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【ヒンナだより 2022年第6号】たまにはハートフルな話を・・・
こんにちは!ヒンナファームの山崎雄介です。
さる3月29日、ヒンナファームは開業2周年を迎えました。
何も無いところからのスタート。しかも誰もが口を揃えて無理と言う稲作での新規就農。
想いひとつで走り続け、次第に共感してくださる方が増え、今こうして3年目を迎えることができました。本当にありがとうございます。
今回のメルマガは、妻がいつか掲載したいと書き溜めておいたエピソードをご紹介します。
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本号のトピック
◆食べ物にまつわる物語「おにぎり」
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◆食べ物にまつわる物語
『おにぎり』
ある日曜日のお昼ご飯は、うちでおにぎりでした。
長女・璃子が専用のカンナで鰹節を削り、それを入れておにぎりを握ってくれました。
もちろんお米はヒンナファーム産ゆめぴりかです。
私が作るよりもふわっとしていて、ちょうどいい握り加減と塩加減。削りたての鰹節のいい香りもごちそうです。
食後、お客様から一件のメールが。
前日に送ったお米が届いたという、Sさんからのご連絡でした。
Sさんは私の母の幼なじみで、ヒンナファームのお米を気に入って下さり定期的にご注文を頂いている方です。
「無事届いて安心致しました。
今日我が家のお昼は璃子が握ったおにぎりでした。」と送ったところ、すぐにこんなご返信がありました。
「昔、お正月に景子ちゃんのお母さんのお家にお呼ばれして百人一首をしたのです。その時に景子ちゃんのおばあちゃんが作ってくれたおにぎりの美味しさは今でも忘れられません。璃子ちゃんも受け継いでいるのですね。」
それを読んですぐに、華やかな晴れ着を着て百人一首に興じるおかっぱ頭の母たちの姿が目に浮かぶようでした。
私の祖母は、私たちが長沼に移住した1カ月半後に亡くなりました。
最期まで、美味しいものが大好きな祖母でした。お料理上手で、昔から和洋中なんでも美味しく作ってくれました。特に北海道の郷土料理であるニシン漬けが得意で、晩年身体が自由にならなくなってからも、母と叔母に指示して作っていました。「同じレシピなのに、お母さんの作った味とどこか違うのよね」と母は呟いていました。
時々祖父母の家に預けられたりして小さい頃から身近な存在だったので、一緒に美味しいものを食べた記憶が沢山あります。祖母がおにぎりを作ってくれたことはきっと何度もあったでしょう。
それでも、私には祖母におにぎりを作ってもらったという鮮明な記憶がありませんでした。
祖母が亡くなったのは就農前だったので、我が家のお米を食べてもらうことは叶いませんでしたが、Sさんのおにぎりの記憶が娘と私と祖母を繋いでくれました。
おばあちゃん、私もいつか誰かの遠い記憶にも残るようなお料理が作れるかな。
食いしん坊なのは血筋だね。
おばあちゃんに璃子の作ったおにぎり、食べてもらいたかったよ。
お米が大好きな子どもたちを見ながら、心の中でそんな風に祖母に語りかけました。
景子
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私たちのつくったお米が、お客様の大切な人生の1ページに登場しているかもしれない。
そのときの記憶が「美味しかった!」というものになるよう、これからも美味しい米づくりに精進していきます。
最後までお読みいただきありがとうございました!
山崎雄介
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