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【江戸の誘惑】半玉と芸者

【江戸の誘惑】第一四〇号 2021.10.13
辛丑 九月八日 宵月

寒露(かんろ)

次候:菊花開(きくのはなひらく)
菊の花が開く時期です。

明日は重陽節。
旧暦で9月9日。
陽が重なる忌日です。

厄を払うために穏の座では菊酒をご用意しております。
どなた様も一杯目はふるまいでお召し上がりいただきます。
https://onnoza.com/bar/chouyou2021/

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昨日お送りしたメルマガに間違いがございました。
「まめ夏 一本のお披露目会」
開催日時は2021年11月6日(土) 17時です。

6日です!

すでにお申し込みをいただいているのですが、
5日(金)だと思ってたーという方はキャンセル受け付けます。
申し訳ありません。
お申し込みいただいた方には個別にご連絡いたします。
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さて、気を取り直して。

「半玉」とは。
はんぎょく、と読みます。

京都で言うところの「舞妓」に当たる、東京での呼称ですね。
東京は東京の慣わしがあり、
これも江戸時代から続くシステムです。

芸者の仕事に対する給金を「玉代(ぎょくだい)」と申します。
玉とは美しいもの、貴重なものを表す言葉ですので、
芸者を玉のようなものとして扱ったということですね。

他の言い方としては「花代」「線香代」とも。

江戸時代は時計が普及しておりませんでしたので
線香1本が燃え尽きるまでの時間を1つの単位としておりました。
1本が約20分。

今、皆様がお仏壇などで使う線香は短寸といって10センチほど。
ここでいう時間単位の線香は長寸で20センチ前後です。
といっても店によってまちまちだっと思いますけど。

これ起源として芸者の揚げ代(料金)を線香代というようになります。
そして、芸者のことを「1本」と言うようになるのです。

では、半玉は?

半玉は芸者になるための登竜門というわけではありません。

芸者になるには芸者置屋に入って「お見習い」。
→お披露目をして「芸者」です。

戦前まではこのお見習いに入るのが9歳か10歳くらいでした。
お披露目をして芸者になるのですが、さすがに9歳は子供です。
芸事もまだまだ簡単なことしたできませんし、
お酒のお相手もままなりません。

そこで、芸者として働きに出たばかりの子供たちを「半玉」といいました。
子供で、1本の芸者のようには働けないので玉代が半分。
だから「半玉」です。

現在は半玉といえども玉代は芸者と一緒ですよ。

意味合いとしては「半人前」というよりは「子供」といったところでしょう。
半玉という他にも江戸では「お酌」とも言いました。
お酌しかできないから、お酌さん。

ちなみに「舞妓」は舞しかできないから「舞子」です。

半玉は子供らしく振袖で、髪型も桃割。
とにかく子供ですからかわいらしいのが身上です。
16歳くらいで1本の芸者に上がりました。

戦前までは子供だった半玉ですが、1948年の
風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)の
施行によって18歳未満では働くことができなくなってしまいました。
ですので、現在では半玉は18歳からです。
満18歳にならないとお見習いに入ることもできません。

半玉はになれるのは最も早くて18歳から。
そして、年齢がいくつとは決まっていませんが、
半玉は子供という設定ですから子供に見えなくなってきたら
半玉は卒業。
一本の芸者に上がります。

今は、短大や大学を卒業してから、もしくは社会人になってから
あらためて芸者になる人がほとんど。
年齢から言って最初から芸者になることが多い。
東京の半玉はとても少なくて貴重な存在です。

半玉ができる期間はとても短いにも関わらず、
衣装も髪飾りも何もかも芸者とは違います。
半玉用に作らなければなりません。
芸者の衣装は辞めるまでずっと使えるので、
それを考えると半玉にはならないで芸者ということもある。

東京は京都と違って半玉だと仕事が少ないとまで言われました。

その中で、まめ夏ちゃんが半玉で出てくれたのは
本当に嬉しゅうございました。
かわいい半玉さんを私たち姉芸者も堪能させてもらいました。

そのまめ夏ちゃんが一本に上がる。
感無量です。
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塩見文枝のオフィシャルページ
(イベントのご案内はこちらが一番早くて網羅しています)
https://shiomi-fumie.com/official

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まめ夏 一本のお披露目会

■日時:2021年11月6日(土) 17時おはじめ
■料金:33,000円(税込)
    お食事、お飲物、芸者玉代
    お披露目の祝儀を含みます
■会場:四谷荒木町 和文化サロン「穏の座」
    新宿区荒木町3番地フォレストビル2階
    ※丸の内線四谷三丁目駅より徒歩3分
    080-7884-2597
    yoyaku@onnoza.com
■定員:12名(最小催行人数6名)

チケットはこちらから。
https://ticket.tsuku2.jp/eventsDetail.php?ecd=11102059002112

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「日本を知る、江戸に遊ぶ」をテーマにつらつらとお話ししたいと思っております。

そうそう、以前書いていたブログ「美しく年齢を重ねるための習慣」も
たいして書いてはいないのですが今だに読んでくださっている方がいらっしゃるので、
ここに書いていたようなことも話題にしてみようと思っています。
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本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。
多くの方に支えられて過ごす、この一日に感謝して本日の「江戸の誘惑」をお届けします。

塩見文枝
一春本ふみ香
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