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メルマガお米炊飯研究所 配信No.69『冬の洗米、もう我慢しなくていい。』
「もっとお米のこと、知ってみませんか?」
五ツ星お米マイスター・Prof. 德永善也が
【德永善也のお米炊飯研究所】より、
「そうだったのか!」と思わずうなる
“お米のあれこれ” をお届けします。
24日夜から降り続いた雪は25日まで続き、札幌市は4年ぶりの災害級の大雪となりました。
25日は日曜日だったので会社は休み。ただただひとりで午前と午後計7時間の雪かきに悪戦苦闘しました。
持っていたスマートフォンをみたら2万歩を超える歩数となっていました。
それにしても一夜ならず二夜も、空港や地下街で飛行機や電車を待っていた皆さま、本当にお疲れさまでした。
まだまだ混乱は収まっていませんが、どうか一日も早く収束し、みんなが暖かい我が家に帰れますように。
心からお祈りとお見舞いを申し上げます。
雪かきをしている中で、手袋をはいていてもだんだん手が”かじかんで”きます。
手が冷たくなると、あ!そうだ!と伝えたくなることがあります。
それが、冬の時期の「洗米」。
1月20日は大寒でした。
この時期、実は一年で一番水が冷たい時期に入ります。
札幌市水道局のホームページには水温が報告されており、その範囲は5.1〜19.9℃(平均11.4℃)。
当然冬の時期の水温は低いのですが、8月になると約20℃近くなります。
水温5℃といえば冷蔵庫内の温度です。
飲めば爽やかな冷たさですが、
その水でお米を研ぐということは、氷水に手を入れて作業するのと同じこと。
手が一瞬で冷たくかじかみ、ジンジンとして冷たさで震えてきます。
この冷たさを祖母が、母が、妻が、いや父も祖父も美味しいお米を炊きたいと、我慢して我慢して続けてきてくれたのです。
しかし、この我慢は今日で終わりです。
米屋として私の責任でお伝えします。
「お米はぬるま湯で研いでもかまいません。食器を洗う程度のぬるま湯でよいのです。」
多くの方はびっくりされます。
以前、炊飯教室をおこなったときに、ある女性の方が涙ぐんでいました。
理由を聞くと、
「今まで母に美味しいごはんをたべさせたいと我慢して冷たい水でお米を研いできました。もう我慢しなくてよいのですね。」と仰いました。
だれがお米を研ぐときに水は冷たくなければならない、と言ったのでしょうか?
札幌の夏の水温は20℃ほど。
20℃の水の温度でお米を研いで、何か問題が発生したでしょうか?
冬はお米が美味しくて、夏のお米は美味しくない、と感じたことはありますか?
それよりも、我慢しないでぬるま湯でお米を研いだ方が、気持ちにストレスも無く、しっかりお米を研ぐ作業を行えるので、むしろごはんが美味しくなると思います。
ぬるま湯の温度は、一般的に30℃〜40℃の範囲(人肌〜少し温かい程度)といわれています。
そのくらいの温度でお米を研いでも、お米にダメージはありませんし、むしろごはんの光沢が増すのではないか、と思われるほどです。
お米の浸漬温度と米の裂傷発生率について研究報告があります。
その報告では、水温5℃、コメの水分率15%ではコメの裂傷発生率は30%にもなり、水分率が14%のときはさらに上昇して発生率は40%にもなると報告されています。(※)
あくまで浸漬温度に関する研究ですが、私の米屋としての実体験では、飲食店などで1月〜2月の洗米後にコメが砕けたようになったり、割れたりする問題がまれに生じます。特に自動洗米機などで何度か経験したことです。
初めは不可解な現象でしたが、この論文をみつけて納得がいきました。
このような結果からも、特に冬の洗米はぬるま湯で行ってもかまいません。
ただし、夜に洗米して翌朝タイマーをかけて炊飯する場合は、ぬるま湯で研いだ後、冷たい水でゆすいでください。
お米にはたくさんのいわゆる土壌菌が付着しており、水がぬるいと菌の繁殖の原因になります。
北海道はともかく、本州の夏の暑いときのコメの浸漬で冷たい水を使用したり氷を入れたりしますが、これは菌を増殖させないために行うことです。
ましてや夜研いで朝炊く場合は、できれば30℃以上の部屋に放置せず、釜ごと冷蔵庫に入れて冷やしておくのはもっともな理由です。
しかし、冬場はほとんど心配いりません。
洗米ではコメを2〜3回ゆすいだ後、水を切ってコメとコメをこすりあわせることでお米のダメージを軽減しながら土壌菌などをそぎ落とします。
そして水加減を行えば、菌の増殖を防ぎながら美味しいツヤのあるごはんを炊くことができます。
もう今日から冷たい水で我慢してお米を研ぐことはやめましょう。
そして、美味しいお米でツヤのあるふっくらとしたごはんを炊いてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※村田敏 他 , 水浸時の精白米の裂傷に関する研究 , 農業機械学会誌 54(1) , 67~72 , 1992
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