坂本自然農場 穂田琉〈美しい風景をつくる米〉

坂本自然農場 穂田琉とは

〔はじめに〕
40歳の頃、研修で訪れたスイスの山麓農村。その美しい風景に、私は深い感動を覚えました。
しかしそれは、もともと自然のままにあったものではなく、氷河によって削られた斜面の森林を人が伐採し、
放牧地へと変えて築き上げた景観だったのです。
そこには、幾世代にもわたる人々の労苦が積み重ねられていました。
「スイスにおける農業とは何か?」
そう尋ねた私に返ってきたのは、
「農業がなければ、また森に戻ってしまう。」
という言葉でした。
その言葉は、日本における水田の原風景と重なり合い、私の心にこう語りかけました。

――「日本に水田がなければ、農村も失われてしまうのではないか」と。
そのとき芽生えた思いが、美しい風景と米づくりの原点となりました。
そして50歳の頃、父が病に倒れ、私は初めて自らの手で米作りを始めました。
一人で育てた稲が実ったとき、その風景の美しさに心打たれ、米づくりの歓びを実感しました。
そこから、私の米と風景づくりが本格的に始まったのです。

〔坂本自然(じねん)農場の思い〕
2011年、長年勤めた自治体職員を早期退職し、「今こそ潮時」と、米づくりの道へ進みました。
過疎と高齢化、耕作放棄地の増加――そんな時代の波の中、私は山あいの風景に包まれながら、
地域のお世話や地域おこしとともに、米作りに本腰を入れ始めました。

やがて、何気ないと思っていたこの風景が、かけがえのない宝物であることに気づいたのです。
「価値ある米は、美しい風景をつくる。」
この気づきは私の心を躍らせ、米づくり、風景づくり、地域づくりへの没頭が始まりました。
私が大切にしているのは、人は誰のため、何のために米を作るのか、という問いです。
暮らしを立てるため、家族や子や孫のため、先祖伝来の農地を守るため、
地域のため――その思いは人それぞれです。
けれど、それだけでなく私がたどり着いた答えは、
「自然とともに、ただ米を作る喜び」。
その思いを、私は「JINEN(自然)」と名づけました。

〔JINEN(自然)とは〕
「JINEN」とは、“自ずから然らしむ”“あるがまま”という、日本古来の考え方です。
人と自然が共にあるという世界観――天地自然、天地有情。
美しい風景の中では、人だけでなく、小さな生きものや野鳥、畦に生える草々や野の花々、
風や水、土でさえ、いきいきと喜んでいるように感じます。
人の手が入らなければ、たちまちにして消えてしまう、小さな山里の風景。
この喜び、楽しさ、そして安心を、より多くの人々と分かち合いながら、
米と風景を共につくり、守っていきたいと願っています。
〔産地・風土について〕
穂田琉(ほたる)米の産地は、愛媛県東温市河之内にあります。
この地は、四国・石鎚連峰の西麓、標高200〜500mに広がる美しい棚田地帯です。
河之内は、夏目漱石や正岡子規などの文人墨客も足を運んだ地であり、
今も訪れる人々から「美しい里山・河之内」「日本の原風景」と称されるほど、
豊かな自然と歴史・文化が調和した風光明媚な地域です。
山岳、森、滝、渓谷、棚田、四季の花々、俳句の聖地、ほたるの里、歴史ある寺社など、
多彩な魅力にあふれています。
この地を潤す清流は、「東温アルプス」とも呼ばれる山稜の自然林を水源とし、
「白猪の滝」「唐岬の滝」「雨滝」「窪の淵」などの名瀑を生み出しながら表川となり、
やがて重信川へと合流し、松山平野を潤して瀬戸内海へと注ぎます。
穂田琉米が育まれる棚田は、標高約250mに位置し、表川の上流部にあります。
この地域には、旧松山藩の公儀雨乞所であった龍神伝説の地「雨滝(あまたき)」や、
同じ表川の流れにある滝「窪の淵」があり、穂田琉米はこれら二つの滝からの清らかな水
を取り入れて栽培されています。

また、ゲンジボタルが乱舞する「雨滝ほたるの里」、農林水産省が選定する
“つなぐ棚田遺産”「雨滝音田(あまたきおんだ)の棚田」など、
まさに自然と伝統が息づく、稀有な環境のもとで、私たちは穂田琉米を育てています。

棚田の四季を、私の拙い詩「山河」に表しましたので、ご笑覧ください。

山 河
山笑うときには古木可憐な花をまとい
野に新緑眩しく鳥は舞い唄い
人は土を耕し山河の恵みあれと願う
山滴るときには天水田畑を潤し
里に蛍乱舞して涼風鈴を鳴らし
人は稲を育て生きることを愉しむ
山装うときには清水紅葉を照らし
宙さやかにして大地さらに明るく
人は稔りを歓び生かされていることを知る
山眠るときには高嶺厳かに野を見渡し
深淵碧きを増して龍深く眠り
人もまた米作る夢を見て静かに眠る
ああ有難き山河かな

〔穂田琉米について〕
私たちは、自然と調和した自然栽培・有機肥料栽培を基本に、乾燥調製・保管・お届けまで、
「味」「安心」「品質」を追求しています。
現在、自然栽培米2銘柄、特別栽培米4銘柄を栽培しています。

◆ 自然栽培米
〔にこまる〕
米・食味分析鑑定コンクール国際大会金賞。天地自然の恵みと稲の力を生かして育てる棚田米。
ふっくら・もちもち、旨みと香りが広がります。
〔ひのひかり〕
風味と弾力があり、冷めても美味しいしっかりとした味わい。
自然の恵みと稲の生命力を生かした自然栽培の棚田米です。

◆ 特別栽培米
〔コシヒカリ〕
穂田琉米の定番。広葉樹の森と清流、棚田が育む味と品質。甘味・香り・粘りの
バランスが絶妙です。

〔ひめの凜〕
愛媛の誇るブランド米。ひめの凜食味コンテスト最優秀賞。
もちもち食感と華やかな香り、上品な甘味が特徴です。
〔にこまる〕
米・食味分析鑑定コンクール国際大会金賞。
龍神伝説の雨滝からの一番水で育てた棚田米。
ふっくら・もちもち、旨みと香りが魅力です。

穂田琉米の「味・安心・品質」
〈お米の美味しさ〉
・ 棚田米の条件:澄んだ棚田水、昼夜の温度差、谷を抜ける風、日当たりや
土質の良さ。
・ 水環境:広葉樹豊かな森と渓谷が育む、養分・ミネラル豊富な山の水。
・ 粒立ち:病害虫が少なく、粒立ちの良い食感は、この地の風土ならでは。
・ 味わい:ワラ・ぬか・もみ殻くん炭など有機質肥料で土づくり。
・ 切磋琢磨:全国の農家と技術や味を競い合い、品質向上に努めています。
〈お米の安心・安全〉
・ 化学肥料不使用:無肥料または有機肥料のみ(元肥は熊本県産鰹魚粉など)。
・ 農薬削減:自然栽培(農薬不使用)と、特別栽培(除草剤1回のみ)の2種。
・ 環境配慮:ミツバチや小動物、微生物への影響が懸念される農薬は一切不使用(ネオニコチノイド系など)。
化学物質やプラスチック使用も極力削減。
・ 第三者認証:「エコえひめ特別栽培米」認証による栽培監視・残留農薬検査で安全確認。
〈お米の品質管理〉
・ 自然環境・棚田保全、水利施設・ほ場の整備など、栽培環境を整備。
・ 水管理・除草・草刈り・適期刈取りなど、日々の管理を徹底。
・ ゆっくり乾燥、カラー選別機による選別、大粒選別で品質保持。
・ 低温保管・熟成管理により、年中美味しさをキープ。
・ 冷房精米室で精米・保管し、出荷直前まで鮮度を保持。
・ 栽培・乾燥・調製のデータを蓄積し、次の米作りに反映。

〔受賞歴〕
・ 米・食味分析鑑定コンクール国際大会
第22回(R2) 国際総合部門金賞(にこまる)
第23回(R3) 国際総合部門金賞(にこまる)
第24回(R4) 都道府県代表お米選手権特別優秀賞(にこまる)
・ 令和2年度 ひめの凜食味コンテスト 最優秀賞
・プレミアムライセンスクラブ ベストファーマー(コシヒカリ・ひめの凜・にこまる・
ひのひかり)

・第72回(令和6年1月) 愛媛新聞賞(農林水産部門)

〔米と風景の仲間づくり〕
共に米をつくる援農隊「チームhotaru」メンバー募集中!
お米づくりや里山整備を一緒に行う仲間を随時募集しています。農業研修や農作業体験も可能。
お手伝い1回につきお米1kgを進呈。
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