子をを知ることが出来たあの日。
今や携帯電話は軽くオシャレになり、インターネットなるもので買い物をし、世界中の人々と一瞬にして連絡が取れます。
生きている間にこの様なネット世界が訪れるとは、思ってもみませんでした。
コロナ禍中だからと、籠ってばかりはおられません。
人生は一度きりです。
青い鳥は、遠くにいるのではなく、すぐ身近で羽ばたいてくれています。
この小さな粘土のひとかけらが・・・また何げない布切れたちが、
皆さんに一片の笑顔や、希望や、安らぎを感じていただけたら、・・・と、思い、作品を見て頂き、販売することにしました。
本当につたない手ではありますが、誠心誠意応えていこうと思っております。
全て手作りの品なので(受注製作可能です)、お手元に届くまで、お時間がかかることを、ご承知おき下さい。
共に楽しい時を共有していきましょう
ショップオープンに、気軽にに応じてくださった尊敬する福富先生と、我が親友Hさんには、心より感謝いたします。
”アオイトリ " 代表事業者 Lee Becki(李 白熙)