土遊野“Doyuuno organic farm in SATOYAMA”-有畜複合循環型農業と里山体験-

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【土遊野循環記】第3回「土遊野の循環の輪は、木の年輪のようなイメージ」

~ 五感を育てる4月 ~

4月、私の大好きな季節がやってきました!
日本では様々な節目の月、新生活、進学、
そして自分の生まれた月(笑)

里山は茶色い景色に、小さな花や淡い緑の新芽が顔を出し、新芽が芽吹くときの春の香りがあちこちから風に吹かれてきます。

春の鳥さえずり、虫たちの音、耳をすませばいろいろな聲が聞こえてきます。

季節の香りと聲に囲まれているお陰で、嗅覚や聴覚が育まれてきたと思います。

『五感を育てる』

実は私の今年のテーマでもあります。

里山という場所、そして農業という仕事の価値の一つに、この「人の五感という能力を育むこと」あると思っています。

人が成長する場を求め動くこの季節、気持ち躍動する良い季節となりますように。






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\シリーズ「土遊野循環記」/

有機米の栽培と平飼い養鶏を主軸に、 循環型農業を行っていますが、今年は、この循環について詳しくお伝えしていきたいなと思っています。 農業に興味がある方、いつかやってみたいと思う方にはどんどん参考にしてもらえたら嬉しいです。

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前回は「田んぼの始まりは森の用水と先代の想い」というお話をしました。

今回は、土遊野の循環型農業の規模感を、いつも選び、食べて支えてくださる皆さんにもお伝え出来たらと思います。


土遊野の農業は「有畜複合循環型農業」と呼んでいます。これは40年前に、富山で始めた両親の造語ですが、近年はこのような農業が各地で広がっていると思います。

農場の中に「家畜」がいて「複合経営」そして「農場内循環」している持続可能な農業のこと。
サステナビリティという言葉が日常に現代にはイメージしやすいのではないでしょうか?!


ちなみに、今年の土遊野の農業は、田畑合わせて40ヘクタールを耕し、平飼い養鶏は採卵鶏と肉用鶏を合わせて2000羽程がいます。

私が就農した13年前、2010年は8ヘクタールの田畑と1200羽の鶏を育てていましたので、この10年でゆっくり木の年輪のように大きくなってきたなぁと実感しています。


農場の循環(会社の経営規模)が大きくなっていくことは分かっていました。

農村には「高齢化」の現実がすぐ目の前にあったからです

(↑雪が解け草のない今の時期だけ見られる、昔の棚田の跡)


2010年4月土遊野に就農したとき、同じ棚田で兼業農家さんが5人ほどいてくれました。

平均年齢は65歳ほどでしたのでこの先輩たちの後は私達が引き継ぐのだろうと予測できましたし、その通りになっています。


田んぼの面積が増え、土遊野ではそれまで研修生やボランティア主力だったのですが、正社員としてスタッフを迎え、通年安定した仕事を増やすため養鶏も少しずつ増やしました。


それに合わせ販路を拓いていきました。
このバランスがいつもよかった訳ではありません。
農業の難しいところです。
1000万するコンバインやトラクターの更新、それに見合うオペレーターの育成、売上増加しても次の先行投資がまたやってくる。
数字だけ見ていたら厳しい苦しいと思っていたかもしれません。


でも、両親の代から土遊野はずっと「農場内循環」を大事にしてきていました。
なるべくエサを自給する、堆肥は鶏舎の自前のものを生かす、そしてなるべく原価を割らない価格でお米や卵を直売する。
割れた卵もシフォンケーキにいかして販売する。
最後は鶏のエサか土の堆肥に還すけれど、なるべく活かす方法を模索するしてきていました。

(↑規格外キウイを使ったキウイソルベ試作中)


例えばケーキを作るのは農家の仕事ではないから、プロに託すという選択もあったと思います。
でも、規格外と呼ばれる農産品がほとんどお金にならないことを、農家はよく知っています。z


価値を低くするのも、価値を高めるもの、市場ではなく私達生産者自身であると私は両親から教わりました。

こうして菓子加工部門をつくり価値を高め、また新しいスタッフに力を貸してもらい…、今の循環規模に至ります。


農場内循環には身近な地域との循環もはいっています。
次回は、地域との循環型農業について、もう少し詳しくお話します。



本日のおすすめ商品

【無添加調味料】里山お米の本みりん 300ml・500ml

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富山を代表する酒蔵桝田酒造店さんに土遊野の有機棚田米イセヒカリ100%で醸していただいた、お米の旨味と香りが楽しめる日本酒です。
今年の新酒も無事に美味しくできあがりました。
ぜひご賞味ください。
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