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[ケーススタディ]総合IQ90の落とし穴。勉強についてけず授業に参加できなくなってしまった子。

こんにちは。


7月に入りすっかり夏らしくなってきましたね。
波乱の5~6月を終えて夏休みが近づくにつれ、子どもたちの気分も少し楽になるようです。
今から夏休みが待ち遠しい子は多いのではないでしょうか?

さて、本日のケーススタディです。

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小学5年生
男の子
総合IQ 90

真面目で勉強したい気持ちはあるものの、次のような特性があるとのことでした。

・文字を読み続けているとすぐに疲れてしまう、気持ち悪くなってしまう
・授業を聞いているはずなのにまったく頭に入ってこない
・性格はおだやかで真面目
・コミュニケーションは普通に取れる
・国語の文章で最初のほうは覚えているけれど、後半は覚えられない、内容が分からない

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この子については

読み障害・読み困難の可能性を念頭におきつつ
「授業中、要点だけを絞ってもらい他の情報が入りにくいようにする。例えば耳栓で視覚だけに限定するなど」
と、アドバイスさせていただきました。

その経緯をご紹介します。

まず行動から考えられる

脳の活動パターンを推測してみます。

まずはじめに

【IQ90あるが勉強はできない。】

このことを見たときに、「合計は90あるけれどきっとアンバランスなんだろうな。」というように考えます。
不勉強の可能性もありますが、まじめですからね。復習などもできるかぎりやっていたようです。

では、どのようなアンバランスがあるのかというときに次の2点を検討してみます。

・文字を読み続けているとすぐに疲れてしまう、気持ち悪くなってしまう
・授業を聞いているはずなのにまったく頭に入ってこない

このとき

処理速度かワーキングメモリのいずれか、または両方が他に比べて弱いのかもしれない

と考えることができます。

処理速度がゆっくりだと
・文字を連続して読むのに時間がかかる
・情報をキャッチしてから理解してアウトプットするまでに時間がかかる、もしくは少なくなる

いっぺんに処理できる量が少ない中で大量に情報を与えられると脳が思考停止しまうイメージです。

次に
ワーキングメモリが低いと
・集中力が続かない
・同時にいくつものことを処理できない
・1つのタスクを終えるまでに必要な情報を保持しておくことができない


こうした処理速度とワーキングメモリが低いんじゃないかなと仮説を立てることができます。

ということでその子の脳の処理パターンは
○━●━━○━━●━○
情報を制限して
キャッチしやすくし、
処理できる範囲で
1つずつ順を追ってこなしていく
○━●━━○━━●━○

このスタイルが一番合っているんじゃないかと思います。

読み障害の可能性もありますから無理やり読ませるのはNGです。

とはいえ

ずらっと並べられた情報を他の子と同じように読むのは
なかなかに酷です。

さらに聴覚と視覚の両方から「見て聞いて書いて」を必死にやっていたのだとしたら

耳からの処理に限定してみたり
あるいは視覚に限定したみたり

することで糸口が見つかりそうです。

ということで今回は聴覚を限定して

「授業中に具合が悪くなったら耳栓をする」

というように
アドバイスさせていただきました。

ここまで見えてくると
国語や算数の問題の進め方もおおのずと見えてきます。

大事なのは
○━●━━○━━●━○
情報を制限して
キャッチしやすくし、
処理できる範囲で
1つずつ順を追ってこなしていく
○━●━━○━━●━○

このことに本人が気づき、
自信を取り戻してチャレンジできるように

なってくれると嬉しいですね。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。


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