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香道は、香りをメインに遊びます。
昔は嗅覚を意識して生活していたはずなのに、最近は賞味期限などのせいで
嗅ぎ分けないでよくなったりしていますよね。
でも、知らないうちに匂いで判断していることもあります。
好きになる異性のかおりがまさしくそれです。
思い出も匂いと強く結びついていたりします。
もっともっと古くてDNAに刻み込まれているような、和の香り。
懐かしいような、どこかで嗅いだことのあるような、幸せな気分になる、いにしえの和の香り。
そんな香りの世界について、少し説明をいたしましょう。
香道とは、香木(香りのする木)を小さく切ったものを温めて揮発させて香りをたたせ、
その香りを楽しむというものです。
香りは「嗅ぐ」とは言わず、『聞く』と言います。
香りを聞いて楽しむ「聞香」と香りを覚えて当てる「組香」があります。
えび香やにほひ袋、文香や練香を作ったりもします。
流派は大きく分けて二つ 貴族の御家流と武家の志野流。
私の属する「桜月流」は御家流でございます。
香道で使う香木は『沈水香』とも言われ、六種類です。
ジンチョウゲ科アキラリア属で、六種類は全部同じ木です。
「キャラ ラコク マナバン マナカ サソラ スモンダラ」
不思議な名前ですよね。同じ木なのですが、産地によって名前が変わっていて、
香りもそれぞれ微妙に違います。
その微細な香りの違いを聞き分けるのが香道です。
沈香以外にも、白檀やヒノキ、桐など香りのする木はあります。
沈香以外は香道では基本的には使いませんが、最近では「さそら」の代わりに
「白檀」を使う流派もあるようです。
お香は仏教とともに日本に伝えられたといわれています。
日本書紀によりますと、595年に淡路島に流れ着いた大きな流木が、
現在正倉院に所蔵されている「黄熟香」です。
別名「蘭奢待」もしくは「東大寺」ですね。
寺院などで使われていたお香は、平安時代には貴族の間で「薫物(たきもの)」として珍重されました。
西洋でいう「香水」のような役割をしていたと思います。
薫物合わせといって、自分のレシピを作って、誰の香りが一番いい香りか競っていたりもしたようです。
室町時代になり、将軍足利義政の命により、三條西実隆とその弟子の志野宗信とで
香道を体系化したといわれています。
この時より、「組香」が作られ香りで遊ぶようになっていくわけです。
公家や武家で遊ばれていた「組香」も江戸時代には庶民も楽しむほどとなります。
明治に入り、西洋文化の台頭により、衰退していきますが、昭和になり、
茶道の稽古の中に取り入れられるなど、
現在の状況に至ります。
日本で生まれた日本独自の香りの遊び、もっと広く知っていただけたらと思います。
お香を楽しむために必要な道具があります。
一般的な家庭で気軽に楽しめる「線香」や「コーン」などでも、立てるものが必要なように。
香道で香りを点てるために必要な道具がいくつかあります。
流派によって違いもあります。
ここではわが流派「桜月流」で使う一般的なものを少し紹介としておきます。
香盆、重香合、七つ道具、銀葉、聞香炉など
聞香とは、六種類の沈香木を心静かに集中して聞くことを言います。
香木は主に六種類ですが、その中にも名香という貴重なものもございます。
また貴重な香木を聞く会とかもありますので、機会がありましたらご参加してみるのもよいと思います。
組香とは、百人一首や伊勢物語、源氏物語などの和歌をもとに作られたゲームで遊ぶものです。
私が最初に書いた「香りで遊ぶ」というのはまさしくこの「組香」のことです。
『源氏香』という組香は5つの香木を使います。
5つの香木を5つずつ割り、全部で25の香木を「香包」に包み、打ち混ぜて5つ取り出します。
その5つの香りを順番に聞いていき、香りの違いを当てていくというものです。
5つずつ割っているので、5つとも同じ香りの香木の可能性も、全部違う香りの可能性もあります。
その香りの出方を図にしているのが「源氏構図」といわれるものです。
着物好きな方はご覧になったことがあると思います。
左は1番目3番目は違う香りで、2番目4番目5番目は同じ香りが出た、という図です。 右は 1,2,3番目が同じ香りで、4,5番目は最初の3つともまた違う香りであったことがわかります。
それぞれに源氏物語54帖の桐壺と夢の浮橋以外の52帖の名前がついてます。
5つの香りを全部聞いて、自分がこれだと思った答えを香図と和歌で答えるというのが「源氏香」の遊びです。
と、説明してもなかなかわかりにくいと思います。
こればかりは、体験するに限るのです。しかも、香りはここでは伝えられません💦
是非一度、香りで遊んでみてください。
また、盤ものといって、「組香」の中には駒を使って遊ぶものもあります。
たくさん盤ものはあるはずなのですが、駒自体が残っていないのが現状です。
需要がないので、売っていてもかなり高価なものとなります。
しかし、大変盛り上がりますので、これも一度体験していただくのがよいかと思います。
匂いというものは、鼻から直接脳に伝わります。
沈香の香りは和のアロマテラピーといわれるくらい、身体に反応いたします。
高ぶった感情は抑えられ、沈んだ気持ちは正常に。。
また、記憶力、集中力を鍛えます。
香りを聞く時の聞き方も、ヨガの呼吸法に似ていています。
六種の香木はもとは同じ木なので、効能も同じです。
効能としては、鎮静効果が高いとされています。
血流をよくするので、冷え性などにもよいとされ、喘息、嘔吐、腹痛などにも効果があるといわれています。
興奮を抑える作用があることから、武将が戦いに出る前に香を聞いたという話もあるくらいです。
茶道は「茶の湯」と呼ばれていました。
茶道はあらゆる分野に興味を持たせます。
茶室や茶道具のひとつひとつが知識を深めさせられ、知れば知るほど面白くなるものです。
人間の深みを得るのにまたとないもので、さらにお酒好きな方にはこれ以上ない習い事とも言えます。
何しろお稽古と称して昼からお酒が飲める稽古事はほかにないのではないでしょうか?
そしておいしいお料理も食せます。
ルールがわかりあっている仲間との茶事は、かなり楽しい時間になること間違いなしです。
大人の究極の付き合いはここにある。。だからこそ、政治家の方が茶道のたしなみがあるのもうなづけます。
こんな文化が日本にあるのです。
ワンランク上の大人を目指す、そんな方は一度香道、茶道、体験してみてください。
知的好奇心を満たしてくれる、新しい世界が待ってます。
村嶋 佳恵 むらしま よしえ
岡山県倉敷市児島で生まれる。 美容院という場所で育ち、花嫁を仕立てる美容院のため、鬘のびんつけ油やきれいなかんざし、 花嫁衣裳、振袖などきれいな着物に囲まれる。 ピアノ、書道などに触れ、高校卒業とともに茶道華道の師匠につく。 洋服の専門学校に通いながら、着付けや編み物、料理なども習う。 結婚後千葉に越してから、真剣に茶道の師を目指して修行。 修行中に香道の宗家と出会い、支持。 宗家について修行十数年、2019年家元を継ぐ。 趣味は読書と箏。ときどきサーフィン(チョー初心者💦) 体を動かすことは好き。 香道 桜月流 家元 茶道 表千家不審庵 教授
岡山県倉敷市児島で生まれる。 美容院という場所で育ち、花嫁を仕立てる美容院のため、鬘のびんつけ油やきれいなかんざし、 花嫁衣裳、振袖などきれいな着物に囲まれる。 ピアノ、書道などに触れ、高校卒業とともに茶道華道の師匠につく。 洋服の専門学校に通いながら、着付けや編み物、料理なども習う。 結婚後千葉に越してから、真剣に茶道の師を目指して修行。 修行中に香道の宗家と出会い、支持。 宗家について修行十数年、2019年家元を継ぐ。
趣味は読書と箏。ときどきサーフィン(チョー初心者💦) 体を動かすことは好き。
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