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のび太くんであれ
沖縄移住してから、
自分に言い聞かせている
言葉がある。
それが、
「のび太くんであれ」
という言葉。
出来杉くんでもなければ、
ジャイアンでもない。
完璧でもないし、
力で人を引っ張るタイプでもない。
では、なぜドラえもんは
のび太くんを選び、
あれだけ長い時間、
共に歩んできたのだろうか。
そして、なぜ
藤子・F・不二雄先生は
のび太くんというキャラクターに
フォーカスを当てたのだろうか。
その理由を考えるたびに、
私は「これだ」と思うことがある。
それは、のび太くんは
「助けて」と言える、ということ。
自分ができないことを、
ちゃんと「できない」と認める。
そして、
「できないから、助けて」と
素直に口に出せる。
これは、大人になるほど
なかなかできなくなることだ。
変なプライドが邪魔をして、
頼れなかったり、
一人で抱え込んでしまったり。
でも、のび太くんは違う。
今の自分と、なりたい姿。
その差が大きいからこそ、
人は応援したくなる。
よく言われる
「応援代 = 目的地 − 現在地」
その考え方でいえば、
のび太くんは、
まさに“応援代の塊”。
だからこそ、
ドラえもんも、しずかちゃんも、
周りのみんなも、自然と
「助けてあげたくなる」。
私は、沖縄に来てから
それを何度も実感してきた。
自分一人ではできないこと。
知識も、経験も、力も足りないこと。
それを無理に隠さず、
「分からないです」
「できないです」
「助けてください」と伝えたとき、
人は温かな手を差し伸べてくれた。
今の時代、
求められているのは
何でも一人でできる人よりも、
できないことを認め、
得意な人に任せられる人。
そして、
仲間をつくれる人。
変なプライドは、手放す。
自分が苦手なことは、
得意な人にお願いする。
そして、自分にしかできないことに
命を燃やす。
だから私は、
自分に言い聞かせている。
「出来杉くんを目指すのではない」
のび太くんであれ。
助けてと言える素直さと、
仲間を信じる心を、
これからも大切にしていく。
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