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トラックカーゴデッキシステム(TCDS)​​​​

■トラックカーゴデッキシステム(TCDS)とは?​​

Truck Cargo Deck System

トラックカーゴデッキシステム(TCDS)とは、次世代のトラックの荷台の床。
​樹脂とアルミで作られたハイブリッドのトラック荷台の床です。

従来の床は、アピトンの無垢材やアカシアの集成材など南洋材がほとんどですが、環境保護のために伐採が制限されており、需給が逼迫しています。
​このため 年々価格が高騰し、高品質なものは入手しにくくなっており、一般的に流通しているものはその品質も低下しています。
​芯材と辺材では強度も異なり品質が安定 しないのですが、需給が逼迫しているので選んでいる余地はありません。
​また従来は十分な乾燥をさせた上で使用していたので架装後の反りなどは見られませんでした。
​現在では材料が少ないので乾燥し終える前に使用せざるを得ない状況のようです。
​特にフィンガージョイントといわれる接合部は以前は3~4m毎にあって、床の架装をする上でそれほど大きな影響はありませんでした。
​しかし現在は1.5~2mで接続されており、フィンガージョイント部を横根太上に持ってくることができず、根太間に配置せざるを得ない状況です。
​つまり床の強度は明らかに以前よりも低下しているといえます。
​また木製床が劣化した場合、腐りやささくれなどが発生し、そのための張り替えも発生します。
​それから、製品やパレットとの擦れによって細かな木くずが発生します。
​これらの木くずは製品に付着して倉庫内や施設内に侵入するため、製品を汚したり混入したりと、品質管理の上でも問題が発生しています。
​よりクリーンな物流を行う企業では、倉庫内に空調設備を整えています。
​しかし木くずは軽い上に繊維質なので、空調のメンテナンスにもコストがかかり厄介者扱いされています。
​このためパレットはプラスティック、トラックの荷台は金属の床の指定を出すところが増えてきています。

トラックカーゴデッキシステムは、アルミフレームと樹脂を使用したハイブリッドの床です。
​これを組み合わせることにより強度と耐久性を実現しました。
​軽量で強く、腐りやささくれとは無縁で、酸やアルカリにも耐えます。
​また水分を吸収しないために、表面から液体が染み込むことが無く、濡れや汚れに強いのも特色です。
​水で丸洗いすることさえ可能です。
​さらに、リサイクルが可能で二酸化炭素排出削減に貢献でき、環境に優しいと言えるでしょう。
これは劣化したトラックの荷台です。腐り、ささくれて釘の頭が飛び出しています。
​場合によっては床に穴が空いていることもあります。
​木製の床は使用の過程で水分の影響を受けることによって、ご覧のように劣化していきます。
​こうなってしまうと床の張り替えが必要になりますが、高騰する木材の影響で補修コストは年円上がる一方です。
​また、張り替えに使用される木材も品質が安定していません。
​特に需給バランスがタイトになってくると、品質のばらつきが大きくなってきます。

■南洋材アピトンから環境製品へ​​

これが次世代の床、TCDSで作られた荷台です。
​天然由来の木材に代わり、工業製品である樹脂を床板として使用すれば、品質の安定化や供給の確保が実現でき、合わせて軽量化も図ることができます。
​しかしながら樹脂製の床板には様々な問題があり、なかなか普及には至りませんでした。
​そこで開発者であるsai-BRANDではこの樹脂製の床板に強度を持たせるために、樹脂アルミ複合材トラック・カーゴ・デッキ・システム(TCDS)を開発しました。
​アピトンと同等以上の強度を実現、価格もリーズナブル、そして床面は滑りにくいのです。

TCDSは、今まで樹脂床につきまとっていたネガティブな要素を排除することに成功したのです。

■TCDSの主な特長​​

・軽量
​比重が0.5とアピトン(0.80)の33.5%減となり、ボディーの軽量化を図ることができます。

​・無吸水​
​液体がしみこまないので汚れが付着しにくく清潔です。機械・鋼材輸送など油汚れにも強い。
​床の丸洗いも可能。食品輸送にも最適です。

​・安全
​節や繊維を持たないことから、トゲが発生しません。また水に濡れた状態でも滑りません。

​・資源保護
アジアの森林伐採を減少させます。

​・加工性
​木材と同等の加工が可能です。木工用の道具や機材が使用できます。

​・薬品にも強い
​耐酸、耐アルカリなので、様々な荷物の積載が可能です。積み荷の適応範囲が拡がります。

​・循環性能
​廃車後も床材のリサイクルができる、環境コストのかからない製品です。


■強度​​​

キャスターを使用した荷重試験では840kgの集中荷重で破断
上の写真とグラフは、東京都立産業技術研究センターにおいてTCDS t20(厚さ23mm)の破壊試験を行ったときのものです。
​比較したのはt19のアピトン無垢材です。
​アピトン無垢材は600kgを超えて破断しました。
​TCDS t20は840kgまで耐えました。
​トラック輸送で考えられる一番過酷な条件は、1トンほどにもなるコンビテナー(かご台車)での反復輸送です。
​私たちはこのキャスターにかかる重量を1点で250kgと考えました。
​バウンドすることによる最大荷重をその3倍の750kg、そしてマージンを50kgと考えて800kgを強度の指標としました。
​あピトンと比較すると大幅に耐荷重がアップしているのがご理解頂けると思います。

トラックカーゴデッキシステム強度試験

■軽さ​​​

この発泡性の素材、PS(ポリスチレン)発泡材が軽さの秘密です。
​比重は0.5で、アピトンと比べてもその軽さは圧倒的です。
強度を持たせるためのアルミブラケットも独特の形状で、強さとしなやかさを両立させています。

​一般的な大型トラックの荷台面積は9.6m×2.4mです。
​このサイズの床を22㎜厚で作った場合、アピトンの無垢材で405kg、アカシアの集成材で350kgです。
​しかしTCDS t23では305kgが実現します。
​この軽さは積載重量に対する荷主様の厳しい要望に対して有利になります。​

■厚さ​​​

上がTCDS t30、下がTCDS t20です。
​TCDS t30は高い強度を誇り、集中荷重で1,145kgに耐える強度があります。
​重量物などを積む平ボディーやトレーラーの床として適しています。
​TCDS t20は、床厚が薄い分だけ強度は下がりますが、それでも800kgの集中荷重に耐えます。
​カーゴ系のウイング車やバン車に適しています。

■環境性能​​​

床材の原料となるポリスチレン樹脂(PS)はGPPS(剛性材料)とHIPS(耐衝撃材料)の任意配合により、中衝撃性ポリスチレンとして使用されることが多い樹脂です。
​使用済み後はリサイクルによって製品として生まれ変わる、環境コストのかからない材料です。
​そのリサイクル回数は無限です。またブラケットとして使用されるアルミも、同様にリサイクルできる材料です。

​一方で木材は産地や天候、使用される部位に左右されるために品質が安定せず、伐採制限に夜コスト増加が課題になっています。
​高コストになりつつある木材は、二酸化炭素排出にも影響してきます。
​木材の伐採を防ぐことは二酸化炭素の吸収量を増やし、また木材を海外から輸入することによる二酸化炭素の発生を抑制します。
​一部を除き、使用後は廃材となった木材を燃やすか管理型処分場での埋め立てしか方法がありません。
​木材を燃やすとその堆積の7割が二酸化炭素になります。
​木材を輸入し、そして最終的に燃やすことは、二酸化炭素を輸入していることに等しいのです。

​TCDSへのシフトは二酸化炭素排出削減を具現化し、使用後のリサイクルによって更に環境を保護します。
​自然保護や環境保護は企業イメージのアップにも繋がります。
​公共のインフラを活用するトラックだからこそ、環境保護に配慮したいですね。
​近年はそういったお考えの荷主様や物流事業者様は増えてきました。

■滑り​​​​​​​​​​​

この床は軽トラックに装着されたトラックカーゴデッキシステムです。
​樹脂の床というと滑りを気にされる荷主様や物流事業者様が多いのですが、樹脂にありがちな滑りはありません。
​そして乾いていても濡れていても、靴底のグリップはほとんど変わりません。
​トラックカーゴデッキシステムなら床の滑りはほとんどありません。
​労災事故に繋がるような転倒リスクも少なく、また貨物事故に繋がる荷物の滑りに対しても有効に機能します。

■床を清潔に​​​​​​​​

平ボディーであればある程度は仕方ありませんが、ウイング車やバン車では常に床を綺麗に保っておく必要があります。
​しかしながらトラックの荷台には様々な荷物が載ります。
​時には水分や油分が残ることもあるでしょう。
​また庫内においが残ることもあります。
経済性や効率を考えると往路だけのワンウエイでの輸送はほぼ無く、復路の荷物を積むことが多いのです。
​したがって汚れやにおいは排除しなくてはなりません。
​ところが木製床では汚れは残りにおいもすぐには消えません。
​TCDSの床であれば、この汚れはウエスでサッと一拭きですし、樹脂とアルミの床であればにおいも残りにくいのです。

​また木製床の場合は木くずが発生します。
​k小間会期屑は貨物に付着して倉庫に侵入します。
​kオのために樹脂パレットと鉄板床の指定をする荷主も少なからず存在します。
​樹脂パレットならまだしも、鉄板床は滑りやすい上に積載重量を落とすことになります。

​今はまだ実用化されていませんが、TCDSには素材に銀イオンを混ぜて抗菌性機能を持たせることも可能です。
​食品輸送や食品容器輸送の可能性が拡がります。
​来れも剥きの素材であるから出来ること。
​今まで諦めていた様々なことが、可能になってきます。

■企業イメージの向上に向けて​​​​​​​​​​

トラックの荷台は日々酷使されています。
​汎用性のある車両は様々な積み荷を積みます。
​従来の無性の床だと、何もしなくても経年劣化で腐ったりささくれたりしてボロボロになります。
​まして毎日仕事で稼働しているトラックの床は過酷な状況に晒されています。
​補修費用もかさみます。

​お客様の大事な荷物を積む際に、ご覧のようなボロボロの床で積むわけにはいきません。
​ドライバーさんのイメージもそうですが、トラックも同様に企業のイメージに繋がります。
​仕事を依頼される荷主様は、きれいな身なりの礼儀正しいドライバーさん、キチンと洗車・整備された手入れの行き届いたトラックで、自分たちの荷物を大切に扱って欲しいと考えています。
そして​お届けする先は、荷主様のお客様でもあります。
​特に食品輸送や精密機器輸送では細心の気遣いが必要ですし、大手の顧客の中には安全・安心と、そのイメージを大事にしています。
​TCDSはそういったお客様への新たな提案としても評価されるでしょう。


■TCDSのポテンシャル比較​​​​

上記の表は現在使用されている主要な床材とTCDSの、それぞれの特徴を比較したものです。
​お型社の標準ボディーに多く使われているアカシア集成材の22㎜を基準として他の材料と比較しました。
​あピトンに関しては同じく22mm厚です。
​重量は大型車の一般的な床面積である長さ9,600mm×幅2,400mmで計算しています。

■使用事例​​​​

大手鉄鋼会社が製造する自動車部品を輸送する運送会社の事例です。
​この自動車部品は防錆油塗布した状態で輸送するため、荷台の床に油が垂れます。
​このために他の荷物を積むことができず、効率の悪い輸送をせざるを得ませんでした。
​また環境保護の点から垂れた防錆湯の回収を行う必要がありました。
​鉄板やステンレスなどの金属の床では油の付着や回収の問題はクリアできますが、水や油が床にあると人も荷物も滑って危険な上に、その重量のせいで積載重量を落してしまいます。
​また金属の床は、それ自体が積み荷を選んでしまいます。

​TCDSに変更することによって、床に垂れた防錆油は溝を伝ってドレンパイプへ。
​そこで油を回収するという仕組みを持たせることができました。
​また床が丸洗いできるため、高圧洗浄機などで洗い、エアガンで水気を吹き飛ばすとすぐに乾きます。
​汚れた床を簡単に綺麗な状態に戻すことができるため、他の荷物の輸送の対応も可能になりました。
​積載重量を確保した上で、これらの課題を克服したのです。

​この事例は、荷主様に対して環境対策を提案できるだけで無く、輸送の効率化や収益性の向上にも繋がります。

■施工方法と必要な床材の算出方法​​​​

●施工方法

1.センターラインの墨出し
​荷台の中心位置を定め、横根太の上に荷台のセンターラインを引きます。
​TCDSは中心に床板を設置し、左右に貼り分けていきます。
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2.センター部材の設置​​
​センターライン上にリバースウッドのLMの中心を合わせ、
​リバースウッドLMの側面に入ったスリットにアルミレールブラケットを差し込みます。
​この時左右のレールブラケットの脚の長い方を外側に向けて差し込み、専用ビスで横根太に打ち込んでください。
​鋼製根太専用ドリルビスはSUS410を使っていますので、鉄製で厚み2.3mmまでの横根太であれば下穴をあける必要はありません。
​木製根太用の場合はドリルビスではありませんので、アルミレールブラケットに下穴をあける必要があります。
3.台枠までの納まり​​
​センター部材の設置が完了したら、材長方向(荷台後方方向)へ同じ作業を繰り返します。
​次に幅方向(荷台左右方向)へ同じ作業作業を進めます。
​①センター部材の中心位置を確認します。
​②センター部材のレールブラケットに②のデッキ材を差し込みます。
​③ブラケットを足などで水平方向に押し付けながら、横根太に専用ビスで固定します。
​この作業を繰り返し、幅方向に作業を進めます。
④台枠までの寸法を測定し、最後の1枚を測定した寸法に幅加工し、台枠として使用するアングルの肉厚分をルーターなどを使って表面加工します。
​この加工した部材の台枠側に、使用するレールブラケットと同じ厚みのフラットバーを挟み、高さを合わせてください。
​⑤台枠をビスで固定して完成です。

●部材数量の算出方法

*床のサイズが長さ9600mmで幅が2400mmの大型車にTCDSのt20を施工する場合
​床材とレールブラケットの長さはいずれも4000mmです。
​TCDSの板は幅が100mmですから24列になります。
​TCDSの床板の長さは4000mmですから、内法長の9600mmに対して3本必要です。
​ただし4000mmからは1600mmで2本取れますので、2.5本あれば良いことになります。
​この場合の床材の本数は60本になります。
​レールブラケットは、床材と床材の間に入ります。
​したがって、2400mm幅の場合は23本必要です。
​長さに対しても同様ですから、23本×2.5で57.5本になります。
​両サイドは床板の下にフラットバーを入れてレベル調整をすることになります。
​ビスは、レールブラケットと横根太の交点に1本必要です。
​レールブラケットを延長方向に繋ぐところだけ2本必要になります。
​ビスの本数は根太ピッチによって変わりますので、ここでは説明は省きます。

■TCDSに関する注意事項​​​​​

・TCDS34.5
割り付けピッチ 101.4mm
参考重量    426.51kg(L9.6×W2.4m)
最大破断    10.28kN

・TCDS23.0
割り付けピッチ 102.0mm
参考重量    300.21kg(L9.6×W2.4m)
最大破断      8.42kN
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​・床材は樹脂です。荷台周辺での下記の取扱には十分にご注意ください。
​ また、本製品の周辺に高温になる架装物を配置しないでください。変形、変色、破損の恐れがあります。
​・積荷環境を十分に考慮の上、仕様決定をお願いいたします。ご不明な点に関しては架装会社とご相談ください。
​ 選定誤りによって思わぬ事故に繋がることがございます。
​・本製品は継続的に直射日光に晒される環境での使用を想定していません。基本的に樹脂は紫外線の影響で劣化いたします。
​ 直射日光に対する養生(シートかけ)等しっかり行ってください。
​・本製品の床板は、プラスチック(PS発泡板)素材のため、気温により伸縮が発生しますが、強度的には問題がございません。
・日中の日差しが強い時には表面が熱くなることがありますので、必ず履物をご使用下さい。
・積荷を置く際は、必ず根太上で荷重を受けるようにして下さい。
・重量物を落とさないようにして下さい。衝撃で割れや凹みが発生する恐れがあります。
・材表面を傘等先端の尖ったもので突かないで下さい。破損や変形の恐れがあります。
・本製品は家庭用洗剤等で丸洗いすることができますが、シンナー等の溶剤系の薬剤のご使用はおやめ下さい。床材の表面は溶けて強度が低下します。
・強い衝撃を与えるような、利用は避けて下さい。ケガをしたり製品が破損したりする恐れがあります。
・半年毎程度の割合で徒歩等により異常の有無を目視巡回点検して下さい。形状及び外観の異常(破損)、接合部のガタツキ、隙間、ビス・ネジゆるみ等の点検を行って下さい。
​ 異常を発見し、ご自分で修復が難しい場合には、使用を中止して架装業者にご相談下さい。
・暴風雨や地震等の異常天候後には臨時点検をして下さい。破損や安全に支障をきたす異常がないかを、通常点検に準じて行って下さい。
・表面に小さなクラックが生じることがありますが、製品性能には問題はありません。
・架装時の外気温により、部材寸法に若干の誤差が生じます。
・上記の製品物性値は参考数値であり、保証値ではありませんので、安全性をご考慮の上、架装会社にご相談願います。
・上記の最大破断荷重は、室内25℃、根太ピッチ@450mmでの圧縮破壊試験による弊社基準の実験結果です。

■TCDSの価格

下記の表にTCDSの価格を記載しています。
​価格には消費税や運賃が含まれておりません。
​大阪南港の倉庫からの輸送になり、佐川急便の路線便か小口貨物混載便になります。
​到着日時の指定はできませんのでご了承ください。
​倉庫の対応時間内であれば、お客様ご自身での引取にも対応いたします。