

羊の毛を刈りながら、私は子どもたちにこう説明していました。
「この毛から糸を作って、洋服を作るんだよ」
でも、刈り取った毛は糸になることはなく、牧場の片隅で放置され破棄。
教えていることと、現実が違う。この矛盾に、ずっと心が痛んでいたのです。
「本当にこの毛から糸ができるのか、洋服がつくれるのか。自分の目で確かめたい。そして、子どもたちに嘘をつきたくない。
そんな想いから、国産羊毛コンクールへの挑戦が始まりました。
スピナーの方々との出会い、カバードウールの導入、そして一頭一頭の羊がそれぞれのスピナーさんとつながる今の形へ。
日本では年間40トンもの羊毛が刈り取られながら、その多くが利用されず放置されています。
ジンギスカンやラム肉として食べられる羊の命を、毛まで含めて大切に活かしたい。
経済も、自然も、人も、みんなが幸せになる循環を、羊を通して実現したいと考えています。

国産羊毛コンクールへの出品を通じて、羊毛の品質を客観的に評価。ワラゴミの混入という課題に対し、 カバードウール技術を導入。
羊に服を着せて飼育することで、驚くほどきれいな羊毛を生産できるようになりました。
羊に服を着せて飼育することで、驚くほどきれいな羊毛を生産できるようになりました。
約30頭の羊一頭一頭が、それぞれ全国のスピナーさんとつながり、毎春、丸々一頭分の羊毛を 買い取っていただいています。
これこそが、理想としていた「人と羊の距離を縮める」形です。
これこそが、理想としていた「人と羊の距離を縮める」形です。
金賞受賞した「みつき」ちゃん

みつきちゃんとバディ契約している、編み物講師


放置されてきた国産羊毛を、毛糸やウール製品、セーターなどに生まれ変わらせる活動を展開。
スピナーの皆さんとの協働により、手紡ぎ糸やフェルト作品など、多様な形で羊毛を活用しています。
スピナーの皆さんとの協働により、手紡ぎ糸やフェルト作品など、多様な形で羊毛を活用しています。
輸入に頼らず、地域で循環する持続可能なものづくり。それが、環境にも経済にも優しい 新しい畜産のかたちだと信じています。
みつきちゃんの羊毛で編んだリストバンド
みつきちゃんの羊毛で編んだリストバンド


羊飼いとして日本で初めて挑戦した、ハサミを使わない伝統的な毛刈り技法「ルーイング」。
羊にストレスをかけず、自然な換毛期に合わせて手で毛を抜き取る方法です。
羊にストレスをかけず、自然な換毛期に合わせて手で毛を抜き取る方法です。
この技術により、より動物福祉に配慮した羊の飼育を実践。羊との信頼関係を大切にしながら、 最高品質の羊毛を得ることができます。





