德永善也のお米炊飯研究所

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メルマガお米炊飯研究所 配信No.70『私のごはんの炊き方』

「もっとお米のこと、知ってみませんか?」

五ツ星お米マイスター・Prof. 德永善也が
【德永善也のお米炊飯研究所】より、
「そうだったのか!」と思わずうなる
“お米のあれこれ” をお届けします。

今日このメルマガを書いているのは2月7日土曜日。
明日は総選挙の日ですが、皆さん投票先はお決まりでしょうか。

「投票したって世の中は変わらない」
そんな言葉を若い方から耳にすることがあります。
そう思わせてしまったのは、今までの大人の責任なのかもしれません。

一票は、日本国民が平等にもつ大切な権利です。
どうか「変わらない」などと考えず、
それぞれの想いを一票に託してほしいと思います。

明日も北海道各地は大荒れの予想。
とある北海道の選管の方々は今日の晩から投票所に泊まり込む、と報じられています。
本州の各方面でも今季最大の寒波が襲来し、東京でも降雪の予報。
どうかできるなら穏やかな選挙日であってほしいと心から願っています。
しっかり身支度を整えて、安全対策を行って投票所へ行きましょう。

ところで、
前回は米屋の責任で、冬の洗米・・お米を研ぐときは”ぬるま湯”で行ってもかまいません、とお伝えしました。
今回は、そのあとの炊飯についてもお伝えしたいと思います。

テーマは「私がお米を炊くときは・・・」です。

炊飯については巷間いろいろな方法が伝えられており、
例えば、冷たい水で浸漬させて炊いた方がよい、とか、氷を入れて炊く、とか・・・
浸漬時間もすぐに炊いてもよい、いやいや30分浸けたほうがよい、1時間は必要だ、などと言われています。

私の意見は・・・美味しく炊けると思ったのならどんな方法でもいいんじゃない?と本当に思っているのです。
アレしたらダメ、コレを使わなきゃダメ、そんなことしたらダメ、など、炊飯のハードルを上げることで、
さらに米離れがすすんでいるようにも感じます。

結局、美味しく炊けた!と思ったら勝ち。

だけどそう言ってしまうとこのメルマガでさえ身も蓋もないことになってしまうので、
あくまでも「私が炊くときは」というカタチでお伝えしたいと思っています。

お米を炊くときに、先ずはお米を水に浸けます。
浸漬時間についてはたくさんの研究報告があり、水の温度によっても浸漬時間や水の含有率がかわってくることが報告されています。

簡単にお伝えすると、
水温が5℃〜10℃の低い場合、お米が水を吸うスピードはゆっくりになります。
しかし2時間〜4時間経過すると常温(20℃)の水で浸漬させた場合よりも2〜3%ほど含水率が高くなる、という報告があります。
ただし、30分〜1時間程度では充分に吸水されていないこともデータとして示されています。

逆に、30℃〜40℃の”ぬるま湯”では、30分から1時間でほぼ吸水が完了しており、それ以上置いておいても吸水率は高まりません。
むしろ”ぬるま湯”の方が、お米が30分程度でもしっかり吸水されていることがデータとして示されています。

また、現在多くのIH炊飯器で採用されている「前炊き」という機能。
ある炊飯器メーカーは、お米を研いで浸漬させずにすぐに炊飯スイッチを押してもよい、と宣伝しています。
これはいわゆる「前炊き」という機能が働くからです。

炊飯スイッチを押すとすぐに沸騰させるまでの加熱が行われるわけではなく、先ずはおおよそ15分程度釜内の温度を上昇させます。
だいたい50℃前後まで釜内の温度を上昇させ、その後沸騰までの加熱が行われているのです。
これは、温度を上げることで短時間でお米の吸水率を上昇させ、お米に含まれる酵素が40℃から50℃前後で活発に働き出すことから、
温度の上昇に伴った酵素の働きで、お米が柔らかくなったり、いわゆる甘みなども増してくることが考えられます。

つまり、すぐに炊飯スイッチを押すのであれば、わざわざ氷を入れたり、冷たい水を入れる意味がなくなるような気持ちになります。
むしろ氷を入れることによって、米自体の温度と水の温度にムラができて、均一な炊飯にならない可能性があるのです。

そこで「私の炊き方」です。

① 冬の時期は、ぬるま湯(30℃〜40℃)で洗米
② そのまま同じぬるま湯で水加減
③ 内釜を炊飯器にセットし、15分タイマー
④ タイマーが鳴ったら炊飯スタート

前回のメルマガNo.69でお伝えしたように、この寒い冬の時期は”ぬるま湯”でお米をとぎます。
そして、そのまま”ぬるま湯”を使って水加減を行います。

そして一工夫。

その”ぬるま湯”にお米を浸したまま内釜を炊飯器にセットし、「15分間」タイマーで時間を計ります。
タイマーのピピピが鳴ったら、炊飯器のスイッチを押します。
炊飯器によっては約50分前後で美味しいお米が炊き上がります。

実はこの狙いは、ぬるま湯に浸かったお米が15分、そして炊飯器のスイッチが入ってから約10分〜15分、温度が50℃くらいまで上昇することで、計30分の温度上昇による米の含水率を高めながら、お米の酵素にしっかり働いてもらう時間を確保しているのです。
また、お米の温度と水の温度がなじむことで米粒全体が均一に炊き上がることも期待できます。

ただし、この方法は注意も必要です。
温度が上昇してから30分以上経過すると、メイラード反応が起きやすくなるようです。
お米の糖分とたんぱく質が熱で結合し、お米が少し黄色っぽくなることがあります。
また、
ぬるま湯に浸けて長時間放置すると、お米に付着する菌が増殖し腐敗や匂い、変色の原因になったりします。
前の晩に研いで、翌日の朝タイマーをかけて炊飯する場合などは、必ず水道水や冷たい水を使用してください。
そして暑い夏の時期は通常の水道水の温度で充分ですし、心配ならば内釜を冷蔵庫に入れておくのも良いと思います。

いかがでしょうか?
上記はあくまで「私の炊き方」です。
ご興味ある方はぜひお試し下さい。

最後までお読みいただきありがとうございました。
明日はぜひ大切な一票を投じてください。

参考文献:
栞田寛子 他 , 玄米飯の物性と微細構造 , 日本調理科学会誌 44(2) , 137 ~144 , 2011〔報文〕
富永晴雄 他 , 浸漬時間の違いによる米飯の構造とテクスチャーの関係, 日本調理科学会誌, 48(1) , 18~25 , 2015
新井映子 他 , 加温浸漬による米飯の品質改変 , 日本家政学会誌, 48(9) , 789~795 , 1997

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