香道・茶道 : 和ごころ本舗  さそら

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乞巧奠(きっこうでん)のお話

こんにちは。梅雨らしい長雨が続いている関東ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
和ごころ本舗 さそら の村嶋よしえです。

六月末に夏越しの祓えがありました。
半年の穢れを祓うというものでしたね。皆様は祓えましたか?
七月に入り、今年の後半に突入いたしました。

今回は七月ということで、乞巧奠のお話です。
あまり聞きなれない「乞巧奠 きっこうでん」という言葉ですが、いわゆる七夕のお祭りのことです。
では、七夕は何のお祭りなのでしょうか?
織姫と彦星の一年に一度の逢瀬の日というだけではありません。
短冊に「一億円が当たりますように」と書いて、笹につるしてお願いごとをするというだけでもありません(笑)

七夕は習い事の成長を祈る日なのです。
乞巧奠とはその字のごとく、巧を乞うための供え、ということですね。

乞巧奠では、乞巧棚というものにお供え物を飾ります。
神様にいろいろなものをお供えいたします。
箏、琵琶、硯、針と糸、布、秋の七草、蓮の花、鯛、鮎、鮑、芋、栗、瓜、茄子、桃、梨などなど。。
箏や琵琶は楽器がうまく弾けるようになりますように。
硯は書がまく掛けるようになりますように。
針と糸は裁縫が上達しますように。
布はうまく機織りができますように。昔は生地も織るところからですからね。
食べ物は供物です。こんなものが取れましたので、お召し上がりくださいと。
そして忘れてはならないのが、梶の葉です。
梶の葉も飾ります。たくさん飾ります。梶の葉の裏には文字が書けるので、これまた、文字がきれいに書けるようにとの願いからです。

これだけの飾り物をしつらえて、さらにまだ準備するものがたくさんあります。
乞巧奠のお祭りは、準備だけでも大変なことなのです。
これを毎年公開でなさっているのが、冷泉家です。京都の同志社大学の一角にございます。冷泉家のお宅で公開なさっております。
天皇家も毎年なさってらっしゃいますが、公開はしておりません。

香道桜月流は二年に一度宗家主催で、乞巧奠のお祭りをしております。
それはそれは綺麗なお祭りです。
日暮れ時から始まり、星の輝くころまで。
まずは神事から、和歌の披講、香席、宴席、お茶の接待と、盛りだくさんです。
神事と披講はろうそくの明かりの中で粛々と行われます。とても神秘的な光景です。
お香席は七夕にちなんだお香の遊びをいたします。
宴席にはおいしいお凌ぎとお酒がふるまわれます。
お抹茶にはその季節の和菓子が添えられます。
そして、最後に棚に上げられた供物を、お下がりとしてお土産に頂いて帰ります。
なんと贅沢な会でしょう(笑)
しかも、一人一つという制限はないので、鯛も鮑もと、欲しいものをいただけます。
食べ物とお花だけですけどね(笑)
(箏や琵琶、反物などはお持ち帰りはできませんのでご容赦くださいませ。)
まあ、取り合いになるようなことは今まで一度もなかったので、お客様も品の良い方ばかりです。

今年は実はその乞巧奠の年なのですが、重陽の節句のお祭りが大きなものになりましたので、来年に持ち越されたようでございます。
もし、興味がございましたら、行ってみたい!!と村嶋までお声掛けください。
来年、ご案内いたします。

ちなみに、笹の葉に短冊をかけるのは、なぜかご存知ですか?
どんな木よりも、竹の成長が早いので、早く願いが天に届きますように、との願いが込められているといいます。
昔の人は本当に賢いですね。

さあ、今年はどんな願い事をしましょうか。

私は、昨年始めた箏がなかなか上達しないので、箏の上達かなぁ。。
毎年、「世界平和」と書いていたのですが。。(笑)

今月20日(土)に我が家で、この乞巧奠のお話に加え、桜月流の乞巧奠の会の写真などもお見せしながら、七夕にちなんだお香で遊んでいただこうと思っております。

香道は敷居が高くて。。と、思っていらっしゃる方、一度体験してみてください。
私のお香の会は、笑いの絶えない、おしゃべりも写真もあぐらもオッケーの気軽な会でございます。
(あ、他所の会では、おしゃべりもあぐらも禁止ですので、お気を付けくださいね。)

ツクツクの「和ごころ本舗 さそら」で当日払いのみのチケット販売をしております。
https://tsuku2.jp/events/eventsDetail.php?ecd=27910258100507

これからは不定期ながら、日本のあれこれをメルマガに載せていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

長い文章、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
夏風邪が流行っているようです。
皆様、どうぞご自愛くださいませ。

では、ごきげんよう♪

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