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クラフトルームHAKATA 【貴金属について・その2】
クラフトルームHAKATA 【貴金属について・その2】
前回のメルマガ以降、急に秋らしくなってまいりました。
朝晩は虫の音が心地よいですね。
さて、前回は貴金属のについて書きましたが、
今回は純度=品位(1000分率で‰パーミルと読む)によって呼び方や割金(わりがね)が違うということを書きたいと思います。
まず、シルバーですが、
純銀・ファインシルバー 999‰以上の高品位
業界用語で「さら(更)」と呼びます。
足銀 990‰
ブリタニア・シルバー 958‰ 銅42‰
スターリング・シルバー 925‰ 銅75‰
コイン・シルバー 900‰ 銅100‰
四分一(おぼろ銀)伝統工芸に用いられる素材で、銀対銅が1対3。
伝統工芸について書く機会がありましたらまた掘り下げて書かせていただきます。
ゴールドは、
純金のことを業界用語では「やき」と呼びます。
純金・ファインゴールド・フォーナイン 999.9‰の金。
足金、支那金 990‰
金には、多彩なカラーバリエーションがあります。
すべて割金の配合によるものです。
種類が多いので、一般的なK18(750‰)に関して言えば、以下のようになります。
赤金(250‰の比率が 銀2対銅8もしくは銅がそれ以上)
青金(250‰の比率が 銀8対銅2もしくは銀がそれ以上)
グリーン・ゴールド(青金と同じ)
イエロー・ゴールド(銀対銅が6:4/青割 5:5 4:6/赤割)
ピンク・ゴールド/ローズ・ゴールド(銀3:銅7)
ホワイト・ゴールド(250‰の中にパラジウム・プラチナ・銀・銅・亜鉛・ニッケル用途により)
銅が多い赤・ピンク系のゴールドは、粘りがなく割れやすいので、サイズ直しが出来ない地金として認識されています。(割れたり色の違いが大変なので。)
ホワイトゴールドはロジウムメッキを施すので、色の差はピンクほど気にされていません。
比率で数字を表しましたが、メーカーによって微妙な配合があり、「割れにくいピンク」
「黄味のない(もしくは暗くない)ホワイト」など、それらの割金比率は企業秘密となっています。
プラチナの場合は、硬さを出す為の工夫がなされてきました。
一般的な900は、鋳造では柔らかく、ルテニウムを加えた硬化プラチナが開発されたり、純度を上げてさらに硬くするための割金、手作り用・鋳造用などなど。
金具やチェーン用などは、特に耐久性を出すために割金も工夫されています。
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色々な地金の種類があることがお分かりいただけたかと思いますが、
自社製品ではない場合、それぞれの配合が不明、制作段階でのロウ付け(溶接)により品位(純度)が下がる、などの理由もあり、預かり地金をそのまま再利用して使うことはほとんどありません。
出所が解っているもの、鋳造のもの、加工されていないものは再利用することもありますが、ほぼ、貴金属精製(科学的に純粋な状態に戻す)を行い、新しい地金を使うことをお勧めします。
お客様からの預かり地金を一旦、下取りするのは、上記の精製のためであり、手数料としては2割~4割(状態により。チェーンなどロウ目の多いものは低くなる)を頂くのが一般的です。
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教室に、一般社団法人日本ジュエリー協会発行「ジュエリー及び貴金属製品の素材等の表示規定 2017(平成29)年度改訂版」2018年3月発行があります。
ご覧になりたい方はお声をお掛けください。(注文取り寄せも可能ですが送料がかかります)
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井手千亜紀