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メルマガお米炊飯研究所 配信No.71『江戸に学ぶ、米の未来』
「もっとお米のこと、知ってみませんか?」
五ツ星お米マイスター・Prof. 德永善也が
【德永善也のお米炊飯研究所】より、
「そうだったのか!」と思わずうなる
“お米のあれこれ” をお届けします。
如月(きさらぎ)2月も終わり、弥生3月を迎えようとしています。
若い頃にはあれほど長く感じたひと月が、年を重ねると本当に早い。
10歳の一年は人生の10分の1。60歳では60分の1。
「光陰矢のごとし」とは、よく言ったものです。
3月に入ると、水田農家では営農計画に基づき、種の準備が始まります。
その前段階である2月は、今年の作付けを決める大切な月です。
そして私たち米屋もまた、生産者から問われます。
「今年は、どのくらい必要ですか?」
ここで決めるのは、
まだ収穫もされていないお米の量。
今日まで令和8年2月。
今年、令和8年秋に収穫されるお米の数量を、いまこの時期に発注します。
そのお米は、来年、令和9年9月頃まで販売する予定。
つまり・・・
一年半以上先の販売量を、いま決断しているのです。
お米は一年に一度しか収穫されません。
それを一年かけて販売する。
相場も価格も天候も、まだ分からない。
それでも数量を決めなくてはならない。
正直に言えば、
「これは博打(ばくち)ではないか」と感じることもあります。
予言者ではありませんから、想像力を働かせ、情報を集め、
できる限り精度を高める努力をする。
それでも・・・
未来は、誰にも分かりません。
先日、とあるカタログ会社とお話をしました。
そのカタログは、再来年2028年⁈の秋まで販売が続くものです。
再来年の価格を、いま決める?
正直に言えば、予測はほぼ不可能です。
お米が高くなったらどうするのか…
安くなったら(カタログ価格との差がありすぎて)お客様に申し訳ない…
売れなければ困る…
売れすぎれば足りなくなる…
そして何より、
お米を切らすことだけは絶対にできない。
これが米屋の現実です。
首都圏では、すでにお米の特売セールが始まろうとしています。
お米の専門倉庫会社の話では、「米が動かない」とのこと。
一昨年からの高値の影響で業界は疲弊し、
3月決算期を前に、利益度外視で販売される動きも出ています。
生活者にとっては、
お米が安くなることは歓迎すべきことかもしれません。
しかしその裏側で、
流通業界の業績はさらに悪化し、
その空気が産地価格の下落を招く。
その影響を受けるのは、
生産者であり、流通業者であり、
その家族や親類縁者でもあります。
私たちは流通業者の端くれですが、
同時に生活者のひとりでもあります。
だからこそ思うのです。
お米は日本人の主食。
乱高下してよいものではない。
価格の安定は、
生産者の生活の安定であり、
流通の安定であり、
私たちの食卓の安定でもあります。
ヒントは、江戸時代にありました。
加賀百万石の「石(こく)」は米の単位。
一石=約150kg。
実は江戸時代には、
米の価格安定のための仕組みが整っていました。
それが「先物相場」です。
現在、世界でも使われている
例えばシカゴの先物市場の原型は、日本の米取引(堂島米立会所※)にあると言われています。
鉄鉱石、金、銀、砂糖、小麦。
多くの商品が先物市場で価格形成されています。
※堂島米立会所ー江戸時代(1730年〜)に大坂(大阪)の堂島に設立された、世界初となる組織的な米の先物取引市場です。
しかし、
日本の主食である「米」の世界では、
現代においてこの仕組みが十分に活かされていません。
そこには様々な事情があります。
けれども、
そろそろ歴史に学ぶ時が来ているのではないか・・・
私はそのように感じています。
※これはあくまで筆者個人の考えであり、業界全体の見解ではありません。
何でもかんでも
「国が悪い」「政府が悪い」と言うだけでは、
何も前に進みません。
自尊独立の精神を取り戻し、
私たち自身が米の未来について考える時代に入ったのかもしれません。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
弥生三月は春本番。
皆さまにとって良き月となりますように。
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