amiさんちの手しごとアトリエ

mail magazine backnumber

メールマガジン バックナンバー

2021夏の子ども陶芸教室が終わりました

 「むつみ陶房」恒例の「夏の子ども陶芸教室」が無事終了しました。長引くコロナ禍の中、感染予防対策を実施しながらの取り組みでした。当初は実施すべきかどうかも悩みましたが、本来楽しいはずの夏休みなのに、旅行も行けない、お盆の帰省も出来ない、海も山もダメ、プールもBBQも自粛…といった規制ばかりの夏休みに、少しでも思い出作りに役立てば…の思いからの決断でした。(オリンピックはやるのだからやって当然…の思いも…)

 実施することを周知したところ、何と昨年よりも多い71名もの参加希望がありました。
親御さんにしてみれば、規制だらけの夏休みに陶芸教室をやってくれるのなら…の思いが
強かったのでしょう。

 主宰者側とすれば、参加者が多いことは嬉しい反面、3密を避けていったい何回教室を実施したらいいのか? 作品数が増えれば1回の焼成で賄えるのか? の懸念が直ぐに湧き上がってきました。あれこれ検討した結果、今年は「作る」の教室と「絵付け・釉薬掛け」の教室を人数制限してそれぞれ10回開催、焼成は素焼きと本焼きでそれぞれ2回ずつ実施ということに決めました。やはりそれが正解で、今年も参加者が一人平均9~10個の作品を作ったので、素焼き・本焼きそれぞれ1回では到底賄えなかったところでした。

 参加者にとっては「作る」と「絵付け・釉薬掛け」のそれぞれ2時間の体験が全てですが、これは焼きもの作りのごく一部のメインの作業です。
 教室開始前からの土捏ね、釉薬溶きに始まり、「作る」教室の開催準備、「作る」のポイント指導、作った作品の底の削りと名前入れ、作者毎の作品の数の確認と写真撮り(誰の作品かを照合するうえで重要)、素焼きの窯詰め、素焼焼成(800度)、窯出し(3日後)、作品チェック、作者毎の作品分け、全作品の底に撥水剤を塗布(釉薬がつかないように予め専用の薬を塗っておく)、「絵付け・釉薬掛け」教室の準備、「絵付け・釉薬掛け」のポイント指導、「釉薬掛け」のフォロー、施釉後の作品底の釉薬落とし(これをしないと焼成で溶けた釉薬が棚板とくっついて作品が取れなくなる~前述の撥水剤の効用である程度はこの作業が軽減される)、本焼きの窯詰め、本焼き焼成(1240度)、窯出し(4日後)、作品チェック、作者毎の作品分け、必要により作品研磨(釉薬の突起箇所、ガサツキ箇所の研磨)、お渡し準備、作品引き渡し…。
 陶芸作品ができるまでにはこのように多くの工程があり、それに伴う作業もかなりの労力を要し、時間がかかります。というわけで、7月~8月は長丁場で「夏の子ども陶芸教室」にほぼほぼかかりっきりでした。

 さて、2回の本焼きが無事終わり、8月28日から作品の引き渡しが始まりました。待ちに待った?…であろう受取り日、子どもたちの弾ける満面の笑顔を見て、素直な歓声を聞くと、それまでの苦労が報われる瞬間です。
 自作の作品を前に目をパチクリさせる子、得意気に両親に作品解説をする子、来年は〇〇を作るんだと気の早い子…喜びの表現は様々です。こうして、すべてがこの瞬間のために…といった2ヶ月間がようやく終わろうとしています。
 ひやひやしたりハッとしたりと危なっかしい事も多々ありますが、今年も子どもでないと作れないもの、子どもでないと表わせないものを見せてもらい、子どもの自由な発想、子どもならではの感覚に、毎年のことながら刺激をもらいました。
 「夏の子ども陶芸教室」の無事の終了に安堵するとともに、子どもたちに忘れかけていた素直な創作意欲を搔き立てられているところです。

 さあ、来年はどんな作品ができるかな? 来年も楽しんで作ろうね!

メールマガジン バックナンバー

過去にお送りしたメールマガジンをバックナンバーとして公開しています。

メルマガを購読する