プラタナス学習塾・家庭教師

mail magazine backnumber

メールマガジン バックナンバー

サルは魚である。魚は川で泳ぐ。だからサルは魚である。危ない論理崩壊

こんにちは。

今回は発達個性がある子の考え方の理解を深めるために

少し論理のお話をご紹介します。

難しくないのでご安心ください。

彼らの思考回路は多くの場合、これからご紹介するようなイレギュラーな組み立てを行っています。

その組み立て方を見ていくと、

なぜ腹を立てたのか
なぜそんなことを突然言い出すのか

理解につながるかもしれません。


ところでタイトルの

「サルは魚である。魚は川で泳ぐ。だからサルは魚である。」

こちらは納得できましたか?

おそらく納得できない方がほとんどだと思います。

なぜなら「サルは魚ではない。」からです。

ところが

「ではこれは論理的に正しいか」

と問われればいかがでしょうか?

「ニジマスは魚である。魚は川で泳ぐ。だからニジマスは川で泳ぐ。」

これは納得できますね。

だからサルの文章も論理的に正しい。


では、こだわりがある子たちの論理がどうなっているかをここから見ていきます。

こだわりがある子たちは

「論理的に正しい」と言われても納得できません。
なぜなら
「サルは魚ではない」にこだわるからです。

いくら言われても納得できないのです。
結果として
「違う!!サルは魚じゃない!!!」と言い続けます。


それは納得できない、というより論理的に正しいということが分からないから。

じゃあ、どんな回答が必要になってくるかというと

分からないあなたが悪い。

のではなくて

視点をずらすんです。

納得できないのは
「論理的に正しい」ということです。

でも
「科学的には正しくない」

そして彼らがほしいのはこの共通理解です。

「科学的には正しくないんだけどね。でも論理ってこういうことなの。あくまで目の前の文章から忠実に判断することなんだよ。」

これが共通理解です。
もしくは共感。

では分散思考の子たち。落ち着きがない子たちの視点はどうなるかというと

「サルが魚ならコアラも魚、ラクダも魚、み~んな魚じゃん!じゃあ全部魚。」

みたいになります。

これが思考の分散です。

つまり、たくさんのことを思いつくけれどそれが結果的に正しくはないことが多い。

あるいは結論が出たらすぐにそれを結論と決めつけてしまうため、

「そこに至るプロセスを指摘されるのがしんどい」

ということになります。

だから逐一

「この問題の意味は何だと思う?」とか
「サルは魚でもラクダが魚だとは限らないでしょ??」

のようなことを指摘されても

「何言ってるの?」となります。
なぜなら結論で「すべて魚。」と出てしまっているから。

こうならないためにも、プロセスの1つ1つにフォーカスする練習が必要になってきます。

いわゆる継次処理という能力です。順を追って処理していく力ですね。


・大人はどうしたらいいか
こうした理解の仕方だから、大人の考える普通の論理は通用しません。
かといってこうした論理をそのままにしておいていいかというとそんなこともありません。

大人になるにつれて自律的な考え方を強く持つようになりますからね。
特に心情として受け入れづらくなってきます。

だから発達個性がある子たちにとっては小学生からの論理トレーニングは大事です。

世の中を正確に理解するためには多少なりとも共通の理解と、正しい論理的な考え方が必要になってくるんです。

ただ、通常の国語の論理トレーニングとはちょっと性質が異なります。

通常の国語の論理は
主語述語からはじめ、話の対比構造や構成を理解したりします。

でも、

彼らはそれよりも

「正しい論理」を正確に習う必要があります。

弊社では通常の国語の他のフォイヤーシュタインという論理トレーニングを合わせて実践しています。
興味ある方はどうぞお問い合わせください。
https://kouyusya.com/contact/

メールマガジン バックナンバー

過去にお送りしたメールマガジンをバックナンバーとして公開しています。

メルマガを購読する