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知覚推理が苦手だと兵十は悪者になる?〜知覚推理とごんぎつね〜

おはようございます。
最近、生徒の教科書にごんぎつねが出てきて懐かしくなった水野です。

ご存じですか?
いたずら好きの狐のごんが心を入れ替え、兵十にせっせとご飯を運んでいたら、それをいたずらしにきたと勘違いした兵十がごんを撃ってしまう切ないお話です。

思わずじっくり読みたくなるほどでした。


さて、今回はテーマを知覚推理に絞ってお伝えしています。

◇知覚推理とは

「目で見た情報から推理し、論理的に考えて背景や場面を理解しようとする力」でした。

それでは実際に知覚推理が苦手だとどのようなことが起こるのか
、まずは国語から見ていきましょう。

まずは思い出してみてください。

国語の物語文があって読み進めていきますよね。

読み進めていくうちに心情を表現する場面があったとき

何が起こるかというと

「推論する」という機能が働くんです。

ごんぎつねの最後にはこんな場面があります。

「ごん、お前だったのか。いつも栗をくれたのは」
 ごんは、ぐったりと目をつぶったまま、うなずきました。
 兵十は火縄銃をばたりと、とり落しました。青い煙が、まだ筒口から細く出ていました。

この文を読んだときに「かわいそうなことをした。取り返しのつかないことをした」という兵十の気持ちを想像すると思います。

でも、そんなこと書いてませんよね。

このときに推論という機能が働いているのです。

段階を追うと


☑兵十はごんが罪滅ぼしとしてご飯を運んでいたことを知らない
☑相変わらずごんはいたずら狐だと考えている☑ごんは罪滅ぼしでせかせかと兵十にご飯を運んでいる
☑最後の場面で青い煙が出ている(これは切ないイメージがある)

本当はもっと細かい推論が働くのですがざっとこんなところです。

するとこの推論が働かずに最後の場面だけ見る。そしてそのセリフだけを見ると

「兵十は悪い奴」というような判断が下るんです。
(実際にあった回答です)
*物語の解釈は人それぞれです。

いかがでしょうか?知覚推理に苦手さがあると国語ではこのような解釈違いがよくあるのです


それでは今日はこのへんで。

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