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自閉症の子は衛生観念が身につきにくい?「自分こそが正しい」絶対思考
自閉症のお子さんの中には衛生観念が身につきにくい子がいます。
☑何度教えても身につかない
☑身だしなみを整える理由を理解してくれない
☑思春期になるといっそうひどくなった
身だしなみに気を使えるのは客観的に見て「清潔感があるかどうか」が大事ですよね。
ただ、中には多少の汚れを気にしない子や髪がぼさぼさでも気にならない子がいます。
衛生観念を持ちづらい理由の1つとして
相対性、つまり
「客観的に見て自分がどう見えるか」の意識が薄い
ことが理由になっている可能性があります。
もともと
「自分はこうだから相手も同じだ」
と、自分軸で物事を理解しやすい傾向にあるため
衛生観念も「自分が良ければ大丈夫。」
と思ってる可能性があるのです。
僕は自閉症のお子さんについては「予防的ケアが大事」
と考えていますが、衛生観念も同じことが言えます。
それは思春期に差しかかって自己管理するようになってきたときに、
衛生観念が崩れて清潔感を失くしてしまう可能性があるからです。
そうならないためにも次の3つのことを試してみてください。
①なるべく分かりやすい図を見せて違いを示す
例えばきれいな歯とそうでない歯を写真やイラストで見比べてもらい、どちらが自分にとっていいかを早いうちから選択してもらうようにしましょう。
身だしなみも同じです。
「それは昨日と同じ服でしょ!」
と言われても
「なぜダメなのか?」が分かりません。
あらかじめリストやイラストでイメージを持たせられるのが良いです。
②ポジティブに声をかける
発想がネガティブになりやすい場合は特にですが、理由付けがポジティブであることのほうが誘導がうまく行く可能性が高まります。
「なぜお風呂に入らなきゃダメなのか?」と聞かれたときに
「だって汗かいて汚いじゃん」
と言われても納得できないことがあります。
それよりも
「そのほうがさっぱりして気分よくテレビ見れるよ」
のほうが納得してくれる可能性は高まります。
もちろん、子どもは思うようには動いてくれませんから
このような伝え方をしても「あとで」と言うこともあるでしょう。
仏の顔も三度まで。
この間はなるべくポジティブな声かけが大事です。
③外から見た自分をイメージさせる
外から見た今の自分のイメージを作るとき「今の自分はどうみられてると思う?」という質問は
想像がつかないためあまりおすすめしません。
それよりも
今の身だしなみの様子を1つずつ説明し
これから起こりうることを具体的に説明し、
そのうえで
「そんな自分をどう思う?」と伝えるほうが効果的です。
ただ、この方法は子どもにやや恐怖や不安をあおる
ことにもなりかねません。
実践するときは
「じゃあ、今から外から見た自分を冷静に見てみようか。」
と伝えるようにしてください。
また、伝え方も
「ほら、ここもこんなに汚れて!どう思う?」
というのは不安をあおる形になってしまいます。
そのときは
「ここに汚れがあって外から見ると『どうしたんだろう?』と気になってしまいます。自分がそういう人を目の前にしていたらどう思う?」
のように、伝えてあげるのが良いですね。
③はもしかしたら
「いや、別に。」などと返してくることもあるでしょう。
ただ、①と②は衛生観念を育てる意外であっても活用できます。
特に思春期になれば生活を自己管理するようになります。
そのときにすべてを任せてしまうとどんどん清潔感が失われていってしまうこともあります。
そうならないためにもあらかじめ
「しばらくは任せておく。でも、いざというときはしっかりと言うからね。」
など、言葉やメモで伝えておくことが大事です。
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